80年代初頭を駆け抜けた伝説のバイオレンス映画、遂に復活!「狂い咲きサンダーロード」は俺たちの教科書だった!
2016年12月20日 更新

80年代初頭を駆け抜けた伝説のバイオレンス映画、遂に復活!「狂い咲きサンダーロード」は俺たちの教科書だった!

「上等じゃないのよ、やってやろうじゃないのよ!」、「今日から、お前ら皆敵だ!」 数々の男泣きする名セリフを残し、再起不能の傷を負わされながらも、黒の戦闘服に身を包み戦いに挑んだ伝説のヒーロー「仁さん」が、遂に帰って来た!

17,545 view
ちなみに、ここに紹介した新聞記事の画像は、筆者のスクラップブックに保存されていた、当時の貴重な資料だ。これらの記事を見て頂くだけでも、当時の熱気を感じて頂けると思う。
筆者のコレクションより。公開当時の読売新聞記事。

筆者のコレクションより。公開当時の読売新聞記事。

via 滝口アキラ
今見返すと、ラストに登場する黒い戦闘服姿の仁さんを、公開当時からメインに扱っており、当時から「日本版マッドマックス」として宣伝されていたために、その辺も「マッドマックス」のフォロワーとしての印象を受けやすくしていたのではないだろうか。
筆者のコレクションより。公開当時の週刊プレイボーイ記事。

筆者のコレクションより。公開当時の週刊プレイボーイ記事。

via 滝口アキラ

若くして逝った名優、山田辰夫よ永遠に!

本作で主人公の仁さんを演じたのが、当時23才の新人俳優だった山田辰夫。惜しくも2009年に53歳の若さで急逝してしまったが、一般的には彼のキャリアの後年にレギュラー出演していたTVドラマ、「はるちゃん」での支配人役としての認知度の方が高いのではないだろうか。
若くして、惜しくもこの世を去った、名優山田辰夫。

若くして、惜しくもこの世を去った、名優山田辰夫。

via 狂い咲きサンダーロード 本編より
その役柄は多岐に渡り、暴走族からやくざ、時代劇からゴジラ映画、さらには晩年に出演した「おくりびと」や「沈まぬ太陽」のような人間ドラマまで、その演技の幅広さには実に驚かされる。
当時「劇団GAYA」に所属していた彼の、映画デビュー作...

当時「劇団GAYA」に所属していた彼の、映画デビュー作だった。

via 狂い咲きサンダーロード 本編より
そんな彼のスクリーンデビュー作が、実はこの「狂い咲きサンダーロード」であり、とにかく「狂犬」のように暴れ周り、己の信念を貫いて決して妥協しようとしない主人公を、デビュー当時から見事に演じている。本作の主人公がこれだけ長い間愛され続けているのも、小柄な体に甲高い声、狂暴でありながらも、どこか可愛らしさを内包した彼のキャラクターがあってこそだと言えるだろう。
相手がスーパー右翼だろうが、仁さんには関係ない。「今日...

相手がスーパー右翼だろうが、仁さんには関係ない。「今日から、お前ら皆敵だ!」

via 狂い咲きサンダーロード 本編より
自分の行く先に死と破滅が待つと知りながら、それでも相手の喉笛に喰らい付いて相打ちを狙うかのような主人公「仁さん」の原動力は、いったいどこから来るのだろうか?

単なる勝利や、守るべき物のための戦いなどでは無く、自分の存在理由と真の自由のために反逆することを止めない彼の姿!
狭い籠に閉じ込められた自由より、たとえ囲まれた壁にぶち当たろうとも、外へ出て本当の自由を勝ち取ろうとする仁さんの勇姿には、男と産まれたなら絶対に感情移入せずにはいられない。
バズーカ砲にショットガン!全身殺人マシーンと化した仁さ...

バズーカ砲にショットガン!全身殺人マシーンと化した仁さんの反撃が始まる!

via 狂い咲きサンダーロード 本編より
映画のラスト、サンダーロードの町を舞台に展開する、暴走族+スーパー右翼の連合軍対、仁さん達たった3人の市街戦は本作最大の見せ場だが、ここには「リオブラボー」などの西部劇やマカロニウエスタンと、片腕を奪われてからの復讐という点で、1978年日本公開の「ローリングサンダー」からの影響が強く見られる。
「スターウォーズ」や「サタデーナイト・フィーバー」などが公開された1978年を境に、次第に若者や女性向けに移行しようとする映画界の流れに反逆する様な本作の内容こそ、実は主人公の姿そのものなのではないだろうか?
派手に暴れまわるオッサンと仁さんの姿は、今見ても燃える!

