大衆車からの脱却を図ったトラッド・サニー
2017年6月13日 更新

大衆車からの脱却を図ったトラッド・サニー

ラティオの販売終了で、空席となった日産の小型セダン。その座と言えば、かつてはサニーが君臨していました。特に1985年に登場した6代目は、品質やデザインにおいて、その後の方向性に大きな影響を残しました。

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1994年1月にフルモデルチェンジした8代目・B14型は、サニーユーザーの若返りを図るため、従来のイメージを残しつつも大規模なデザイン変更を受けました。しかし、若年層のセダン離れが進んでいたこともあり、販売実績はよろしくなく、1997年5月のマイナーチェンジで大規模なデザイン変更を受け、B13型を彷彿とさせる角張感を持たせたデザインになりました。

このため、1998年10月にフルモデルチェンジした9代目・B15型では、完全にB13型を踏襲したデザインとなりました。当時の雑誌インタビューでも、デザイナーが作りたいクルマというよりも、「市場を重視して伝統的なサニーユーザーを意識したデザイン」という方針が語られていました。

2002年5月にマイナーチェンジを受け、日産の新しいCIマークを採用するなど、デザイン変更を受けました。そして2004年10月、サニーの国内での新車販売を終了し、長い歴史に幕を下ろしました。
1994年にフルモデルチェンジした8代目

1994年にフルモデルチェンジした8代目

1994年にフルモデルチェンジした8代目は、デザインの若返りを図ったが、販売実績には結びつかなかった。
8代目は1997年に大規模なマイナーチェンジを受け、燈...

8代目は1997年に大規模なマイナーチェンジを受け、燈火類やバンパーに角張った印象が加えられた。

1998年にフルモデルチェンジした9代目

1998年にフルモデルチェンジした9代目

各部の設計は新しいが、デザインはトラッドサニーに先祖返りした。

キープコンセプトが生産終了の原因?

売れ筋の車種のモデルチェンジは難しく、大胆に変えればユーザーが離れ、キープコンセプトならともに高齢化していくまでです。サニーの場合、B13型でキープコンセプトをしたのが、車名の寿命を早めた原因かもしれません。都合8年間ユーザーを引きずって、B14型のときには潜在ユーザーが離れてしまったのです。

かくいう私は、サニーユーザーでした。初めて免許を取ったとき、我が家のクルマはB12型サニーの後期型。角張っているので非常に運転がしやすく、5速MT車でしたので半クラや坂道発進など、MT操作の基本を鍛えられました。

さらに、このB12型を廃車にしてしまったため、知り合いのつてでB13型を中古で購入し、2年ほど乗っていました。このB13型は解説でも記した通り品質が高く、何よりも電子制御キャブレターの5速MT車でしたので、運転して非常に楽しかったです。

しかし、年頃の青年には「オヤジグルマ」という女子の目線が気になるわけです。特に私が運転しだした頃は、若者はRV、オジサンは大衆車という図式でしたので、学生という身分なので仕方がないのですが、女子を誘いにくいクルマでした。

今になると、B12型もB13型も格好良く、楽しいクルマでした。しかし、それは思い出も加わって今になって感じる印象。サニーの名がなくなってしまったのは残念ですが、B15型を見ればそれもやむなし、と言わざるを得ません。

歴史にタラレバはありませんが、昔のサニーのように、ユーザーをリードするクルマであり続けられれば、今もサニーの車名は残っていたかもしれません。
日本では最後のモデルとなったB15型後期型。

日本では最後のモデルとなったB15型後期型。

日産 6代目(B12系)サニー CM集

熱烈なファンがいるのもB12型サニーの特徴。B12型のCMばかりを集めた動画もどうぞ!
28 件

思い出を語ろう

     
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  • サニーレタス 2020/2/4 10:02

    カローラとまともに勝負できた最後のサニーだったように思う。

    I.O 2020/1/29 21:35

    カローラの最大のライバルがサニーで、サニーシリーズで唯一の傑作が85年秋に一新された6代目のB12型で、セダン・3ドアハッチバック・ワゴンタイプのカリフォルニアの3種とエンジンは先代後期からの流用でしたが、約半年遅れてクーペがRZ−1として復活しました。またこの代からスノードライブを楽しむユーザーが増えたため、4輪駆動車(当初はパートタイムの5速のみ・後にフルタイム4WDと同オートマチックを追加)を加え、当時シビックやハチロクレビン/トレノ等の小型DOHC車が続出し、それらに対抗するため86年8月には1600DOHCを加え、更に翌年秋には後期モデルへ一新され、主力の1500が新エンジンに換装されました。更に89年1月には最後の小変更を実施し、セダンには未設定だったニスモが加わり、オートマチック車には誤作動事故を防ぐ施錠装置(※)と後退警報装置がプラスされた後、90年1月にはB13型へ一新されます。
    (※) オートマチック施錠装置とは数年前から同ギアによる誤作動事故が多発しニュースで話題となったため、88年5月の一新時からオートマチック安全対策を実施しました。

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