誰もが一度は観るべき! 最高のミュージカル映画「オール・ザット・ジャズ」(1980年)!
2016年10月24日 更新

誰もが一度は観るべき! 最高のミュージカル映画「オール・ザット・ジャズ」(1980年)!

1980年に国内公開された「オール・ザット・ジャズ」は、アカデミー賞やカンヌ映画祭でパルム・ドールなど数々の賞を獲得した名作ミュージカル映画です。ショービジネスの世界を背景に、幾度となく繰り広げられるダンス・シーンは圧巻の一言! 今日はその魅力を探ってみましょう。

15,472 view

「オール・ザット・ジャズ」製作公開に至るまで

「オール・ザット・ジャズ」は、ブロードウェイの振付師で演出家でもあるボブ・フォッシーが自らメガホンをとり、自分の人生を自伝的に映画にしたものです。
映画の説明に入る前に、まずは製作に至る過程をご紹介いたします。

ショービジネス界の帝王、ボブ・フォッシー

ボブ・フォッシーは1927年、シカゴで生まれました。
若くしてその才能を発揮したボブは、13歳で自身のダンス・グループを率い、15歳の時には既に振り付けをはじめていたそうです。
その後、ブロードウェイ・ミュージカルで演出や振り付けを担当し、ダンサーとして映画に出演もしていましたが、1968年に「スイート・チャリティー」で監督デビューします。
振り付け師時代にはトニー賞振り付け賞を何度も受賞したボブですが、1973年にはアカデミー監督賞、トニー賞、エミー賞、1979年にはカンヌ国際映画祭パルム・ドールと、数々の賞を獲得しており、まさしくショービジネス界の帝王といえるでしょう。
監督した作品には「キャバレー」「レニー・ブルース」「スター80」等があります。
そして1987年、惜しまれつつボブはこの世を去りました。
ボブ・フォッシー

ボブ・フォッシー

ダンサー、振付師、演出家、映画監督と活動は多岐に渡り、その才能を余すことなく発揮したボブ・フォッシー。

破天荒な人生を歩んだボブ

晩年になり、死期が近いと宣告されたボブ・フォッシーは、自分の自伝的映画「オール・ザット・ジャズ」の製作を思い立ちます。
ショービジネス界での名声を欲しいままにする一方、ボブは女性関係では3度の結婚経験や不倫をしたり、煙草や薬で身体を壊したりと、破天荒な人生を送っていました。
逆に言うと、それだけ自分の身を粉にしてまで費やしてきたショービジネスの世界において、自分の生きてきた証として自身の集大成といえる作品を残したかったのだと思います。
グウェン・ヴァードン

グウェン・ヴァードン

ボブ・フォッシーの3度目の結婚相手であるグウェン・ヴァードン。ハリウッドやブロードウェイで女優やダンサーとして活躍し、ボブの晩年をともに過ごした女性。

1979年、米国で公開!

闘病生活を続けながらボブ・フォッシーは製作を進め、「オール・ザット・ジャズ」は1979年12月にアメリカで公開されます。映画の完成度はかなり高く、1980年にアカデミー賞の美術賞・編集賞・編曲賞・衣装デザイン賞を、そしてカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞しました。
また、1981年には英国アカデミー賞の編集賞、撮影賞も受賞しています。

アメリカでの公開の約8ヵ月後、日本でも本作はいよいよ公開され、今までにかつてなかったタイプのミュージカル映画だ!と数多くの賞賛の声を受けました。

ALL THAT JAZZ - Trailer - (1979) HQ

「オール・ザット・ジャズ」アメリカ公開時の予告動画(英語)。

「オール・ザット・ジャズ」徹底紹介!

