はじめに
一方で、チューナーとしては新興勢力ともいえる、ある意味、古くからやっているチューナーたちに闘争心を燃やすR200CLUBを中心に序盤が始まる一編が「黒木編」(R200CLUB編)ともいえるでしょう。この中で黒木という不器用で、生きることがあまりうまくない、しかし車(GT-R)に対するその真摯な考えを持つ一人の男が「Z」やブラックバードと出会い、それまでのチューナーとして培ってきた10年の全てをかけるその姿が描かれています。私の大好きな一編です。
また大阪でプライベーターながらも環状線なら敵なし!のエイジ。その謙虚な気持ちでまっすぐに車と向き合うその姿、そして彼を支える周囲の優しさ。ここにも感動する物語があります。
今回はこれらの物語の中で登場する人物と車をご紹介させていただきます。楽しんで頂ければと思います。
「圭一郎編」(モンスターマシン編)
ケイ / 相沢 圭一郎
しかしある日、「本物のチューンドカー」に遭遇、撃墜されてしまう。ここからこのシリーズの物語の中核がスタートする。
故人である父、「幻の最速ランナー」と呼ばれた相沢 洸一の仲間たち。現在はそれぞれが超一流となっているチューナーたちである。彼らはわりと早い段階でケイの存在には気づいていたのだが・・・
トヨタ・スープラ RZ (JZA80)
仕様・馬力:ガッちゃん特製エアロ・TRUST TD06(SまたはSH)-20Gツイン 約800馬力→400馬力
愛車は自らの手でT78タービンを装備し、スクランブルブーストで最大700馬力を発揮するスープラRZ(JZA80)。後に父の遺志を継ぎ集まったかつての仲間である山本、大田、高木、富永らの「本物の」チューニングによって戦闘力を上げてゆく。
北見はこの車のチューンにはかかわらなかった。そして15年前に相沢 洸一に頼まれていた事、ある約束を果たすことを考えていた。
全てが終わった時、北見はその車に込められていた皆の想いを仲間たちに「本当はこうだったんだろう。」と話し始める。それはケイに本当は何を伝えなければならなかったのか?その答えでもあった。
トヨタ(TO) スープラ 3.0 RZ クーペ
エンジン 2JZ-GE型 3.0L 直6 NA
2JZ-GTE型 3.0L 直6 ツインターボ
駆動方式 FR
最高出力 2JZ-GE:225PS/6,000rpm
2JZ-GTE:280PS/5,600rpm
最大トルク 2JZ-GE:29.0kgf·m/4,800rpm
2JZ-GTE:44.0kgf·m/3,600rpm
1997年8月~
2JZ-GTE:46.0kgf·m/3,600rpm
変速機 6速MT/5速MT/4速AT
サスペンション 4輪ダブルウィッシュボーン
全長 4,520 mm
全幅 1,810 mm
全高 1,275 mm
ホイールベース 2,550 mm
車両重量 1,510 kg
ブレーキ 4輪ベンチレーテッドディスク
データモデル 3.0RZ 6MT(後期型)
【画像提供:カーセンサーnet】
相沢 洸一
愛車はケイの80スープラからは2代前の「セリカXX」当時の輸出名はスープラ。特注と思われる明るいシルバーのカラーリングで後にケイも同じ塗装をするようになる。
ケイがスープラにこだわったのはこの父親の愛車と繋がりがあるためで、譲れない部分となっている。
誰もが高速道路の上で250km/h以上の領域で死を迎えるものと思っていたが、意外にも50km/hも出ていなかったのではないかと思われる下道での事故で亡くなる。
その死の直前に北見と奇しくも15年後の話をしているのだが、そのことを北見は一日も忘れなかったと語っている。ケイの話だ。ある意味その時の話通りの展開に北見はケイの車のチューンには参加しなかった。
トヨタ・セリカXX(2代目) A60型
ボディタイプ 3ドアファストバック
エンジン 直列6気筒 2.8/2.0L
駆動方式 FR
変速機 4速AT/5速MT
サスペンション F:マクファーソンストラットコイル
R:セミトレーリングアームコイル
全長 4,600mm
全幅 1,690mm
全高 1,315mm
ホイールベース 2,615mm
車両重量 1,270kg
ブレーキ 4輪ディスク
データモデル 2800GT 5MT(後期型)
【画像提供:カーセンサーnet】
竜也
車とかスピードの世界とは程遠い人間なのだが、スープラの助手席に座り常軌を逸した走りの中でもケイに何かしらの生きていく上でのヒントを与える。
最後の最後までケイとスープラに信頼を寄せているのか、覚悟を決めているのか、全てが終わるまでケイの隣に座り続けた。このシリーズの中では重要なポジションにいる。