誰もが一度は観るべき! 最高のミュージカル映画「オール・ザット・ジャズ」(1980年)!
2016年10月24日 更新

誰もが一度は観るべき! 最高のミュージカル映画「オール・ザット・ジャズ」(1980年)!

1980年に国内公開された「オール・ザット・ジャズ」は、アカデミー賞やカンヌ映画祭でパルム・ドールなど数々の賞を獲得した名作ミュージカル映画です。ショービジネスの世界を背景に、幾度となく繰り広げられるダンス・シーンは圧巻の一言! 今日はその魅力を探ってみましょう。

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「オール・ザット・ジャズ」の意味

映画のタイトル「オール・ザット・ジャズ(All That Jazz)」は、ボブが脚本・振り付けを担当した1975年のミュージカル「シカゴ」の同名の曲からきています。
ここで言う「Jazz」は必ずしも音楽のジャズではなく、俗語で「似たようなもの、戯言、活気」という意味で、「All That Jazz」で「あれもこれも、何でもあり」という意味になります。
この映画の場合においで無理やり和訳してみると、「楽しければいい、お祭り騒ぎな人生」、そんな感じかと思います。
実際に「オール・ザット・ジャズ」で使われている曲はジャズ系のものはほぼなく、軽快なポップス調の曲が多くなっています。

Chicago - All That Jazz

「オール・ザット・ジャズ」のタイトルの由来ともなる、ミュージカル「シカゴ」で使用された曲「All That Jazz」。

見応えのあるダンスシーン

「オール・ザット・ジャズ」では、各所に音楽やダンスシーンが散りばめられています。
至高のミュージカル映画といわれるだけあって、それらはまさに「すごい!」の一言。
もちろん、必見の価値ありです。

1989年に発表され、この年の全米年間シングルチャート6位に輝いたポーラ・アブドゥル「冷たいハート」(Paula Abdul - Cold Hearted )のPVは、こちらで紹介しているシーンにインスパイアされているそうですので、一度見比べてみるのも面白いかもしれませんね。

Bob Fosse - Take Off With Us

「オール・ザット・ジャズ」からの圧巻なダンスシーン。

Paula Abdul - Cold Hearted

「オール・ザット・ジャズ」にインスパイアされているダンス・シーンが使われている、ポーラ・アブドゥル「冷たいハート」のPV。

「オール・ザット・ジャズ」と言えばやはり音楽&ダンス!

「オール・ザット・ジャズ」は随所に音楽やダンス・シーンが散りばめられており、名曲も多い映画です。
ジョージ・ベンソンの「On Broadway」や、映画ラストで使われているベン・ヴェリーン、ロイ・シャイダーの「Bye Bye Love」等は特に人気が高く、映画のサントラを初めて買ったのはこの作品だった、という方もいるようです。

ちなみにこの作品のDVDは通常版の他にミュージック・エディションという別バージョンも発売されています。通常版とは違い、好きなミュージカルシーンの場面だけを選んで再生できる機能が付いており、
音楽・ダンスを中心に楽しみたい方にとっては、まさにPV感覚の映像付きサントラ盤!といった感じの仕様です。
映画をじっくり見るのには時間が足りないけれど、音楽やダンスだけでも楽しみたい!という方には、サウンドトラックよりもこちらの方がお勧めです。

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第52回アカデミー賞(R)美術・装置賞ほか4部門受賞!
天才演出家ボブ・フォッシーが描くミュージカルの世界を堪能できる特典付きのミュージック・エディション。
大好きな曲の場面だけを選んで再生できる機能付きの「オール・ザット・ジャズ」ミュージック・エディション。

ボブ・フォッシーをより深く理解するために

フェデリコ・フェリーニの8 1/2

「オール・ザット・ジャズ」はイタリアの巨匠・フェデリコ・フェリーニ監督が1963年に製作した自伝的映画、「フェデリコ・フェリーニの8 1/2(はっか にぶんのいち)」の影響を色濃く受けている、とよく言われます。
著名な映画監督のグイドは、新作の構想と療養のため、温泉地へとやってくる。しかし、一向に定まらない映画内容と、周りの出資者に接する苦悩だけが積もっていく。いつしかグイドは、自らの理想の世界へと現実逃避する。
「フェデリコ・フェリーニの8 1/2」では、現実と幻想が並行して描写されており、主人公のグイドは「人生はお祭りだ。一緒に過ごそう。」と言います。
この映画は名優マルチェロ・マストロヤンニが主役のグイドを演じ、アカデミー賞、ニューヨーク映画批評家協会賞、モスクワ国際映画祭と数々の賞を獲得した今でもファンの多い名作です。
内容的に共通点が多いですし、「オール・ザット・ジャズ」を見た方はこちらと見比べてみるのもいいかもしれませんね。
フェデリコ・フェリーニの8 1/2

フェデリコ・フェリーニの8 1/2

「オール・ザット・ジャズ」に多大な影響を与えたと言われる「フェデリコ・フェリーニの8 1/2」。

フォッシー(Fosse)

「フォッシー」はボブ・フォッシーが手掛けた舞台・映画・テレビ番組からのダンス・シーンを一挙に集めた究極のコンピレーションです。
「スウィート・チャリティ」、「ライザ・ウィズ・ア・Z」、 「星の王子さま」、「くたばれ!ヤンキース」や「シカゴ」等の名場面はもちろん、2001年に行なわれたブロードウェイでの特別公演も完全収録されており、ボブのダンスの魅力を余すところなく見る事ができます。
ボブの才能や偉業を理解するのには一番わかりやすい作品かもしれません。
もちろん、「オール・ザット・ジャズ」での名シーンも収録されています。
フォッシー(ブロードウェイ・キャスト版)

フォッシー(ブロードウェイ・キャスト版)

天才振付師、ボブ・フォッシーが手掛けた名場面が集められた究極のダンス・レビュー「フォッシー」。

ボブ・フォッシーとマイケル・ジャクソン

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