前代未聞とも言えるこの状況に、専門家から様々な仮説が唱えられました。ここではそのうちのいくつかをご紹介したいと思います。
超常現象説
オカルト界隈から提唱された説としては「超常現象説」が挙げられます。当時は「アダムスキー型円盤」などの目撃例が相次いでいた時代であり、放射性物質が検出されたという特異性もあり、UFOや宇宙人と遭遇したのではないかという説が巷で囁かれていました。
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秘密兵器実験説
陰謀論の観点から「秘密兵器実験説」も提唱されました。事実、一行が最後にキャンプを行った場所は、大陸間弾道ミサイルの試験発射が行われたことのある宇宙基地から、旧ソ連の主要な核実験場であった場所との道の途中に位置しており、一行は核実験に巻き込まれ、放射性物質が検出されたのはそのためではないか?と囁かれました。事件現場付近で「謎のオレンジ色の光源」の目撃談も存在することも、この仮説を補強する材料となっています。
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マンシ族説
また、現地に住んでいる「マンシ族」の犯行ではないかという説もあります。マンシ族は部外者が現地に侵入することを嫌っており、一行が彼らの逆鱗に触れたため殺害されたという説ですが、憶測の域を出ず、遺体の異常な状況を説明する根拠に欠けるとの指摘もあります。
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雪崩説
自然現象からのアプローチで提唱された「雪崩説」。雪崩や暴風などの自然災害に巻き込まれ、そのときにパニック状態となった結果、遺体が凄惨な状況になったという説です。2019年2月1日にロシア連邦の最高検察庁は、事件の原因は「雪崩や暴風などの自然現象」とし、それは「抗いがたい自然の力」との見解を示しています。
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「ディアトロフ峠事件」を題材にした作品
今なお多くの謎を残す「ディアトロフ峠事件」ですが、21世紀に入り数多くの映画や小説の題材として扱われています。ここでは、そのいくつかをご紹介します。
死に山:世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相
2014年に発表されたドニー・アイカーによるノンフィクション「死に山」。ドキュメンタリー映画作家の視点から、事件の全貌と真相に迫るノンフィクションに仕上がっています。なお、2018年には日本語訳も刊行されています。
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映画「ディアトロフ・インシデント」
2013年に公開された映画「ディアトロフ・インシデント」。「クリフハンガー」「ダイ・ハード」のレニー・ハーリン監督作品で、上述の「死に山」と併せて鑑賞すれば事件の真相に迫れるかもしれません!