映画公開時、今作品の監督の深作欣二と恋の噂があった松坂慶子。それゆえに無理矢理(?)出演させたんではないか?という憶測もあったようですが、この葉子、松坂慶子だからこそ!だと思いませんか?
孤高の妻、ヨリ子
檀家に後妻に入ったヨリ子。亡くなった前妻の子、一郎をはじめ次郎、弥太、フミ子、サト子と5人の子供たちを育てている(家にはもう一人女中さんがいる)。せわしなく働く良き妻・良き母だったが、次男の次郎が日本脳炎にかかり言語、手足の麻痺が残り寝たきりの状態になってしまい、彼女の生活も一変する。
怪しい宗教にハマリ、夜な夜な念仏を唱えながら祈るヨリ子。次郎の病気から1年、青森行きに恵子を同伴するという一雄に、「女がらみで悪いことが起きる」と予言。
青森から帰宅し、浮気をバカ正直に伝える一雄に「知ってます!」驚く一雄に一言。
「あなたのなさることは、なんでもわかるんです、私。」
青森から帰宅し、浮気をバカ正直に伝える一雄に「知ってます!」驚く一雄に一言。
「あなたのなさることは、なんでもわかるんです、私。」
ある日、一雄と恵子の愛の巣に泥棒が入る。なんと犯人は長男の一郎。警察に向かう一雄と恵子。そこへ身元引受人としてヨリ子がやってくる。
「ご無沙汰してます」うわずった声で挨拶する恵子に、ヨリ子は睨みつけたまま恵子の頭を思いっきり叩く。
まるで悪いことをした子供を叱って叩くように思いっきり!(それは一郎にするべきじゃ?と思うような叩き方)
「ご無沙汰してます」うわずった声で挨拶する恵子に、ヨリ子は睨みつけたまま恵子の頭を思いっきり叩く。
まるで悪いことをした子供を叱って叩くように思いっきり!(それは一郎にするべきじゃ?と思うような叩き方)
大晦日の晩。葉子との行くあてのない旅が終わり、ブリを買い恵子と暮らす部屋に帰った一雄だったが、隣に住む娘に「旅行に行くって言っていた」と恵子の不在を聞く。仕方なく自宅に戻ったが、台所では正月の支度をしているヨリ子が忙しく働いていた。ブリを出すと「あちらでお正月を過ごすと思ってました。」「あちらって?」とぼける一雄に包丁を見つめながら「どこでもいいんですけどね。」
そして思いっきり包丁を振り下ろし、ブリの頭を切り離しはじめた。一雄は、まるで自分の頭を切りつけられたように呆然とその作業を見守った。
そして思いっきり包丁を振り下ろし、ブリの頭を切り離しはじめた。一雄は、まるで自分の頭を切りつけられたように呆然とその作業を見守った。
正月、日本脳炎で身体が不自由になり、「次郎が死んだ」と預けていた施設から連絡が入った。
そして葬式の日、恵子から一雄の荷物が送られてくる。2人の仲はこれで本当に終わってしまった。
2人の写真を破き川に捨てる一雄に、買い物に行くヨリ子とそれを見送る子供たちの賑やかな声が聞こえてくる。
「とうぶん家にいる」と言う一雄に、「わかってます。私、あなたのなさることはなんでもわかるんです」そう言ってニヤッと笑う。
そして葬式の日、恵子から一雄の荷物が送られてくる。2人の仲はこれで本当に終わってしまった。
2人の写真を破き川に捨てる一雄に、買い物に行くヨリ子とそれを見送る子供たちの賑やかな声が聞こえてくる。
「とうぶん家にいる」と言う一雄に、「わかってます。私、あなたのなさることはなんでもわかるんです」そう言ってニヤッと笑う。
いしだあゆみの、抑えた狂気がこの作品、一雄を支えています。
堂々と浮気している旦那を殺したいくらい憎んでいて、でも馬鹿な男だと愛している妻を熱演しています。
堂々と浮気している旦那を殺したいくらい憎んでいて、でも馬鹿な男だと愛している妻を熱演しています。
彼女の美しさ、優しく温かい方言、そして別れ、旅の終わり…切なく涙が止まりませんでした。