「大衆車だから」を排除した高品質設計
サニーのなかでエポックとなったのが、1985年9月発売の6代目、B12型です。このモデルは「トラッド・サニー」の愛称が付けられました。特筆すべきはボディ品質です。それまではボディ剛性などの品質面で、「大衆車ならこんなもの」という暗黙の了解が設計側にもユーザー側にもありましたが、6代目では高張力鋼板、亜鉛ニッケル合金メッキを用いた防錆鋼板を採用し、ボディ剛性が大幅に高まりました。サニーの大幅な品質向上は、1987年にフルモデルチェンジをした6代目カローラにも大きな影響を与えたと言われています。
エンジンはいずれも直列4気筒で、1500cc、1300ccのガソリンエンジンのほか、1700ccディーゼルを用意。駆動方式は先代に続いてFF方式となりました。その後、1600ccツインカムエンジンやフルオートフルタイム4WDが加わり、バリエーションが充実していきました。
デザイン面では、角張ったデザインの3BOXセダンが特徴で、フロントグリルにはSUNNYの「S」をモチーフにしたシンボルマークが入れられました。ボディ剛性の大幅な向上やボクシーなデザインには、1984年から日産でライセンス生産をしていたフォルクスワーゲン・サンタナの影響が大きかったと言われています。
Nissan Trad Sunny 01 30sCM
大規模なMC(モデルチェンジ)でサニー顔が誕生
メカニズム面では、E15型から新開発のGA15型(1500ccエンジンの場合)となり、主力エンジンの馬力は73PSから85PSに大幅に引き上げられました。サニーが元気だった時代の、意欲的なマイナーチェンジでした。
なお、6代目では4ドアセダンのほか、3ドアハッチバック、ステーションワゴンのカリフォルニア、3ドアクーペのRZ-1の4タイプのバリエーションがありました。
NISSAN TRAD SUNNY SPLEND 新登場 図書館編 1989
キープコンセプトをした7代目
バリエーションはセダンのみとなり、3ドアはNXクーペとして独立しました。また、ステーションワゴンのカリフォルニアは、サニーではなくADバンをベースとして生まれ変わりましたが、フロントデザインはサニー顔でした。
メカニズム面では、エンジンは引き続きGA型ですが、ツインカム化されました。当初のラインナップは1800cc、1600cc、1500cc、1300cc、1700ccディーゼルと多様でした。
1992年にマイナーチェンジを受け、フロントグリルのSマークは、日産のCIマークに変更されました。B13型は1994年1月にフルモデルチェンジを受けますが、メキシコでは「ツル」の車名でつい先日、2017年5月まで製造されていました。