期待が高すぎた可愛そうなアニメ「魔法のステージファンシーララ」は異色かもしれないけど、駄作ではないんだよ! 今こそ語りたい、その魅力。
2019年7月21日 更新

期待が高すぎた可愛そうなアニメ「魔法のステージファンシーララ」は異色かもしれないけど、駄作ではないんだよ! 今こそ語りたい、その魅力。

株式会社ぴえろの「創立20周年記念作品」にして「魔法少女シリーズ開始15周年記念作品」。でも予定の半分の話数で終わってしまった可愛そうな本作を語ってみたいと思います。

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制作したのは「株式会社スタジオぴえろ」

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制作したのは「株式会社ぴえろ」、当時の社名は「株式会社スタジオぴえろ」です。
株式会社としては1980年からNHKで放送された、これも懐かしい「ニルスの不思議な旅」から始まるのですが、その前に演出スタジオ(個人契約のアニメ演出家たちが共同で借りていたスタジオと思われます)として存在していたようです。
同社はその翌年の「うる星やつら」でアニメファンの間で熱狂的な人気を博し、以降1987年「きまぐれオレンジ☆ロード」、1992年「幽☆遊☆白書」などを制作していきます。

期待が高すぎた「魔法のステージファンシーララ」

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「魔法のステージファンシーララ(以下、ララと略します)」は最初から期待が高く、そのハードルも否応なく高くなってしまった、ある意味不幸な作品でした。

「ララ」はそんな「株式会社ぴえろ」の「創立20周年記念作品」になります。
期待が高くなるのも当然ですよね。
そしてさらに、「ぴえろ魔法少女シリーズ開始15周年記念作品」でもあります。
これまでに前4作が作られているのですが、

1983年「魔法の天使クリィミーマミ」
1984年「魔法の妖精ペルシャ」
1985年「魔法のスターマジカルエミ」
1986年「魔法のアイドルパステルユーミ」

そして「ララ」になります。1988年に制作ですから、じつに12年ぶりです。
これはもう、期待が高くなってもしょうがないですね。

ちなみに「魔法少女シリーズ」とは、主人公は小学生の女の子で、生まれつき魔法の力は持たないというのが基本です。別な世界からきた妖精などと暮らしながら、もらった魔法のアイテムで変身します。変身したあとはアイドルなどになり、女の子の変身願望を叶えるという作風だと言えます。

ストーリー

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小学3年生の女の子である篠原みほは、妖精であるピグとモグに出会い、魔法のペンとスケッチブックを受け取ります。魔法の力で15歳の姿に変身したみほは、ファッションモデルとしてスカウトされ、ララとしてデビューすることになります。

「魔法少女シリーズ」としては「魔法の力で変身したみほが芸能プロダクションにスカウトされて、ララとしての芸能活動と、小学校での生活という二つの生活の中で様々な体験をして成長する」という、わりと定番なストーリーと言えるでしょう。

原案はふたつ?

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「ララ」の原案となったとされているのは、1986年からキャラクター文具などのメーカーであるセイカと提携して制作していた「魔法のデザイナーファッションララ」と「魔法のステージアイドルココ」だそうです。

前者の主人公は、デザイナー志望の少女ミホが。夢の国から現れた妖精ピグとモグか魔法のペンをもらいます。それでタイトル通りの「魔法のデザイナーファッションララ」に変身するというもの。
後者は制作中止になってしまった幻の企画。

このふたつが合体して「ララ」になったようです。
ようです、という言い方をしてしまったのは、ぴえろの公式ホームページにも記述はいっさいないからです。
どうも権利問題が絡んだ、大人の事情によるもののようですが……。

決まったコスチュームがない!

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みほは妖精から、魔法のペンとスケッチブックをもらうのですが、これはペンでスケッチブックに描いたものを出現させることができます。
なので大人の姿になったララは、自分で出現させた服を着ます。

これがどういうことかと言うと。
今までの魔法少女たちは、魔法を使って変身するシーンがあり、毎回同じコスチュームに変身していました。繰り返してこのシーンを使うので、専門用語では変身バンクと呼びます。見所なので作画にも気合が入っているシーンです。

それなのに「ララ」にはいちおう変身バンクはあるものの、毎回違う衣装なので、完全には繰り返して使うことができないのです。「魔法少女シリーズ」の見せ場なのに!

子供にとって、同じコスチュームというのは重要です。このキャラクターはこの姿というパターンがないと、絵にも描けません。商品として人形だって出しづらいのです。
「ララ」はそういう意味でも、今までの路線とは少し違っていたのでした。

かれーなるせーちょー!

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「ララ」は、みほからララに魔法で変身します。
この時の呪文が、「時の記憶に思いを込めて、今、ファンシーララに華麗なる成長ー!」というものです。

ちなみに過去のシリーズの呪文は、
「魔法の天使クリィミーマミ」は「パンプルピンプルパムポップン、ピンプルパンプルパムポップン!」。
「魔法の妖精ペルシャ」は「ペルッコラブリン、クルクルリンクル!」。
「魔法のスターマジカルエミ」は「パラリン、リリカル、パラポラ、マジカルー」。
「魔法のアイドルパステルユーミ」は「パステル、ポップル、ポッピンパ」。

いかに「ララ」が今までと違うか、一目瞭然だと思います。

第8話「ちび猫リルと魔法の秘密」

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27 件

思い出を語ろう

     
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  • 2021/5/7 09:55

    当時アニメで見てました
    アニメ声じゃ無いからダメってコメントは違うと思う

    ちゃおで連載してたきらりんレボリューションも主人公に声優じゃなくてアイドル起用してて、自分は声違うから嫌で当時見なかったけどあれだけヒットしたし

    2020/10/25 18:39

    絵柄もそうですがアニメありきの新連載ってのは当時りぼんっ子には受け入れられなかったと思いますね
    巻頭カラーの新連載でアニメ化決定の文字
    自分も?って思ったのを覚えています

    *リリでもルルでもない 2019/9/26 01:09

    ファンシーララとっても懐かしいです。
    何話かリアルタイムで観ていました。
    放送当時は、小学生でしたがたしかりぼんで連載されていて、漫画からアニメを観始めましたが漫画と絵柄が全くの別物でショックというかがっかりしたのを覚えています。漫画に比べるとアニメの絵柄はリアルすぎるというか古臭い感じがあり、あと声優さんがいかにもなアニメ声じゃなかったのがよくなかったんじゃないかなーと思います。

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