B’zのアルバム”The 7th Blues”は彼らの音楽姿勢における大きなターニングポイントとなった。
2016年6月6日 更新

B’zのアルバム”The 7th Blues”は彼らの音楽姿勢における大きなターニングポイントとなった。

B’zを語るには実に様々な切り口があろうかと思います。私は主に90年代、B’zの熱烈なファンでした。そんな私にとって「The 7th Blues」は衝撃的かつB’zが猛烈に好きになるきっかけとなったアルバムでした。

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B'z "The 7th Blues"

手にしたとき「あれっ?」と感じました

手にしたとき「あれっ?」と感じました

B'z初の2枚組オリジナル・アルバム。
タイトルは「ブルーズ」だが、ブルース調の曲が多いわけではなく、アレンジとしてはジャズやファンク寄りのものも多い。
様々な楽器が使用され、特にブラスが多用されている。また、他のアルバムに比べ演奏時間が長い曲が多く、6分を超える曲が6曲あり、半数の楽曲が5分を超えている。

B'z / Don't Leave Me - YouTube

同アルバムに収録された先行シングル「Don't Leave Me」

1988年デビューから"The 7th Blues"までのB'z

もともとはTMNのようなデジタルサウンド

1988年デビュー当時のスタイル

1988年デビュー当時のスタイル

初期の作品はギターサウンドを抑え打ち込みを前面に出したTM NETWORKに近いデジタルサウンドであった。
これについて松本は「B'zの初期は、確かにTMの流れを汲んでいた」「TMから始まったものが今の僕のスタイルの一部にはなっていると思う」「B'zの初期はテッちゃん(小室哲哉)の影響が大きかった」と語っていたり、メンバーは「デジタルでは絶対に音が作れないギターとボーカルを、デジタルビートと融合させる、というコンセプトで活動している」とも発言していた。
一気にモデルチェンジしたと言っても過言ではなかったと思います。
ブレイクのきっかけとなる『BAD COMMUNICAT...

ブレイクのきっかけとなる『BAD COMMUNICATION』

当時もまだ、デビュー時から続くファッションは踏襲されていました。

そして"The 7th Blues"

それまでと違い、一気にデジタル色が消えた

それまでと違い、一気にデジタル色が消えた

二人のスタイル/ファッションもここから大きく変わったと思います。
私はこのアルバムから猛烈なB'zファンになってしまいました。
思いついた曲をどんどんレコーディング

思いついた曲をどんどんレコーディング

メンバーは、「今まではツアーの合間にアルバムのレコーディングをしていたが、初めて製作だけに集中できた」とコメントし、今回はあまり深く考えず思いついた曲をどんどんレコーディングするという方針がとられた。
このため最初から2枚組を目的として製作されたわけではない。ミキシングエンジニアは、後にグリーン・デイなどを手掛けるクリス・ロード・エルジが担当。また、東京スカパラダイスオーケストラなど多くのミュージシャンが参加している。
大きなターニングポイントに

大きなターニングポイントに

何かテーマがあってアルバム制作に取り掛かっていなかったため、アルバムタイトルは「7枚目のオリジナルアルバム」ということに加え、ブルースでよく使われる「7thコード」をもじったもので、松本孝弘曰く「酔った時の思いつき」(同年のツアータイトルは、9回目のツアーということから「B'z LIVE-GYM '94 "The 9th Blues"」となった)。
稲葉浩志は当時「これからの基本姿勢ができた」と本作を気に入っており、松本も後に「大きなターニングポイントとなった」と語っている。
尚、前作『RUN』以降に発売されたシングルのうち、「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」と「裸足の女神」は未収録となった。
『The 7th Blues』はB'zから聴き手への啓蒙

『The 7th Blues』はB'zから聴き手への啓蒙

当時は、長期のライブツアーによるメディア露出の激減やメンバーの長髪、稲葉も「内に向かって吐き出していた」とコメントしたほどのヘヴィーなライブなどが重なり、現在ではメンバーは94年を「暗黒時代」と呼んでいる。
これについて当時の取材インタビューで松本は、これまでは意識して売れる作品を提供してきたと認めた上で「今までは僕らのことをアイドル的に見てる人もいた」「このアルバムには自分達のルーツみたいなのがはっきりと出ている。
それをこれからの人達にも伝えたい」と答え、翌年のインタビューでは「去年(『The 7th Blues』)はこちらから啓蒙させようという意識があった」と述べている。
洋楽を聴くきっかけにもなった「The 7th Blues」

洋楽を聴くきっかけにもなった「The 7th Blues」

2008年のタワーレコードの携帯サイトでは「『The 7th Blues』は当時の邦楽で一番洋楽の音に近く、そこから洋楽を聴く人が増えた」と指摘し、後に稲葉ソロでベースを担当した麻井寛史は「『The 7th Blues』を聴いて洋楽を聴くようになった」と公言している。
オリコンチャートで3週連続1位となり、累計売上約163万枚と2枚組オリジナル・アルバムとしては史上初のミリオンセラーとなり、2枚組オリジナル・アルバムでは歴代最高の売上を記録。

当時流れた"The 7th Blues"のCM

CM B'z 『LOVE IS DEAD』 [The 7th Blues] - YouTube

なかなか動画がないのですが本アルバム収録曲をいくつかご紹介

B'z アルバム名曲集 - YouTube

B'zの全アルバムの名曲メドレーです。 表題曲を中心に年代順に並べました!

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