アメリカ横断ウルトラクイズが終了した訳
スケールの大きな歴史に残るクイズ番組でしたが、やはりそれを実行するにはそれなりに大掛かりな環境整備が必要であったということでしょうね。
(中止した主な理由)
・制作費が莫大で、1回制作するたびに大赤字だった。しかも、バブル崩壊で不景気になり、スポンサーが減った。
・番組開始当初(昭和50年代)は、海外旅行がまだ庶民の夢として扱われていたが、そのうちに一般人が気軽に海外へ行けるようになり、ステータスが薄れた。番組後期は、これを補うために秘境を探し続けたが、だんだんにそれもなくなった。また、そのことがさらに制作費を圧迫した。
・海外旅行が憧れだったころは、人生を賭して(仕事を投げ打って)挑戦するチャレンジャーがいたため、ドキュメント色のある番組が出来た。しかし、だんだん男性会社員のチャレンジャーが少なくなり、中期には自営業者の後継ぎやOL、後期には学生のチャレンジャーが勝ち残る傾向が強まった。特に学生達は、勝ち残るための対策を「クイズ研究会」で鍛えたため、解答レベルを高めることに貢献した反面、テレビ向きのキャラクターを制作側とともに作っていく姿勢に欠けるところがあり、視聴者の共感が得られにくくなった。こうしたことが、徐々に視聴率を下げる要因になったと言われている。
(現在も復活しない主な理由)
・テロ対策などで、海外での大型ロケ自体が難しくなっている。特にウルトラクイズの場合、勝者の宿泊券や敗者の航空券を仮名で予約し、直前で修正するというテクニックを使っていたが、この方式がいま通用するかどうかは疑問。
・インターネットと携帯電話が発達し、情報管理ができなくなっている。1998年に復活した時も、第1問はドーム内で出題されたが、いっせいに携帯が取り出され、回線がパンクする事態が起きた。また、ネタバレ防止のため決勝を生中継にしたが、挑戦者をいったん日本に帰してからまた連れていくのは不自然だし、毎年繰り返すのは難しいと思う。
「アメリカ横断ウルトラクイズ」歴代の優勝者/準優勝者一覧
なお、各人のプロフィールはwikipediaを参照させていただいております。
優勝者 | 準優勝者 | |
第1回 | 松尾清三 | 藤原滋子 |
第2回 | 北川宣浩 | 間下友美子 |
第3回 | 宗田利八郎 | 田上滋 |
第4回 | 上田由美 | 松澤典子 |
第5回 | 真木法男 | 杉山眞 |
第6回 | 高橋直樹 | 高木剛 |
第7回 | 横田尚 | 渡辺晶夫 |
第8回 | 石橋史行 | 宍戸浩明 |
第9回 | 金子孝雄 | 長谷川威夫 |
第10回 | 森田敬和 | 西沢泰生 |
第11回 | 稲川良夫 | 山賀恵美子 |
第12回 | 瀬間康 | 仁大江成人 |
第13回 | 長戸勇人 | 永田喜彰 |
第14回 | 佐藤光邦 | 高松康典 |
第15回 | 能勢一幸 | 松原史和 |
第16回 | 田中健一 | 大西肇 |
「今世紀最後」 | 小川圭太 | 清水耕司 |