吉田拓郎にジョン・レノン…。桑田佳祐が書いたスターへの献歌
2017年7月12日 更新

吉田拓郎にジョン・レノン…。桑田佳祐が書いたスターへの献歌

宇崎竜童、弘田三枝子、ジョン・レノン、そして吉田拓郎…。これら敬愛するスターたち、それぞれのことを歌った“献歌”ともいうべき楽曲を残してきた桑田佳祐。称賛したり、腐したり、あるいは叱咤激励したりする各楽曲が持つ魅力を、制作された背景まで含めて、本稿では紹介していきます。

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『Hey! Ryudo!』⇒宇崎竜童

桑田と宇崎竜童の出会いは古く、桑田がデビューする前に遡ります。

「俺の愛すべき歌謡曲は『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』以来ほとんど出ていない」
と公言するほど、宇崎を敬愛していた桑田は、デモテープ持参で彼の楽屋まで訪ねていき、「事務所に入れてくれないか?」と打診したとのこと。
しかし、宇崎はこれを拒否。理由は、桑田独自のハッキリと聴き取れない歌唱法が気に入らなかったからだといいます。
宇崎竜童

宇崎竜童

70年代中ごろに『ダウン・タウン・ブギウギ・バンド』としてデビュー。

その歌詞の内容は…

そんなちょっとした遺恨はあったものの、桑田の宇崎に対する敬愛の念は変わらず。その証拠ともいえる楽曲が1980年にリリースされた『Hey! Ryudo!』です。
♪あいすいません ひと頃よりお目にかかれません♪
と、しばらくの無沙汰を詫びつつ、
♪会えば会うでそれだけ 何気なくもせつなく♪
♪アンナ男に愛されもしたら♪
というフレーズで、デモテープを突き返されながらも、いまだに憧れ続けているという、片思いに近い気持ちを表現しているかのようです。
♪せめて もう一度だけ Boogie Woogie♪
♪ヨコしまな心にさえ♪
このように、バンド名と代表曲に触れる一節も。なお、同年にリリースされた『ごめんねチャーリー』の歌詞にも「竜童」というフレーズが登場します。
『Hey! Ryudo!』:サザンオールスターズ

『Hey! Ryudo!』:サザンオールスターズ

サザン6枚目のシングル『涙のアベニュー』のB面として発表される

『MICO』⇒弘田三枝子

イタリア人歌手・ミーナの楽曲『砂に消えた涙』を、「世界一好きな曲」と公言している桑田。

そのカバー曲を歌った“ミコ”こと、ポップスの女王・弘田三枝子にも、相当な思い入れがあったのか、アルバム『綺麗』に収録された楽曲『MICO』において、愛憎入り混じった感情を爆発させます。
弘田三枝子

弘田三枝子

その歌詞の内容は…

♪人形の家に住まう前は Japanese Diana Ross♪
『人形の家』とは1969年のシングル。要するに、昔はスプリームスのダイアナ・ロスに比肩するような歌い手だったと言いたいわけです。
♪綺麗になってSoulを捨てて たしなみばかりが歌じゃない♪
つまり、今はダメだと。しかし…
♪お前がいなけりゃ 俺 今さら歌などない♪
こんな最大限の賛辞も送っています。
こんな桑田流の励ましに感動した弘田は、アンサーソングとして、『O-Key』を発表するに至るのでした。
『MICO』:サザンオールスターズ

『MICO』:サザンオールスターズ

サザン6枚目のアルバム『綺麗』に収録されている

『Dear John』⇒ジョン・レノン

桑田がビートルズ並びにジョン・レノンから多大な影響を受けていることは、周知の事実。

それゆえ、12月8日の悲報が飛び込んできた際、さぞかしショックを受けたのかといえば、実はそうでもないようです。桑田はこの時、ジョン=隠居と捉えていたために、現在進行形という意味での熱はすっかりなく、冷静に彼の死を受け入れることができたようです。

そんな背景もあって、ジョンへの想いをつづるにしても、今の気持ちを表すよりは、一番彼に熱を上げていた少年時代に立ち返ったほうが良作になると考え、この『Dear John』を書いたのでしょう。
ジョン・レノン

ジョン・レノン

桑田がもっとも彼にハマったのはビートルズ初期の頃
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