私、市川大河が、書評サイトシミルボンで連載している、
『機動戦士ガンダムを読む!』での、再現画像で使用しているガンプラを、
古い物から最新の物まで片っ端から紹介していこうというテーマのこの記事。
今回は、ガンダムブームの真っただ中で、劇場版映画のために新たに設定され登場した、 セイラとスレッガーの愛機、コア・ブースターの1/144キットの紹介です!
今回は、ガンダムブームの真っただ中で、劇場版映画のために新たに設定され登場した、 セイラとスレッガーの愛機、コア・ブースターの1/144キットの紹介です!
コア・ブースター 1/144 1982年8月 300円
田舎のキャバレーのホステスが、ひょんなことから東京の銀座のクラブへ出て働くことになったんで、いろいろじっくり考えた上で「こんな安っぽいドレスじゃ田舎者丸出しよ! 都会ならもっとシックに、上品な衣装で接客しなきゃ、店のイメージを損ねるわ!」と考えすぎて、選んだドレスコードが地味になり過ぎて、それが店では異色過ぎて、入店当初はキャッチーだったんだけど、在籍2年も経つと、ただの「地味なキャスト」扱いを受けるようになりまして的な。
劇場用映画『機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編』(1982年)公開から半年弱で、ようやく映画オリジナルのメカ、コア・ブースターが1/144で登場。
映画版を観た人なら、誰もが買いたくなるのも道理で、ここまでで既に、ザクレロやグラブロどころか、ドダイまで商品化されてそれなりに売れてきた実績があるので「映画版新メカ」「主役側のメインメカ」「印象的な後期レギュラー、スレッガーが、新作画の映画で特攻殉職する名場面の主役メカ」とくれば、売れない、売らないわけもなく、それでも念には念を入れて、Gアーマー版ではいろいろ納得もコンセンサスも得られなかっただろう「それなりにリアルな出来で適度な大きさの、1/144コア・ファイター」もセットで同梱させておくという盤石な商品仕様。
映画版を観た人なら、誰もが買いたくなるのも道理で、ここまでで既に、ザクレロやグラブロどころか、ドダイまで商品化されてそれなりに売れてきた実績があるので「映画版新メカ」「主役側のメインメカ」「印象的な後期レギュラー、スレッガーが、新作画の映画で特攻殉職する名場面の主役メカ」とくれば、売れない、売らないわけもなく、それでも念には念を入れて、Gアーマー版ではいろいろ納得もコンセンサスも得られなかっただろう「それなりにリアルな出来で適度な大きさの、1/144コア・ファイター」もセットで同梱させておくという盤石な商品仕様。
それでも、メカのガンプラではガウ攻撃空母に継いでのノンギミックモデルであったからか、映画版では華やかだった立ち位置も、その後の歴史の中で、テレビ版のGアーマーと奪い合いになり、どちらも設定上での後継開発種は生まれるんだけど、オリジナルの評価自体は、Gアーマーとは最終的には立場が逆になって、今ではもはや、1/144でのリメイクも、1/100での正式キット化も一度もないという。
まぁ劇場用映画『機動戦士ガンダムⅡ 哀・戦士編』(1981年)『めぐりあい宇宙編』版のみでいいなら、この旧キットで充分課題はクリアしているので、現代で変にアレンジされてリファインされる必要もないというのはある。
まぁ劇場用映画『機動戦士ガンダムⅡ 哀・戦士編』(1981年)『めぐりあい宇宙編』版のみでいいなら、この旧キットで充分課題はクリアしているので、現代で変にアレンジされてリファインされる必要もないというのはある。
また、1/100キット化が一度もないというのは、メカ人気の有無以前に、ガンダムのコアブロックシステムの設定的解釈のズレの問題などから、現行の、MGガンダムに付属しているコア・ファイターなどを基準にしてコア・ブースターを設計すると、当初の映画版よりも、サイズがかなり小さくなってしまって、ガンダムとの対比に違和感が出てしまうからというのも、現代での扱いのデリケートさの一因になっていると思われる。
それを証明するかのように、コア・ブースターのデザインの源流になった、GメカのGスカイイージーの立体化(現代のMGやHGUCなど)に関しては、当時のアニメのコアブロックシステム概念と「アニメの二次元の嘘」と、現代の精密設定再現プラモデルとの隙間を埋めようと、コア・ファイターとGメカBパーツの間に、なんか末広がりの謎下駄パーツを履かせて無理矢理戦闘機形態をでっちあげているけれども、やはり先端のコア・ファイターの小ささからくる違和感はぬぐえず、機体前方から後方へかけてのすらっとしたシルエットにはならない現実があったりする。
コア・ブースターの場合、Gメカほどには制限はないが、逆に全体のシルエットを優先すると、同じスケールのガンダムと並べた時に、『めぐりあい宇宙編』でのサイズ比にならず小さすぎてしまい、逆に全長や機体全体のサイズを基準にすると、やはりGスカイのように、先端のコア・ファイターだけ小さすぎるという結果を招いてしまうからであろう。
コア・ブースターの場合、Gメカほどには制限はないが、逆に全体のシルエットを優先すると、同じスケールのガンダムと並べた時に、『めぐりあい宇宙編』でのサイズ比にならず小さすぎてしまい、逆に全長や機体全体のサイズを基準にすると、やはりGスカイのように、先端のコア・ファイターだけ小さすぎるという結果を招いてしまうからであろう。
そういう意味でも、今回紹介する1/144コア・ブースターは、この時期のガンプラの、良い意味での割り切りのよさ(それは1/144 Gアーマーの、Gスカイ用のコア・ファイターのでかさにも通じる)と、ガンプラクオリティの高まりが一致した幸福なキットであり、シンプルかつ説得力のあるシルエットとディテールが同居した、80年代のガンプラの中でも、傑作の一角を担う商品に仕上がっている。
商品バリューを高めるコア・ファイターのオマケも、こちらもほどよい出来で、着陸脚輪もしっかり付属しており、コア・ブロックに変形こそしないものの、パーツ精度もよく、これはジオラマやブンドド遊びなどで、遡ってテレビ版初期アイテムとも絡ませられるので、商品の価値上昇に一役買ったのではなかろうか(当時)。
アニメ劇場用映画版に登場した時は、『めぐりあい宇宙編』からは、スレッガー・ロウ中尉が005、セイラ・マスが006と、機体脇にナンバーが入り差別化を図ったが、これらなどのアニメ内処置は(『めぐりあい宇宙編』新作画部分での、量産型ゲルググや旧ザクなどの注意書き描写追加なども含めて)当時のガンプラ製作の、リアル志向をフィードバックさせた仕様であるともいえる(同じ理由で『めぐりあい宇宙編』では、カイとハヤトのガンキャノンも、108、109とナンバリングが胸や足首などに入れられた)。
ただし、この時期のガンプラでは、せいぜい「リアルタイプシリーズ」が謎の「注意書きデカール」を売りにしていたぐらいで、基本、特に1/144シリーズでは、ナンバリングなどのデカールは付属していなかったため、キットのままだと、ナンバリングがない『哀・戦士編』版として納得妥協するか、自作で005と006のデカールを作るか、面相筆でナンバリングを塗装するかしないと、『めぐりあい宇宙編』版にはならないという悩みどころもある。