本人は「R200CLUB」に最年少で参加し、GT-Rを最高の車として信じ、それ以外の車には一切興味すら示さない人間だったが、この「Z」には自然と魅かれていってしまう。
その後、ブラックバードとのバトルで敗北感を味わい、それをバネに自分のGT-Rを煮詰めていく。そして再びブラックバードと出会い走った時にはあの島 達也にさえ屈辱感と敗北感を与えるまでに車を仕上げていく。
本当に「GT-Rを愛している男」だった。
スカイラインGT-Rにこだわる「スピードファクトリーFLATレーシング」の代表。効率ばかりを優先した仕事に嫌気がさし、現在は一人で得意客だけを見ている。彼もまたZの魔力に惹かれ、10年のノウハウをすべてつぎ込んだスカイラインGT-R(BCNR33型)で挑む。その戦闘力はブラックバードをも凌駕するほど。気鋭のチューナー集団「R200CLUB」に所属していたが、チームの迷走と行き詰まり、仲間の安彦の夜逃げに対する元木の言動をきっかけとしてリーダー・元木と決別、脱退した。
(中略)
またレイナの32Rがセルシオ(アニメではベンツのセダン)に当て逃げされ、にぶつけられ困り果てて彼女が自走して帰ろうとしたが、32Rの見えないダメージに気づき「すぐにキャリアカーに載せるんだ」と言うくらいGT-Rの本質を見抜くスペシャリストであることをうかがえる。その後レイナの32RがYM SPEEDの車であることに驚き、山本社長からも存在を知られていたことに驚いていた。
FLATレーシングGT-R V-Spec(BCNR33)
ボディーカラー…ホワイト(アニメ・ゲーム)
仕様・馬力:HKS 56Tタービン 約800馬力
日産・スカイラインGT-R(4代目) BCNR33型
エンジン RB26DETT
駆動方式 4WD
最高出力 280PS/6,800rpm
最大トルク 37.50kgf·m/4,400rpm
変速機 5速MT
サスペンション マルチリンク
全長 4,670mm
全幅 1,780mm
全高 1,360mm
ホイールベース 2,720mm
車両重量 1,530kg
しかし大型の乗用車との共用シャーシは車体を大きくし、人によっては好き嫌いがハッキリとした車だった様な気がする。しかし剛性は確実に先代よりも高くなり、ECUの16ビット化、過給圧の上昇、バルブタイミングや吸排気系、圧縮比、フリクションロスの見直しなど、またアテーサE-TSの恩恵もありGT-Rとして恥ずかしくない性能を発揮している。
村上 ミカ
フリーライター。チューニング雑誌のプロダクションで編集をしていた時に知り合った黒木とかつて恋仲であったことがある。その後破局し、車の世界とも距離を置いていたが、本当の自分の気持ちを確かめるために再び黒木に接近する。
大体、この物語の中の男性陣は往々にしてヤンチャな小僧のまま大人になってしまったような人間たちが多く、一人だと人生ダメにしてしまうタイプばかりなので、どうしても女性陣がシッカリしたキャラでないとバランスが取れなくなってしまうのかもしれない。
R200CLUB
そこで実績のあるチューナーたちのチューンした車よりも自分たちのチューンした車の方が速い事を証明し、自分たちの方が上だ!と世間に認めさせようと、まず巷で激速で噂の女(レイナ)が乗るYMスピードの白い32Rをターゲットにさだめた。
黒木は既にこの32Rのそばには「ブラックバード」や「Z」がいることを知っていたのでこの話には乗らず、「藪をつついて蛇を出す事にならないように・・」と忠告している。
そしてメンバーたちが3台で待ち構えているところに先に現れたのは「ブラックバード」だった。彼らにしてみれば良いリハーサルぐらいの気持ちで仕掛けるが、相手が悪すぎる。とっちらかった1台がスピン、もう1台を巻き込んでの事故を起こす。残る1台もかぶせていくがスピードが違いすぎるのだろう。事故った様子は描写が無いが相手になってはいなかった。
そしてそれに追い打ちをかけるように夜逃げした安彦のショップに債権者が押しかける前にめぼしい物を持ち出すという火事場泥棒紛いの行動をとった事に失望した黒木はR200CLUBをぬけるのだった。
結局のところ、彼らは黒木を除きチューニングに対するモチベーションを維持できなかったのだろう。これは古くからチューニングに関わってきた者たちも同じような時期があったのだが偶然にもアキオと「Z」に出会い、惹きつけられることによって情熱を取り戻していたのだ。
黒木などはR200CLUBのメンバーたちよりもアキオやそれを取り巻く人間たちに対しての方がはるかに共感でき、友達ではないがある意味それ以上の「仲間意識?」を持つにまでなっていく。
このR200CLUBがこの先どこまで存続し、どうなっていくのかは判らないが「特別な何か」が無ければ結果は見えているだろう。
「エイジ編」(阪神高速環状編)
北見曰く、「Z」を別格とすればこの911が今のオレの評価そのものと思ってくれていい。と黒木に911に乗って島が今陥っている状態の原因を教えてやってくれ。という意味の会話を交わしている。
結果、黒木は島に対し「あの車から心が離れていくんじゃなくて、もっと近づいてるんじゃないんですか?」「車の痛みがわかると踏み切れなくなるんですよ。そーいう時があるんですよ、ホントに。」これが答えだった。「北見 淳という同じ人間が組み上げたから当然だけど、あの911のむこうにZが見えますョ。同じ匂いなんですね、2台は。」ある意味、今までの島の考え方「車はあくまでも機械であり走るためのツール(道具)」としてしか見ないことを否定したものだった。
そして北見が島をその状態から救い出す?方法として島と共に大阪に向かった。今回の「エイジ編」はここから始まることになる。
阪神高速環状で敵なしとなっていたエイジとマキの兄弟(血のつながりはない)ランエボⅤとⅥの2台・・この2人との出会い、そして北見の古い時代の仲間シゲ。ブラックバードの復活の予感だった。
神谷 英次
英次はその時エリコとマキとの生活を守るために、借金を抱えてでも会社を立て直すことを選択した。これがその後の英次の人生を決定づける。そして必死に働き借金を返済し、マキを大学にまで入れている。
走りの世界に入っていったのはいつのころからなのだろう?原作ではこれといった描写はない。ただ年の離れた弟のマキがランエボⅥに乗り、命知らずの走りでかなりの乗り手になっていることに心配もしている。
何時しか自分も30歳となり、マキに教えられることと教えられないことがある事にも気が付いている。そんな時、付き合いのあるシゲのところに東京から客人がポルシェターボのマフラーを求めてやってくることを知り、興味を持つ。
そのポルシェターボは「ブラックバード」。ドライバーは当然島 達也。東京の超A級のドライビングとそのチューンドポルシェターボの向こうに「悪魔のZ」がいること知り、走り屋兼チューナーとしての夢、「東京に出て勝負したい」その気持ちを思い出してしまう。
ここからこの英次編の本当の物語が始まるのだが、「3か月限定」と決めて東京の「本物」を求めて走り出すことになる。