30年ぶりのトップ更新 将棋公式戦連勝記録ランキング
2017年7月12日 更新

30年ぶりのトップ更新 将棋公式戦連勝記録ランキング

伸びに伸びた藤井聡太四段の連勝記録。今回の記録は29でストップしたもののランキングとしては堂々の歴代1位。彼が1位に届かなかったら「〇〇が抜かれたようだな……」「フフフ……」と四天王ネタをやろうと思っていたのですがふつうにトップ取られたのでおとなしく更新された連勝ランキングをご紹介いたします。

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キリよく《トップ5!》といきたかったのですが4位タイが複数人いるのでトップ4の6人をご紹介。

1位 藤井聡太

 わかァァァァァいッ説明不要!! 29連勝!!! 14歳!!!
 藤井聡太だ!!!


 説明します。
《最年少棋士記録を60年ぶりに塗り替えた上、最初の公式戦が60年前の最年少棋士であった加藤一二三九段》
 というインパクトのある登場をした棋士。将棋マニアはマニアなのでこの1文だけで1日語り続けるくらいのことができます。

 序盤中盤の〝隙が無いよね〟度は当然高いのですが、なんといっても光るのは終盤。
《光速の寄せ》と呼ばれた谷川名人を彷彿させるほどの技術力。

 公式戦連勝記録で1位を取ったというのも偉業なのですが、デビューからの記録なので《デビューから連勝が止まるまで無敗だった》という夢のような能力を持つ人物。
嘘だろ……そんな少年……いないに決まってる……!

嘘だろ……そんな少年……いないに決まってる……!

 あまりにも注目を浴びており幼少期にお遊びになられていた遊具が半年以上の入荷待ちになったり食事をチェックされたり50m走のタイムが公開されたりしている。
 若く穏やかでちょっと照れている感じの笑い方あたりはどことなく阿部光瑠六段を思いださせる。

 誕生日は7月19日。デビューは10月1日。
 プロ入りから1年を迎えるまでにもうひとつくらい記録をうちだしそうな気が……。
 記録は《29連勝》。達成は2016~2017年。
藤井聡太四段

藤井聡太四段

2位 神谷広志

 《飛車先不突矢倉》を武器にそれまでの記録1位《22連勝》を大幅に更新した男。
 現在八段。記録は《28連勝》。達成は1986~87年。

 今回の藤井四段の活躍は《俊英、連勝記録を打ち立てる》という取りあげ方をされている一方、視点を変えると《棋界は神谷八段の記録を抜くのに30年かかった》となる。
 将棋界における30年はどれくらいの長さなのかと言うと《羽生善治がデビューしてから現在に至るまで》とほぼ同じである。
 ※羽生善治のプロデビューは1985年12月。
神谷広志八段

神谷広志八段

 連勝記録の壁でもあったので藤井四段に関するインタビューが存在しているのですが、
「藤井さんはデビューから。価値は比較にならない」
「本音は並んで止まるのが一番。次に同じことが起きたら“神谷、藤井”となる」と笑いつつ「彼は記録は眼中にないのでは。それより、あと何年で天下を獲れるかでしょう」
 渋くてかっこいい返しが最高です。
 私も藤井四段の連勝についてインタビューされたら「記録は眼中に無いのでは。それより、あと何年で天下を獲れるかでしょう」と返そうと計画しています。


 神谷八段は昭和の花形《55年組》と呼ばれる人のひとり。
 タイトル戦に絡んでいないせいかなかなか話題にのぼらない人なので、これをきっかけに彼の話題も増えることをひそかに期待している。

3位 丸山忠久

 角換わりのスペシャリストにして羽生世代。髪に冷えピタを貼る人。
 記録は《24連勝》。達成は1994年。
 現在九段。2000年には名人位を獲得しており、1期防衛に成功。棋王も1期獲得しておりタイトル獲得は計3期。

 棋士は勝負師なので全員勝負に対してシビアなのだが、彼の場合は戦い方までシビアで〝自分が有利になっても相手の攻め手を潰し続ける〟という棋風である。
 自分が積極的に動いていくのではなく相手の力を削ぐ手を〝からい手〟などと表現するのだが丸山は〝からい〟人の代表格でついたあだ名が《激辛流》。べつにそういうラーメンを多数注文するとかいうことは無い。
 〝友達を失くす戦いかた〟と表現されることもある。誰が言いだしたのやら。
丸山忠久九段

丸山忠久九段

 好調の波の来方がちょっと不思議な人でもある。
 連勝記録自体がうちたてられたのは1994年だが名人獲得は2000年となぜか差がある。髪に冷えピタを貼ったりもする。

 実は〝1999年にも18連勝を記録〟しており、こちらはランキング8位タイである。
 連勝ランキングに2回以上名前が載っているのは彼と羽生さんのみ。

 よく食べる。

4位 塚田泰明

 〝塚田が攻めると道理がひっこむ〟とまで言われた攻めの人。
 昭和棋士の花形《55年組》のひとりでタイトル獲得王座1期。現在九段。
 記録は《22連勝》。達成は1986年。

 第2回将棋電王戦では唯一の九段として登場。
 初戦こそ阿部光瑠四段が勝利したものの2局目で佐藤慎一四段がプロ棋士として初敗北、3局目の船江恒平五段も敗れておりだいぶ厳しい展開となっていた。
 事実、一度は敗勢にまで追いこまれ、コメントと解説の雰囲気はかなり重くなってしまっていた。
 のだが、
「▲7七玉から入玉を目指されたときは心が折れました。でも……自分から投了はできなかった」
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