映画「ロッキー」コミカライズ版は、正に「あしたのジョー」!女性漫画家による迫力のボクシングシーンは必見!
2017年9月21日 更新

映画「ロッキー」コミカライズ版は、正に「あしたのジョー」!女性漫画家による迫力のボクシングシーンは必見!

今回紹介するのは、そのテーマ曲を聴けば誰でも反射的に腕立てを始めたくなる!という、もはやミドルエッジ世代にとってはDNAレベルで刷り込まれている、不朽の名作!そう、あの映画「ロッキー」1作目の幻のコミカライズ版!

15,389 view
当時の雑誌に掲載されて以降、単行本には一切収録されず多くの作品が入手困難となっている、懐かしの「映画コミカライズ作品」を紹介するこの企画。
今回紹介するのは、そのテーマ曲を聴けば誰でも反射的に腕立てを始めたくなる!という、もはやミドルエッジ世代にとってはDNAレベルで刷り込まれている、不朽の名作!そう、あの映画「ロッキー」1作目の幻のコミカライズ版だ。
この名作が公開当時コミカライズされていたという事実、ご存知無かった方も多いのでは?ネット上にも殆どその情報が上がっていないこの名作マンガを、今回は紹介させて頂こうと思う。

俺たちの永遠の映画にして全男子のバイブル、それが「ロッキー」だ!

記念すべき1作目の日本版ポスター(左)と劇場パンフ(右)

記念すべき1作目の日本版ポスター(左)と劇場パンフ(右)

15ラウンドを戦いぬいたロッキーとアポロ。

15ラウンドを戦いぬいたロッキーとアポロ。

昨年公開されたスピンオフ作品の「クリード・チャンプを継ぐ男」も話題となった、永遠の名作映画「ロッキー」シリーズ。
その記念すべき第1作目の公開は、今から40年も前の1977年4月のことだが、このコミカライズ版は劇場公開の2週間前に発売された月刊少年マガジンに掲載されていた。
実はこのコミカライズ版以外にも、「ロッキー」公開時の宣伝では色々なメディアミックス戦略が取られており、当時の「中一時代」や「中一コース」などの学生誌には、「ロッキー」の小説版が掲載されていたりする。
アカデミー賞受賞作品でありながら、ボクシング映画や恋愛物として幅広い観客層が楽しめる名作だけに、映画自体は見たことが無くても、あのテーマ曲とトレーニングシーンは誰でも一度は覚えがあるはずだ。

「ロッキー」シリーズのトレーニング場面だけ編集した動画

「燃えよドラゴン」と並んで、男の二大「燃えるテーマ曲」であるこの「ロッキーのテーマ」!今とは違って、中々映画館に連れて行ってもらえなかった当時の小学生達は、きっとこのコミカライズ版を読みながら、頭の中でこのテーマ曲をリフレインさせていたに違いない。当時映画館で見た世代の方も、後年テレビやビデオで繰り返し見たという方も、当時の雑誌に掲載されたこのマンガの存在を通して、是非もう一度「ロッキー」の素晴らしさについて思い出して頂ければと思う。

注:「ロッキー」1作目のストーリーや詳細については、以下のリンクからどうぞ。

「ロッキー」コミカライズ版の作者は、意外にも女性だった!

迫力あるボクシングシーンが見所であるこのコミカライズ版の作者は、意外なことに女性漫画家の野田たみ樹先生。
週刊少年マガジンの第14回新人漫画賞入選作「影忍」でデビューを飾った野田先生は、女性ながら迫力満点のアクション描写でデビュー作から注目を集めていた。その後、週刊少年マガジンで本格的デビュー作「忍旋風ザジ」の連載を開始。本作「ロッキー」は、実はその連載期間中に描かれたものなのだ。
野田たみ樹先生の連載デビュー作「忍旋風ザジ」扉絵。

野田たみ樹先生の連載デビュー作「忍旋風ザジ」扉絵。

ながやす巧先生の「愛と誠」コミックス表紙絵。

ながやす巧先生の「愛と誠」コミックス表紙絵。

見てお分かりの通り、野田先生の画風は「愛と誠」の作者、ながやす巧先生を思わせる物であり、言われなければとても女性が描いたとは判らない。後で詳しく紹介するが、迫力あるボクシングシーンの描写は、完全にちばてつや先生の「あしたのジョー」を彷彿とさせる程!
(左)エイドリアン役のタリア・シャイア、(右)ロッキー...