派手に暴れまわるオッサンと仁さんの姿は、今見ても燃える!

via 狂い咲きサンダーロード 本編より
片手を奪われた男の復讐劇「ローリングサンダー」は、本作...

片手を奪われた男の復讐劇「ローリングサンダー」は、本作に大きな影響を与えた。

via 滝口アキラ
まるで、豊かでファッショナブルな80年代へと向かう時代の流れに、あえて逆行するかの様なその姿は、間違いなく70年代の東映実録路線の遺伝子だと言える。
言うなれば、60~70年代に男たちが熱狂したアクション映画の系譜、その灯を守ろうとする熱意と強い意志こそが、本作の主人公「仁さん」の怒りであり原動力だと言えるのではないだろうか。
悪ガキ小太郎と戦闘服姿の仁さん。撮影時の貴重なオフショット。

悪ガキ小太郎と戦闘服姿の仁さん。撮影時の貴重なオフショット。

via 滝口アキラ
初公開から既に36年という年月が経過しようとも、スクリーンの中で吼える山田辰夫の姿は若々しいままであり、我々当時の少年たちに今でも力と勇気を与えてくれる。
最後まで走る事を止めない仁さん!その姿こそ俺たちにとっ...

最後まで走る事を止めない仁さん!その姿こそ俺たちにとっての永遠の教科書だ。

via 狂い咲きサンダーロード 本編より
43 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

53歳の若さで、お亡くなりになった名バイプレーヤー『山田辰夫』!!

53歳の若さで、お亡くなりになった名バイプレーヤー『山田辰夫』!!

僅か53歳の若さで、お亡くなりになった名バイプレーヤーとして知られる俳優の山田辰夫さん。追悼の意味も含めてまとめてみました。
ギャング | 15,389 view
【復讐するは我にあり】第3回(1980年度)日本アカデミー賞を振り返る!【若山富三郎】

【復讐するは我にあり】第3回(1980年度)日本アカデミー賞を振り返る!【若山富三郎】

1980年と言えば、イラン・イラク戦争が勃発した年。ジョン・レノン銃殺事件が起きたり、 モスクワオリンピックを日本やアメリカがボイコットしたりした年でもあった。そんな1980年の日本アカデミー賞を振り返ってみよう。
もこ | 1,086 view
パンクを映像化するとこのようにしかならない!と誰もが納得するであろう石井聰亙の初期作品!

パンクを映像化するとこのようにしかならない!と誰もが納得するであろう石井聰亙の初期作品!

今なお絶大な人気を誇る石井岳龍が石井聰亙を名乗っていた頃のパンキッシュな作品群。パンクを映像化するとこのようにしかならないと誰もが納得するであろう作品群。そんな作品を集めた「石井聰亙作品集DVD-BOX 1 ~PUNK YEARS 1976-1983~」をご紹介します。
obladioblada | 3,817 view
松田優作が10kg減量、奥歯を4本抜き、あるシーンでまばたきすらしなかった映画『野獣死すべし』

松田優作が10kg減量、奥歯を4本抜き、あるシーンでまばたきすらしなかった映画『野獣死すべし』

1980年公開、松田優作主演の映画『野獣死すべし』。狂気の殺人者が描かれた本作には、妖艶な雰囲気を持った小林麻美も出演。美人過ぎる画像も集めた。「まばたき無し」の長回しシーンなど逸話だらけの映画『野獣死すべし』を特集する。
ひで語録 | 25,751 view
【スターウォーズ(エピソード5)帝国の逆襲】悪役(?)でもダースベイダーがかっこ良すぎて…!

【スターウォーズ(エピソード5)帝国の逆襲】悪役(?)でもダースベイダーがかっこ良すぎて…!

 「スターウォーズ帝国の逆襲」(当時)は、先の「スターウォーズ」シリーズの第二段として1980年に公開されました(現在では「ルーク・スカイウォーカーを主人公とする旧三部作の第2章『エピソード5』」。子供も大人も楽しめる、笑える話や壮大な宇宙のドラマ、そして、かっこよかったハン・ソロにダースベイダー…今一度、ふりかえってみます。(トヨタ プリウスCMもみつけました)
Yam | 4,750 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト