『その男は詰襟の洋服を着て、脚に脚絆をまき草鞋をはいて、白鉢巻きをしていた。そしてその鉢巻きには点けっぱなしにした棒型の懐中電燈二本、角のように結びつけ、胸にはこれまた点けっぱなしにしたナショナル懐中電燈を、まるで丑の刻参りの鏡のようにぶらさげ、洋服のうえから締めた兵児帯には、日本刀をぶちこみ、片手に猟銃をかかえていた。』(原文より引用)
本作で要蔵が殺戮を行うシーンは「津山三十人殺し」と呼ばれる事件がモデルになっており、そのときの犯人の風体がそのまま要蔵の格好となっている。
八つ墓村 多治見要蔵の32人殺し - YouTube
狂気、多治見要蔵。
via youtu.be
こんなエピソードが、話を余計に怖くさせますよね。
八つ墓村の評価はどうだったのでしょうか。
評価としては、様々でいい評価もあれば辛口な評価もあります。
いかにも昭和な田舎の夏の風景といい、音楽といい、キャスト(とりわけ小川真由美の妖艶さ)といい、申し分ありません。しかし、肝心のシナリオが今ひとつ。妙に理屈っぽい上に、登場人物たちのキャラも平板な感じ。何かいかがわしいとか、腹に一物ありそうとか、そういう個性的な人物がいない。照明も明るすぎて、オドロオドロしさがない。だからストーリーに魅力が感じられません。それでいてラストだけ急にオカルトっぽくなったり。
だいたい、何人もが亡くなりますが、犯行のシーンは(冒頭の落ち武者や32人殺しを除いて)一つもありません。だから最後に謎解きをされても、どうも腑に落ちない。何らかの〝美学〟なのかも知れませんが、下世話な私は「そこのディテールをごまかすなよ」としか思えません。
口直しに「トリック」の「六つ墓村」を見たくなりました。
これはモデルとなる事件があるんですね。知りませんでした。現代でも時々田舎での大量殺人事件って起こりますけど、「こんなのどかで平和そうな村で・・・」なんて裏には家や親族・習慣やシキタリに縛られた閉鎖的な代々と続く情念渦巻く人間関係があり、都会の孤独をベースとして渇いた通り魔的無差別殺人とは対極的な背景があるのだろうと思います。ミステリーでもホラーでもない、時間という縦軸と同時代に生きる閉鎖的社会という横軸が絡み合った業の深さを描写した人間ドラマであり、飛行機や新幹線でどこにでも行ける時代から、ネットで誰とでもつながれる現代であっても、田舎の近隣親戚・家族、そして先祖・子孫という因縁は人の心に重くのしかかるものなのでしょう。
ちっちゃい頃、これのCMが怖かったなぁ。で、本編は家で大人が観る中で幼い私は怖くてちゃんと観られなかったが、大人になってから、しかも寅さんの映画を制覇した後では、渥美さんは完全に車寅次郎(『拝啓天皇陛下様』では移入出来たので役が合ってないのかな←個人的意見)で、彼の演じる金田一は寅さんの夢シーンみたいで今観ると少し残念だが、小川真由美さんの怖ろしさは変わりなかった、、、。
あの頃の恐怖をBlue-Rayで振り返ってみては。
via www.amazon.co.jp
Amazon.co.jp | あの頃映画 the BEST 松竹ブルーレイ・コレクション 八つ墓村 [Blu-ray] DVD・ブルーレイ - 萩原健一, 小川真由美, 山崎努, 渥美清, 野村芳太郎
¥2454
Amazon.co.jp | あの頃映画 the BEST 松竹ブルーレイ・コレクション 八つ墓村 [Blu-ray] DVD・ブルーレイ - 萩原健一, 小川真由美, 山崎努, 渥美清, 野村芳太郎
綺麗な画像で見ると怖さ倍増です。
八つ墓村のまとめ
八つ墓村といえば、豊川悦司が演じた1996年、テレビで見た石坂浩二が演じた作品も有名ですが、1977年版の渥美清が演じる本作品も最高の出来でしょう。
ロケ地も、岡山県の吹屋ふるさと村にある広兼邸で行われたり、同じく、岡山県の満奇洞、山口県の秋芳洞など、幻想的な印象を与える鍾乳洞での撮影が作品の奥行きを広めてくれました。
ロケ地も、岡山県の吹屋ふるさと村にある広兼邸で行われたり、同じく、岡山県の満奇洞、山口県の秋芳洞など、幻想的な印象を与える鍾乳洞での撮影が作品の奥行きを広めてくれました。
ロケ地も、岡山県の吹屋ふるさと村にある広兼邸で行われたり、同じく、岡山県の満奇洞、山口県の秋芳洞など、幻想的な印象を与える鍾乳洞での撮影が作品の奥行きを広めてくれました。
そんなロケ地を巡っていくことも楽しみの一つになっています。
そんなロケ地を巡っていくことも楽しみの一つになっています。
生々しい殺害された映像が恐怖を駆り立て、映画館で見なくてよかったと本気で思っています。
本当に落ち武者の呪いだったのでしょうか。それとも人間の欲の呪いだったのでしょうか。もう一度、大人になった今、見てみてはいかがでしょうか。
夏八木勲の演技が印象的で、ラストシーンは忘れることはできないでしょう。
夏八木勲の演技が印象的で、ラストシーンは忘れることはできないでしょう。
よく池から足が飛び出している映像をイメージされますが、あのシーンは八つ墓村には出てきません。
よく見られる「犬神家の一族」とは違う話なのでお間違えの無いように。
よく見られる「犬神家の一族」とは違う話なのでお間違えの無いように。