ブルーバード店の上級車種として登場
しかし、1979年発売の910型は4気筒エンジンのみとされ、6気筒はラインナップから外されてしました(海外向けは6気筒エンジン搭載車も用意)。そして、このミドルクラスを担うべく開発されたのが、初代レパードでした。
なお、レパードはチェリー店向けの仕様も用意され、レパードTR-X(トライエックス)のサブネームが付けられました。
日産・ローレル
時代をリードするデザインと先進装備
エンジン冷却技術の革新により、各社のデザインが大きく変革してきた時期ではありますが、そのなかにあってフロントグリルやリア・ガーニッシュに透明樹脂を多用した洗練された外観は、まさに「近未来」を感じさせるデザインでした。
装備面でも、4つの機能を一つに集約したマルチ電子メーター、光通信ステアリングスイッチ、ドライブコンピュータ、オートレベライザー(車高自動調整)、ワイパー付きフェンダーミラー、日本初のオートボリュームコントロールオーディオ、チルト&テレスコピックステアリング、オートエアコンなど、世界初や日本初と謳われるエレクトロニクス装備を多数搭載していました。価格も同クラスのローレルよりもやや高めでした。
非常に先進的なルックスと装備を満載したレパードは、日本のみならず、海外の自動車界からも高く評価されました。初めてレパードを見たとき、「このクルマはなんだ!?」と思った人も多いことでしょう。
F30レパードTR-X CM
外観ほどではなかったメカニズム
技術的なベースは910型ブルーバード、エンジンは既存の直列6気筒2800ccのL28E型(145PS/23.0kg・m)、同2000ccのL20E型(125PS/17.0kg・m)、そして直列4気筒1800ccのZ18型(105PS/15.0kg・m)の3種類を搭載。変速機は5速MTと3速ATで、1800cc搭載車には4速MTもあった。いずれも日産の定番エンジンを搭載し、「パワーエリート」のコピーで華々しくデビューしたものの、翌1981年2月に発売されたトヨタ・ソアラが2800ccDOHC(170PS/24.0kg・m)や2000ccSOHCターボ(160PS/23.5kg・m)を搭載して出てくると、レパードのエンジンにエリート感はなくなってしまいました。
マイナーチェンジでターボ車を追加
1984年6月には、フェアレディZに搭載している日産最新の高性能エンジン、V型6気筒3000ccのVG30ET型(230PS/34.0kg・m)を搭載。CMコピーも「鋭く挑む、華麗なる豹」に変わりました。性能面ではソアラを大きく上まわりましたが、遅きに失した感はありました。
1984 NISSAN LEOPARD Ad
フルモデルチェンジで2ドアクーペ1本に
2代目も販売的にはイマイチでしたが、テレビドラマ「あぶない刑事」での活躍は皆さんの知るところです。