「あんぱん」の木村屋が生んだ広告手法と芸能について。
2017年3月21日 更新

「あんぱん」の木村屋が生んだ広告手法と芸能について。

桜がだんだん咲き始めましたね。空気も暖かくなってきた気がします。ああ、ようやく春…。桜といえば、木村屋(銀座木村屋總本店)の「桜あんぱん」を思い出した自分。木村屋のパンが、ある芸能の成長と関わりがある事をご存じでしょうか?

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桜がだんだん咲き始めましたね。空気も暖かくなってきた気がします。
ああ、ようやく春…。
桜といえば、木村屋(銀座 木村屋總本店)の「桜あんぱん」を思い出した自分。

木村屋のパンが、ある芸能の成長と関わりがある事をご存じでしょうか?
今回はそんなコネタです。

1874年、あんぱんが誕生

明治時代に入りたてのころ、世間には「パン」という存在は認知されていませんでした。その中、明治2年(1869年)に文英堂、翌3年に銀座に移り屋号を「木村屋」とした木村安兵衛さんと息子の英三郎さん。「どうしたら日本人向きのパンが作れるのか」と考え、パン作りに試行錯誤します。その結果、イースト菌ではなく酒の酵母から酒種発酵種による酒種生地を発明し、そして明治7年(1874年)、西洋のパンに日本の味「あんこ」を融合させた「あんぱん」が誕生しました。

「あんぱん」の誕生です!
1874年、あんぱんが誕生

1874年、あんぱんが誕生

銀座4丁目(現在の銀座店の向かい側)に木村屋の店舗完成。

※銀座木村家のホームページより

明治天皇に献上された「桜あんぱん」

さて、その「あんぱん」は明治8年(1875年)に明治天皇に献上されます。この時は、「あんぱん」の上に、梅酢で漬け込んだ後に塩につけこんだ桜の花びらを乗せた「桜あんぱん」を献上。明治天皇と皇后(特に皇后)がお気に召しまして、結果、パンの認知につながっていきます。天皇に初めて献上されたパンは木村屋の「桜あんぱん」…ということになりますね。これは今も販売されていますよ♪
酒種あんぱん 桜

酒種あんぱん 桜

銀座 木村屋總本店オンラインショップより

「あんぱん」の名を広めた、木村屋の宣伝手法

その後明治15年(1882年)に新橋~日本橋間の鉄道が開通すると、木村屋の「あんぱん」は銀座名物として評判になります。

とはいえ、「あんぱん」の名が広まった背景には、実は、鉄道というより、木村屋が開発した屋外での宣伝手法がありました。秋田柳吉さんの広目屋(広告会社)から楽隊広告のヒントを得て思いついた手法です。

テレビもラジオも無い当時、木村屋はどのような広告を打ったかというと…

チンドン屋!

チンドン屋!

今も大道芸やお店の開店のイベント、大学祭などでよく見かける、あのチンドン屋です。
というよりチンドン屋を世間に認知させたのは、「あんぱん」で有名な銀座の木村屋なんです。

銀座中に「木村屋あんぱん」コマーシャルソングが響き渡ることに

目立つ衣装をまとい、締太鼓と鉦を組み合わせた「チンドン太鼓」などの演奏を付けた「木村屋のあんぱん」の歌を歌いながら銀座を歩き回るチンドン屋さん。銀座の街中に彼らによる「木村屋あんぱん」コマーシャルソングが響き渡った効果は絶大でした。

ちなみにチンドン屋の語源。鉦の「チン」という音と胴太鼓の「ドン」という音を組み合わせた擬音から成立した説が有力ですが、成立由来ははっきりしていません。由来はともかくとして、チンドン屋は今日では大道芸のいちジャンルとして成長し、昭和30年(1955年)から今日に至るまで「全日本チンドンコンクール」なる大会が富山市で開催されております。
そんな訳で、今や日本のパンの代表格となった「あんぱん」を作った木村屋とチンドン屋は、実は、『コマーシャルソング』の先駆けとしても広告史に名を刻んでいるのです。

今回は、あんぱんと広告と大道芸のコネタでした♪
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