さて、それでは早速映画「オール・ザット・ジャズ」の内容について迫っていきたいと思います。

映画のあらすじ

ブロードウェイの演出家のジョー・ギデオン。彼の生活はヴィヴァルディを聞きながらシャワーを浴び、目薬と飲み薬を服用し、「さぁショータイムだ!」と自分を鼓舞して始まる。
忙しく不規則な毎日がたたり、ジョーは倒れてしまう。薄れゆく意識の中で彼は自分の人生をミュージカルを見ているように思い返す。

ALL THAT JAZZ. Show time

映画冒頭部分、「さぁショータイムだ!」とジョーが言う有名なシーン。

キャストの紹介

映画の主人公、ジョー・ギデオンを演じるのはロイ・シャイダー。
映画「フレンチ・コネクション」や「ジョーズ」「ジョーズ2」等の主演をはじめ、数々の映画に出演している個性派俳優です。
彼も残念ながら2008年に多発性骨髄腫による合併症のため、この世を去っています。

そしてアンジェリークを演じるのはジェシカ・ラング。
1982年に「トッツィー」でアカデミー助演女優賞を、「ブルースカイ」ではアカデミー主演女優賞やゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞しています。
ロイ・シャイダー

ロイ・シャイダー

主役を演じるのは、「ジョーズ」シリーズの主演でも知られる個性派俳優ロイ・シャイダー。
ジェシカ・ラング

ジェシカ・ラング

天使・アンジェリーク役を演じるジェシカ・ラング。
51 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

【クレイマー、クレイマー】第52回(1980年度)アカデミー賞を振り返る!【ダスティン・ホフマン】

【クレイマー、クレイマー】第52回(1980年度)アカデミー賞を振り返る!【ダスティン・ホフマン】

1980年と言えば、イラン・イラク戦争が勃発した年。ジョン・レノン銃殺事件が起きたり、 モスクワオリンピックを日本やアメリカがボイコットしたりした年でもあった。そんな1980年のアカデミー賞を振り返ってみよう。
もこ | 651 view
男なら、この美しいオープニングを見ずして死ねるか!スコセッシ&デ・ニーロ、究極のボクシング映画『レイジング・ブル』

男なら、この美しいオープニングを見ずして死ねるか!スコセッシ&デ・ニーロ、究極のボクシング映画『レイジング・ブル』

ロバート・デ・ニーロとマーティン・スコセッシの名コンビによる、究極のボクシング映画である。まずボクシングシーンが強烈だ。いつもながらデ・ニーロの理不尽なキレかたにも凄味がある。そしてなによりも、オープニングが素晴らしい。男なら、これを見ずして死ねないだろうと思えるほどの出色の出来だ(もちろん女性も!)。まさに観る人の人生の想いが投影できる“オープニング”である。是非!
東龍太郎 | 14,271 view
高校時代の青春と恋愛を描いた物語がミュージカルに!!映画『グリース』

高校時代の青春と恋愛を描いた物語がミュージカルに!!映画『グリース』

ヒロインのオリビア・ニュートン・ジョンは当時29歳でしたが、とても可愛らしく魅力あふれる高校生役を見事に演じてくれました。映画『グリース』は、ダンスも歌もとても素晴らしく、背景も懐かしいアメリカンな感じです。
星ゾラ | 26,187 view
美しきダンス映画「フラッシュダンス」 シンセサイザーの音が印象的な主題歌!麻倉未稀もカヴァーしましたね♪

美しきダンス映画「フラッシュダンス」 シンセサイザーの音が印象的な主題歌!麻倉未稀もカヴァーしましたね♪

1983年アメリカで公開された映画「フラッシュダンス」。主人公のサクセスストーリーが面白かったですね。主題歌は日本でも大ヒットしました!
ひで語録 | 15,560 view
ジョン・トラボルタがダンス界に新たな伝説を!激しいダンスで科学反応を起こす!!映画『ステイン・アライブ』

ジョン・トラボルタがダンス界に新たな伝説を!激しいダンスで科学反応を起こす!!映画『ステイン・アライブ』

シルヴェスター・スタローンが監督を務め、前作の『サタデー・ナイト・フィーバー』で主人公を演じたジョン・トラボルタが主演となっています。映画のために一流のダンスコーチの指導があったそうで、映画では迫力あるダンスを観る事が出来ます。
星ゾラ | 8,434 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト