女子高生・久保恵美子(佐倉しおり)は、一つの決断を下した。 家を捨てて、身一つで愛する人に飛び込むこと。
だけど、そうはいかないわ。
あたしはどんな事があっても籍は抜かないわよ。あたしにも覚悟があるってことよ。
あんた達がどんなに好き合ったところで、意地でも結婚なんかさせてやるもんか。
いいわね、薫。司と一緒の墓に入るのはあんたじゃないわよ。このあたしよ!」
敬子はとうとう薫と司を憎み続ける事に疲れ、司と離婚した。
司「短い間だったが、俺たちは夫婦だった。もし町ですれ違ったらお互い気持ちよく挨拶しよう。俺が言うのもなんだがお前の幸せを祈ってる。」
敬子「薫と一緒になるつもりかしらないけど、目の不自由なあんたと大輔の世話で疲れ果てぼろぼろになるわよ。私のようにね。」と最後に捨て台詞をはいて出て行く。
敬子「司はあんたにくれてやるわ!」
薫「どうして・・・敬子さん」
敬子「疲れたのよ・・・嫉妬するのもあんたちの仲を引き裂くことにも疲れた・・・けど司と一緒になったって、ぼろぼろになって不幸のどん底になるわよ!」
薫「そうね!」と笑顔で乾杯
一人帰る薫は、夜空の星に語り掛けていた。
ママ・・・喜んで。薫は今、幸せです。ママと、この喜びをわかちあいたかった。。。
薫は、「口がきけないおばさん」として、司の世話をする事に。司は晴れの舞台にむけて、陶芸展を目標としていた。
結城 小百合(大場久美子)「また一からなの?」
けど生きる勇気を与えてくれたのはこれ
・・・薫の手紙なんだ。
あいつは俺のことを見つめて続けてくれている。
俺は何があってもくじけない。」
この間の作品は心を忘れていました。目の見えない俺に残されてるのはこの手だってこと。
この手で土を愛し、火を愛し、1つの形を焼き上げる。
これがおれに残された唯一の道なんです。前にコーヒー飲んだ女の子の話、しましたね。
目が見えていたころ、俺はその女の子のイメージを真っ赤な色でやきあげました。今度はその人の肌を焼き上げたいんです。その子とはキスもしたことありません、けれどたとえ目が見得なくても、この手はあの人の肌をはっきり覚えています。」
自分を捨てて、身を捧げられる人。
迷い、悩み、考え抜いた末の相手が高志だった。
高志は決して完全な人間ではない。
生真面目であるが故に折れやすく、未だまだ頼りにはならない。
裕福な暮しが約束されている訳でもなければ、喧嘩したことも幻滅したこともある。
それでも、やっぱりこの人。
それが、私の道。