☆愛人、恵子
一雄と恵子の出会いは、恵子が新劇女優を目指して九州から上京。「いろいろ気にかけてやって欲しいとの紹介状を持って檀家を訪れた時。(悪気はまったくないのだが、嫁には行かない、赤ん坊のオムツなんて干したくないという恵子を、妻のヨリ子は嫌っている風だ)
たまに原稿の清書の手伝いなどに来てくれたり、女給をしているバイト先に顔を出したりしているうちに、恵子に対して特別な感情が芽生え始める一雄。
たまに原稿の清書の手伝いなどに来てくれたり、女給をしているバイト先に顔を出したりしているうちに、恵子に対して特別な感情が芽生え始める一雄。
人並みにヨリ子のことや5人の子供たちのことを気にかける恵子だったが、それでも一雄に誘われるまま、青森行きに同伴する。
日本脳炎にかかり手足や言語が不自由になった次郎を置いてヨリ子は出て行くが、「一生子供たちを育てていく。」という覚悟で自宅に戻る。妻と入れ替わりに一雄は浅草にアパートを借り、妻や周りの人間公認(?)で同棲生活を始める。しかし、幸せなら幸せなぶん、いつか来る別れの影に怯えてもいた。
恵子が妊娠を告げ、「産みたいが今度の芝居のためには堕さなければならない。病院に一緒に着いて来て欲しい」と言われるが、締め切りの状況を考えても難しかった。恵子は怒り部屋を飛び出す。頭を抱えている時に、編集者から恵子がある大物から寵愛を受けていた過去があるという噂を聞く。嫉妬から深酒し、喧嘩騒ぎを起こし、腕や手を怪我してしまう。
妻・ヨリ子に清書を頼み、なんとか締め切りに間に合うが、その夜帰宅した恵子と激しい喧嘩をしてしまう。
妻・ヨリ子に清書を頼み、なんとか締め切りに間に合うが、その夜帰宅した恵子と激しい喧嘩をしてしまう。
映画公開の7年前に放送されていたドラマバージョンでも同じ恵子役を演じていました。
その時のお相手一雄役は三國連太郎。
この役はもう彼女しかできないんじゃない?と思うほど、当たり役でした。
もちろんナイスバディも見どころです!「これはヨリ子を忘れて溺れてしまっても仕方ないんじゃない?」と、女の私でさえも見惚れてしまう美しさ!特に一雄のような男ならハマってしまうんだろうな(笑)
その時のお相手一雄役は三國連太郎。
この役はもう彼女しかできないんじゃない?と思うほど、当たり役でした。
もちろんナイスバディも見どころです!「これはヨリ子を忘れて溺れてしまっても仕方ないんじゃない?」と、女の私でさえも見惚れてしまう美しさ!特に一雄のような男ならハマってしまうんだろうな(笑)
☆優しい道連れ、葉子
恵子が大物から寵愛されていた、という噂があると聞いた一雄は嫉妬に狂い編集者の忠告も無視して大酒をくらい暴れる。ふと気づくと怪我の手当てをし、介抱してくれたのが明るく気の良さそうな女、葉子だった。
恵子との大喧嘩で疲れ果てた一雄は、どこに行くともなくあてのない一人旅に出た。フェリーに乗った一雄に声をかけてきたのは、以前酔った自分を介抱してくれたホステスの葉子だった。
10年ぶりに故郷に里帰りをするという。誘われるがままに、一雄は葉子の実家に立ち寄ることにした。
10年ぶりに故郷に里帰りをするという。誘われるがままに、一雄は葉子の実家に立ち寄ることにした。
実家の島を散歩しながら、小さな小屋に入る。葉子はここで2年も暮らしていたという。
義理の父親に犯され、妊娠した過去を一雄に語るのだった。
義理の父親に犯され、妊娠した過去を一雄に語るのだった。
「人間ってイキモノはばかなことばっかりやらかすんだよね。
でもぼくは、そのばかなところを大事にしたい。いろいろな悲しみや苦しみさえ楽しみながら、おめでたく生きていきたい。君も、君のおっかさんも、おとっさんも、ぼくにはすごく好きなひとたちだな。」
犯されて死産し、海に身を投げた事があると話す葉子に、一雄は静かに語った。
でもぼくは、そのばかなところを大事にしたい。いろいろな悲しみや苦しみさえ楽しみながら、おめでたく生きていきたい。君も、君のおっかさんも、おとっさんも、ぼくにはすごく好きなひとたちだな。」
犯されて死産し、海に身を投げた事があると話す葉子に、一雄は静かに語った。
クリスマスの夜、愛し合ったあと降り出した雪を見ながら、葉子は明日一番の汽車に乗ると言う。そして、プロポーズされている人がいる事を明かす。
「この旅がとっても楽しかった、でもいつまでも続けるわけにはいかないもんね。先生には奥様がいて、5人のお子さん、彼女。私が割り込んでもね。」
「この旅がとっても楽しかった、でもいつまでも続けるわけにはいかないもんね。先生には奥様がいて、5人のお子さん、彼女。私が割り込んでもね。」
お互いの些細な嫉妬、恵子の現状に対する不満がこの時爆発。