トリオでこんな音がだせたグランド・ファンク!信じられないくらいハードなロックを奏でた男たち。
2020年2月26日 更新

トリオでこんな音がだせたグランド・ファンク!信じられないくらいハードなロックを奏でた男たち。

トリオで轟音を叩き出すグランド・ファンク。70年代初頭にアメリカでこのようにハードにロックするバンドは他には居ませんでした。デビュー当時レッドツェッペリンの前座を務めた際には、その激しさからレッドツェッペリンを喰ってしまったとの伝説を持っているほどです。

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トッド・ラングレンがプロデュースた1973年発売のアルバム「アメリカン・バンド」はグランド・ファンクの代表作です。
シングル・カットされた「アメリカン・バンド」は全米1位、アルバムも全米2位の大ヒットとなっています。

オリジナル・リリース時の注意書きには「フル・ボリュームでお聞き下さい」と書かれてありました。
ユーモアとは言え、こんなところにも当時のグランド・ファンクの自信のほどが伺えますね。
アメリカン・バンド

アメリカン・バンド

1973年リリース

【収録曲】
1. アメリカン・バンド
2. ストップ・ルッキン・バック
3. クリーピン
4. ブラック・リコリス
5. ザ・レイルロード
6. エイント・ガット・ノーバディ
7. ウォーク・ライク・ア・マン
8. ロンリエスト・ライダー
'73年発表のスタジオ第7作目です。トッド・ラングレンがプロデュースの本作以降では、以前の荒く尖ったサウンドとは違う印象を受けます。
演奏にムリムダな音がなく、まるで譜面が与えられたクラシックの交響楽団のようなイメージがあります。
恐らく完成品から逆算して設計図どおりに組み立てて行ったような、合理的な作り方を実践した結果ではないかと思います。
本作では輪郭が綺麗な直線あるいは曲線で囲まれたイメージがあり、以前の尖った輪郭から、かどが取れた感じを受けます。

GRAND FUNK (Railroad) We're an American Band [remastered audio]

Shinin' On

1974年リリースの8作目(ライブを入れると9作目)のアルバム「輝くグランド・ファンク」です。前作に引き続きプロデュースはトッド・ラングレンが担当しています。
内容的には前作のポップ路線を継承しており、キング&ゴフィンの曲「ロコ・モーション(オリジナルは1962年発売)」のカヴァーが全米1位の大ヒットになりました。

ところでオリジナル・アルバムのジャケットは、ジャケットのセルロイドのメガネ(星形の部分)が取れるようになっており、ジャケットをそれで見ると立体的に見えるという「世界初の3Dジャケ」でした。
輝くグランド・ファンク

輝くグランド・ファンク

1974年リリース

【収録曲】
1. シャイニン・オン
2. ゲット・バック・イン
3. ロコ・モーション
4. キャリー・ミー・スルー
5. プリーズ・ミー
6. プリティー・ボーイ
7. ゲッティン・オーヴァー・ユー
8. リトル・ジョニー・フッカー
9. デスティテュート・アンド・ルージン
内容的には前作を踏襲したストレートなハードロックで、もっともバンドが波に乗っていたときの作品といえるでしょう。

Grand Funk Railroad - The Locomotion

All the Girls in the World Beware!!!

1974年発売のアルバム「ハード・ロック野郎 (世界の女は御用心)」ですが、先ず注目なのがジャケットです。ポーズを取ったボディ・ビルダーの頭部にメンバーの顔写真が貼られていますが、このボディ・ビルダー、実はアーノルド・シュワルツェネッガーやフランコ・コロンボたちだそうですよ。古くからの友人だそうですが、面白いですね。

シングル・カットされた「オー・ワンダフル」が全米3位、「バッド・タイム」が全米4位となり、アルバムも全米10位となっています。
ハード・ロック野郎 (世界の女は御用心)

ハード・ロック野郎 (世界の女は御用心)

1974年リリース

【収録曲】
1. レスポンシビリティ
2. ランニング
3. ライフ
4. ルック・アット・グラニイ・ラン・ラン
5. メモリーズ
6. 世界の女は御用心
7. ワイルド
8. グッド・アンド・エヴィル
9. バッド・タイム
10. オー・ワンダフル
「ポップ色が強くなった仕上がり」と言う評価はありますが、何気なく実験的な8曲目「GOOD&EVIL」なんてのもボツにせず収録しているので、決してポップ路線に変更したわけではない事が理解出来

Born to Die

実は、グランド・ファンクは2枚組のライブアルバム「グランド・ファンク・ツアー ’75(Caught in the Act)」を発売したことでレコード会社との契約終了と考え解散するつもりだったそうです。
しかし、新作を入れたアルバムでないと契約は満たされないということで制作されることになったのが、1976年発売の本作「驚異の暴走列車」です。

サウンド的には前作の延長線上にあるハードロックにポップスを加えた多様な曲が収められています。が、セールス的には残念ながら全米47位という結果に終わっています。
驚異の暴走列車

驚異の暴走列車

1976年リリース

【収録曲】
1. ボーン・トゥ・ダイ
2. デューズ
3. サリー
4. アイ・フェル・フォー・ユア・ラヴ
5. トーク・トゥ・ザ・ピープル
6. テイク・ミー
7. ジュヌヴィエーヴ
8. ラヴ・イズ・ダイイン
9. ポリティシャン
10. グッド・シングス
良く言うとバリエーション豊富なポップな仕上がりで、悪く言うと散漫な印象を受けるものです。円熟味を感じるどっしりしたサウンドで聴き応えはあるのですが、邦題がアッピールしている(笑)「暴走」が欠けているのがこのアルバムの弱点でしょう。

Grand Funk Railroad - Sally - [STEREO]

「サリー」はヒットしてもおかしくない本当に良い曲です。しかし、本人達に意欲のようなものが既になくなっていたのでしょう。当時のユーザーもそれを感じ取っていたのかもしれません。満身創痍、そんな言葉が過ります。
残念ながらグランド・ファンクは解散への道を歩むことになります。

既に解散状態のグランド・ファンクでしたが、そんなグランド・ファンクに興味を持ったフランク・ザッパが1976年にプロデュースしてもう一枚アルバム「熱い激突」制作しています。
が、セールスも振るわずグランド・ファンクはアルバムの発売直後に正式に解散してしまいます。

その後、再結成と解散を繰り返しながらも現在もグランド・ファンクは活動しているという事実にアメリカン・ロックの真髄を見る思いです。
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