その歌詞の内容は…
♪君の声がする方へ 幼い頃 誘われて♪
♪言葉で夢と恋を 教えられた日々が♪
少年時代を回想するような歌詞。
♪夜のとばりに痛みが走り♪
♪闇を切る音 彼女の前で♪
例の事件を想起させる一節も突然ブッ込まれます。
♪今も蘇る Strawberry “Fields”♪
♪何もかもが“No reply”♪
♪大人になるにつれて 少しだけ感じる…Love♪
やはり、代表曲を随所にちりばめています。
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『吉田拓郎の唄』⇒吉田拓郎
なんとストレートなタイトルでしょうか。桑田は著書『ロックの子』の中で「フォークソングは嫌いだったけど、唯一、拓郎だけは歌謡曲の延長みたいで好きだった」という旨の発言をしています。
さらには、自身のラジオ番組で「色んなフォークが流行ってたんだけど、拓郎さんだけが輝いて見えた」とコメントしていたことからも分かるとおり、このフォークのプリンスに、かねてより強い憧れを抱いていたことは間違いないようです。
さらには、自身のラジオ番組で「色んなフォークが流行ってたんだけど、拓郎さんだけが輝いて見えた」とコメントしていたことからも分かるとおり、このフォークのプリンスに、かねてより強い憧れを抱いていたことは間違いないようです。
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その歌詞の内容は…
そんな拓郎について歌ったのが『吉田拓郎の唄』というわけですが、そこは桑田佳祐。単純な拓郎賛歌ではありません。
♪お前の描いた詩(うた)は 俺を不良(わる)くさせた♪
♪時代(とき)に流されず 迎合(あい)もせず 語りかけた人よ♪
こんな風に褒めたかと思えば、
♪さよなら My hero♪
♪美徳のつもりが罪ばかり♪
このように、否定的な言葉を綴り、しまいには
♪フォークソングのカス
とまで言いきっているのです。褒めたり、腐したり、なかなか忙しい歌ではないでしょうか。
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実はこれ、ちょうどこの時期にライブ活動引退宣言をしていた拓郎に対する、叱咤激励の気持ちを込めた歌だったのです(3年後の1988年に撤回)。
唄えぬお前に誰が酔う♪
♪夜空の星くず見るたびに 裏切られた気持ちよ♪
上記のような歌詞も、去りゆく拓郎への愛憎をよく表しています。
なお、『吉田拓郎の唄』をめぐる話には続きがあります。 2003年にサザンの野外ライブツアーでこの楽曲を歌った際、桑田は歌詞を大幅に変更。
♪涙の辛さも教えずに 一人男が死ぬ♪
改変後⇒♪酔いどれ姿もいかしてた そんな男がいる♪
♪美徳のつもりが罪ばかり いつか逢える日まで♪
改変後⇒♪今でも あなたの歌声が 胸を熱くさせる♪
このように、拓郎を全面的に賛美する内容へと改変されていたのです。ちょうどこの時期は、拓郎が肺がんの手術で療養していたとき。そんな「My hero」への激励を、よりストレートな表現で示したかったのでしょう。本人が弱っているときに、「フォークソングのカス」なんて歌ったら、それこそ、問題になりそうですし。
以上のように、さまざまなスターへの献歌を発表している桑田佳祐。これらの楽曲の背景にある想いまで汲みとって聴くと、また違った味わいがあることでしょう。
(こじへい)
以上のように、さまざまなスターへの献歌を発表している桑田佳祐。これらの楽曲の背景にある想いまで汲みとって聴くと、また違った味わいがあることでしょう。
(こじへい)