≪鑑賞者の感想≫
刑事の室田日出夫と対峙する列車のシーン。
長回しのアップのシーンで優作はまったくまばたきをしていません。
まるで爬虫類の目のように。これから捕獲する獲物を睨むように。
皆さんご存知のようにこの人は今で言うところの「目力」の力量が凄い人で、
このシーンでは完全に狂った目をしています。
フリーキーなジャズのBGMと相まって、このシーンは作品の背景を知る重要な場面になっています。
このシーンは「目」の変化だけ(それもまばたきを全くしない!)で狂気の表情に変わっていくという、地味ながらも緊張感と恐怖の入り混じったアクションさながらの息の詰まる演技です。
ここだけでも見た価値のあるシーンではありました
華田令子役の小林麻美が美人過ぎる!
小林麻美 プロフィール
夫は田辺エージェンシー社長の田邊昭知。
1972年、18歳の時、東芝レコードから「初恋のメロディー」で歌手デビューした。
1970年代後半、資生堂、パルコなどのCMに起用されてから。特に1977年のパルコCM「淫靡と退廃」で、細い体や暗さが受け入れられた。
公称167cmと長身で華奢と言えるほど細い身体、ゆるくウェーブのかかったワンレングスの長い髪、溌剌と話さず物静かで寡黙、陰のある表情が印象的で、そのアンニュイな雰囲気が都会的と言われて人気を得た。
いい女!小林麻美の結婚と極秘出産、そして…現在。(画像あり) - Middle Edge(ミドルエッジ)
作品データ
脚本 丸山昇一
公開 1980年
配給 東映
時間 118分
出演 松田優作、小林麻美、室田日出男、鹿賀丈史
主人公の人間が壊れている、壊れていく様を見事に演じ切った。