2018年6月5日 更新
富士山の3倍の高さ!?バブル期に実際に検討された超絶高層ビル「東京バベルタワー」とは?
現在中東などで盛んに建設されている超高層ビル。中には高さ1000mを超える超々高層ビル(ハイパービルディングと呼ばれます)の建設計画もあります。一方、かつてバブル期の日本でも規格外のハイパービルディングの建設構想があったのをご存知でしょうか?この記事では、無謀とも言えるバブル期の建設構想について書いてみたいと思います。
無謀!?バブル期に計画された超絶高層ビル構想!!
現在中東などで盛んに建設されている超高層ビル。中には高さ1000mを超える超々高層ビル(ハイパービルディングと呼ばれます)の建設計画もあります。一方、かつてバブル期の日本でも規格外のハイパービルディングの建設構想があったのをご存知でしょうか?この記事では、無謀とも言えるバブル期の建設構想について書いてみたいと思います。
現代版バベルの塔?東京バベルタワー!!
富士山を見下ろせるビル??
まずご紹介するのは、東京での建設を予定していたハイパービルディング構想である「東京バベルタワー」。早稲田大学の尾島俊雄研究室が1992年の地球サミットで提唱した構想で、ビルの高さはなんと「10000m」。ちなみに富士山が3776mですから、その3倍近い高さになります。
「山手線の内側すべて」を使ってビル建設!?
この構想のすごいところは、高さもそうですが敷地面積の広さにもあります。10000mの高さを支えるために、110km²(およそ10km四方)の土地を用意しなければならず、この広さは山手線の内側の面積(63km²)の2倍近く!それをよりによって東京に建設する構想です。道路の拡張工事などでの土地買収でも数十年単位でかかるというのに、どうやって土地を買収するつもりなのだろうか?
3000万人が居住する!?
東京バベルタワー構想では、地上から1000mの部分までは住居などでの利用が想定されており、その想定居住者数はなんと3000万人!日本の人口の実に1/4がこのビルに住む計算になります。東京一極集中の弊害が叫ばれている現代社会、および過疎化に苦しむ地方への重大な挑戦と言えるでしょう!
建設費は「3000兆円」と大変お買い得!?
東京バベルタワーの気になるお値段ですが、当時の試算で3000兆円という数字が出ていました!これは日本の国家予算の約30年分、日本のGDPの6倍に相当します。「日本の借金が1000兆円を突破した」という話を聞いたことのある方は多いと思いますが、そんな借金はこの構想に比べれば大した数字ではありません!「30年ローンで家が買える」みたいな感覚で良いと思います(?)
超高いビルであるが故の様々な弊害が!!
建設までに様々なハードルが立ちふさがる東京バベルタワーですが、実際に建設されたとしても様々な弊害が出てくることが当時から指摘されていました。「メンテナンスはどうするんだ?」「巨大地震が発生した場合、大量に死者が出るだろ」「テロが起きたらどうするんだ?」「上層階の窓が割れたらマイナス50度の突風が住民を襲う」など、お金の問題以前に、そもそも建設するメリットを疑問視する声が多数寄せられたと言います。
以上の理由から、東京バベルタワーはバブル期の構想としてもあまりに無謀であると言え、バブル崩壊とともに実現可能性は消えていきました。今度は、バブル期に発表された他のハイパービルディングの建設構想に移りましょう。
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