(左)エイドリアン役のタリア・シャイア、(右)ロッキー役のシルベスター・スタローン。

二人の初デートシーン。

二人の初デートシーン。

恋に不器用な二人の距離が縮まる名シーン。

恋に不器用な二人の距離が縮まる名シーン。

この辺の繊細な描き方は、女性作者ならでは!
ロッキーとエイドリアンの恋愛シーンでは、その画風もあってどことなく「愛と誠」を思い出させる。女性特有のきめ細かい心理描写と、男性顔負けの迫力あるアクションシーンが同時に描ける稀有な才能!それこそが、野田たみ樹先生の魅力だと言えるだろう。
しかし残念ながら、現在ネット上には野田先生に関する情報が殆ど無く、その後ペンネームを野田琴里と改名されてから出版された、ヤングマガジンコミックス「影野郎風を斬る」が、唯一現在入手できる単行本となっている。
影野郎風を斬る 

影野郎風を斬る 

野田 琴里 (著)

マンガ版「ロッキー」紹介

無名のボクサーだった主人公ロッキーが、ふとしたきっかけで世界チャンピオンのアポロの対戦相手に指名され、自身の人生の再起を賭けて戦いに挑むストーリーは、ほぼ映画に忠実な本作。ただそこには、野田たみ樹先生による女性ならではの視点からの描写が加えられており、映画とはまた一味違った感動を味合わせてくれる。
44 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • 2018/11/27 10:20

    女性ながら、女性ながら、女性、女性

    ホントしつこい。逆に馬鹿にしてる。

    春日牧彦 2018/2/20 19:12

    あ、もう一つ、間違い発見(この二つ前の私のコメント)!。

    「その方法が解らず我夢中でもがいている」

    ↑↑これは、

    「その方法が解らず、無我夢中で、もがいている」

    ↑↑こう書きたかったのです。

    m(;∇;)m

    春日牧彦 2018/2/20 18:58


    え~…、

    (///∇///)

    一つ前の私のコメントで、

    「ガムシャラなど付き合い」

    という言葉がありましたが、

    「ガムシャラなド突き合い」

    の、間違いです。すいません。

    m(。≧Д≦。)m

    春日牧彦 2018/2/20 15:44

    この漫画は私も拝見しました。改めて感動しました。有り難うございました。
    ただ、生意気を言わせて頂くと、トレーナーのミッキーの言葉は映画とは正反対です。ミッキーはロッキーのガッツ・パンチの威力・打たれ強さを認めているものの、ボクサーがヤクザの手先をする行為を絶対に許さないためコーチをしてくれず、その結果、ロッキーはパンチの威力とタフネスに頼る、ガムシャラなど付き合いしか出来なくなってしまったのです。
    また、ロッキーはヤクザの手先はしてるものの、ボクシングには真摯で、自己流ながらも練習熱心でした。ロッキーを取り巻く人々も、冒頭の対戦者スパイダー・リコも闘志旺盛で、「次は負けないぜ」と、ボクシングに対する意識の高さを見せます。さらに、ロッキーは町の人気者で、町を歩くと皆がロッキーに挨拶し話しかけてきます。
    このように、ロッキーの回りは、みんな今の自分をより良くしたいが、その方法が解らず我夢中でもがいている、そんな生活の中に、ある日突然、チャンスが飛び込んできた、ロッキーとはそんな物語なのです。

    すべてのコメントを見る (4)

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

【1977年洋楽】ミル・マスカラスの入場テーマ曲といえば!「日本」でヒットした洋楽トップ5

【1977年洋楽】ミル・マスカラスの入場テーマ曲といえば!「日本」でヒットした洋楽トップ5

「洋楽」と一言で言っても、アメリカやイギリスなど本場でヒットする曲と、日本国内でヒットする曲はかなり異なります。中には、日本でヒットしても、本国ではヒットしないという逆転現象も!? 今回は "1977年の日本" にフォーカスして、オリコンシングルチャートを中心に「日本でヒットした洋楽5選」をご紹介します。
izaiza347 | 555 view
80年代に男子小中学生を夢中にさせた!「ルナ先生」「1+2=パラダイス」の漫画家・上村純子!!

80年代に男子小中学生を夢中にさせた!「ルナ先生」「1+2=パラダイス」の漫画家・上村純子!!

80年代を中心に、月刊少年マガジンにてお色気色の強い作品を連載していた漫画家・上村純子(かみむら すみこ)について振り返ってみたいと思います。
となりきんじょ | 11,227 view
【ロッキー】第49回(1977年度)アカデミー賞を振り返る!【ピーター・フィンチ】

【ロッキー】第49回(1977年度)アカデミー賞を振り返る!【ピーター・フィンチ】

1977年と言えば、白黒テレビ放送が廃止され、完全カラー放送へ移行した年。 アメリカの無人宇宙探査機「ボイジャー」や日本初の静止気象衛星「ひまわり」が打ち上げられた年でもあった。そんな1977年のアカデミー賞を振り返ってみよう。
もこ | 641 view
【訃報】「釣りキチ三平」で知られる漫画家・矢口高雄さん死去。

【訃報】「釣りキチ三平」で知られる漫画家・矢口高雄さん死去。

日本を代表する釣り漫画「釣りキチ三平」の作者として知られる漫画家・矢口高雄さんが20日、すい臓がんのため亡くなっていたことが明らかとなりました。
隣人速報 | 1,634 view
ジャンプ、マガジン、サンデー、チャンピオン!四大少年漫画雑誌の歩み。

ジャンプ、マガジン、サンデー、チャンピオン!四大少年漫画雑誌の歩み。

四大少年漫画雑誌といえばジャンプ、マガジン、サンデー、チャンピオンという認識で共通しているかと思います。多くの人にとっては「ジャンプ最強」だったと思いますが、年代によってメインで読んでいた雑誌が違うかもしれませんね。四大少年漫画雑誌の歩みについて。
青春の握り拳 | 50,718 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト