劇団ひとりの恋愛妄想狂時代
2023年3月6日 更新

劇団ひとりの恋愛妄想狂時代

日本生まれアラスカ育ち、黒人やクマとの死闘。愛と涙の恋愛妄想。剣道、ボクシング、柔道など格闘技 経験し、修学旅行では他校のヤンキーにカラまれ、サングラスの下で目を光らせた。

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高校は

・家に近い
・制服が学ラン

という理由で工業高校を選んだ。
中学3年間をブレザーで過ごし、やっと変形学生服が着れると思ったが、実際に入学してみると校則が厳しく、毎朝、校門で教師がいて服装検査に引っかかると校舎に入れないどころか、高価な変形学生服は没収されて卒業式まで返してもらえないというルールがあった。
それでも変形学生服を着たい生徒たちは、数人の真ん中に匿ってもらったり、学校近くの公衆トイレで標準の制服に着替えたりして、なんとか服装検査をくぐり抜けけようとした。
彼らにとって茶髪も制服と同様、絶対に譲れないポイントで、一部分だけ染めて教師の前では隠したり、学校の手前で黒いスプレーをかけたり、
「おじいちゃんがアメリカ人なんです」
とウソをついて通過する者もいた。
中学校では違反しても叱られるだけだが高校では停学や退学という処分があるため、劇団ひとりは学校指定の標準服を着て
「これじゃ何のために、この高校に入ったんだ!」
と憤った。
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入学直後、体育の授業で柔道をやることになった。
共学とは名ばかり、全校で女子生徒数名という実質、男の世界で自分の力を誇示すべく授業とは思えない熱戦をくり広げた。
そして男ばかりの学校に通いながら「合コン」を初体験した。
他校の女子と合コンが決まると1ヵ月前から服を買ったり、髪を脱色したり、ホテルに連れ込む話を童貞同士でして盛り上がった。
待ちに待った当日、JR千葉駅で待ち合わせをした女子メンバーに会うと、全員、一気に緊張。
放心状態のメンバーもいた。
カラオケ店まで女子と50mほど距離をとって移動。
店に着くと男女交互ではなく、完全に男子チーム、女子チームにわかれて着席し、まず自己紹介をすることになったが、ただ名前を言い合うだけ。
カラオケが始まっても葬式のような空気が漂った。
やがて男たちは勝負を捨て、男だけで盛り上がり、歌い続けた。
こうして初合コンは終わったが、ファーストキスは高1、場所は花火大会、相手は他校の女の子だった。
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あるとき、言葉遣いで教師に叱られた劇団ひとりは、その日のうちに学校をやめた。
1年弱で退学した息子に両親は
「辞めるのは自由だけど高校ぐらいは卒業しろ」
といって各高校の次年度の入学パンフレットを渡した。
その中で服装自由、バイク通学OKというのが気に入って夜間高校に入った。
1時限目は、17時20分開始。
それが終わると食堂に行って給食。
すべての授業が終わるのは、21時過ぎ。
全日制に比べ、夜間は年齢層は幅広く、50代の女子高生もいた。
一見自由で楽しそうだが、様々な理由で続けることは難しく、卒業するのは入学した人数の半分程度。
机やイスは全日制の生徒と共用だった。
ある日、机に
「目玉のおやじの体部分をナイスバディにした目玉のネエさん」
の絵を落書きすると、翌日、
「なにこれ!かわいい!」
というメッセージが書かれてあり、字から女子であることは明白だった。
ラブコメのようなシチュエーションに胸がキュンとして、それから毎日、落書き。
絵を描いたり、クイズやなぞなぞを出していたが、ある日
「今度は君から問題出してよ」
とメッセージを書くと、翌日、
「2x>yのとき3(2x-3y)>4(-2y)を証明・・・」
と問題が書かれてあって、
「答えられるわけがない」
恋は終わった。

天才・たけしの元気が出るテレビ!! エンディング曲

ある日、「ごっつええ感じ」が終わった後、フジテレビから日本テレビにチャンネルを替えると「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」で高校生がネタを競い合う「お笑い甲子園」の出場者募集の告知が流れた。
10秒くらいの映像だったが、面白半分で友人とハガキを出した。
するとテレビ局から連絡があってオーディションを受けることになり、友人と一緒に向かった。
「最近は熟女ヌードが流行ってるね」
「あんなババアが脱いで気持ち悪ぃな」
という悪口から
「俺も有名人になりたいな」
「どんな人になりたい?」
「やっぱりC.C.ガールズかな」
「おい、俺がいってるのはなりたいだよ。
それは「やりたい」だろ」
という下ネタまで、生まれて初めてつくった1分程度のネタを披露し、合格。
「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」でテレビ初出演。
「お笑い甲子園」に「バーテックス」をいうコンビ名で出場し、関東代表に選ばれた。
「お笑い、本気でやるなら紹介するよ」
といわれ、太田プロダクションに入った。
しかし相方は
「トラックの運転手をやりたい」
といったため、「バーテックス」は解散。
別の友人を誘って新しく「スープレックス」というコンビを組み、千葉県の実家から新宿区四谷にある「泣く子も黙る太田プロ」まで片道1時間かけて通った。
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