このため、1998年10月にフルモデルチェンジした9代目・B15型では、完全にB13型を踏襲したデザインとなりました。当時の雑誌インタビューでも、デザイナーが作りたいクルマというよりも、「市場を重視して伝統的なサニーユーザーを意識したデザイン」という方針が語られていました。
2002年5月にマイナーチェンジを受け、日産の新しいCIマークを採用するなど、デザイン変更を受けました。そして2004年10月、サニーの国内での新車販売を終了し、長い歴史に幕を下ろしました。
キープコンセプトが生産終了の原因?
かくいう私は、サニーユーザーでした。初めて免許を取ったとき、我が家のクルマはB12型サニーの後期型。角張っているので非常に運転がしやすく、5速MT車でしたので半クラや坂道発進など、MT操作の基本を鍛えられました。
さらに、このB12型を廃車にしてしまったため、知り合いのつてでB13型を中古で購入し、2年ほど乗っていました。このB13型は解説でも記した通り品質が高く、何よりも電子制御キャブレターの5速MT車でしたので、運転して非常に楽しかったです。
しかし、年頃の青年には「オヤジグルマ」という女子の目線が気になるわけです。特に私が運転しだした頃は、若者はRV、オジサンは大衆車という図式でしたので、学生という身分なので仕方がないのですが、女子を誘いにくいクルマでした。
今になると、B12型もB13型も格好良く、楽しいクルマでした。しかし、それは思い出も加わって今になって感じる印象。サニーの名がなくなってしまったのは残念ですが、B15型を見ればそれもやむなし、と言わざるを得ません。
歴史にタラレバはありませんが、昔のサニーのように、ユーザーをリードするクルマであり続けられれば、今もサニーの車名は残っていたかもしれません。