2018年3月25日 更新
覚えてますか?幻のSPAC(スパック)ロマン映画『オルカ』!そのコミカライズ版の内容とは?
映画「テンタクルズ」で悪魔の大ダコを倒してくれた正義のヒーロー、それがオルカ=シャチ!今回紹介する1977年日本公開の映画『オルカ』は、そのオルカ対人間の対決を描いた、正に海洋生物版の西部劇!そのコミカライズ版をご紹介します!
映画「テンタクルズ」で悪魔の大ダコを倒してくれた正義のヒーロー、それがオルカ=シャチ!
今回紹介する1977年日本公開の映画『オルカ』は、そのオルカ対人間の対決を描いた、正に海洋生物版の西部劇といった内容となっている。
『オルカ』の初期ポスター
ところで、ミドルエッジ世代の皆さんは、『SPACロマン』という宣伝文句を覚えているだろうか?そう、当時の配給元だった東宝東和が作り出した新たな映画ジャンル、それがこのSPAC=スパックロマンだ!
『オルカ』のチラシ
宣伝コピーにも、「耳を澄ましてごらん。海鳴りが”スパック”と囁くのが聞こえる」とある様に、当時の配給会社もこの新語を流行らせようとしたのだが・・・。
ちなみにこのSPACは略語で、それぞれS=サイエンス、P=パニック、A=アドベンチャー、そしてC=シネマということになっている。早い話が派手な見せ場で商売になる大作(制作費が多い)という訳だ。
実はこのSPACロマンの記念すべき第1作目こそ、今回紹介する映画『オルカ』なのだが、残念ながらこの名称は全く定着せず、もはや死語となっているのは皆さんご承知の通り。これこそ正に、70年代の映画宣伝部の熱気と自由度が良く分かるエピソードだ。
前回紹介した映画『テンタクルズ』公開の半年後、1977年の12月にお正月映画として公開された本作は、やはり当時の観客の絶大な期待を集めて公開されたのだが、もともと表情に乏しく喜怒哀楽がはっきり判らないシャチが主人公では、残念ながら『ジョーズ』の恐怖を越えることは出来なかった。
『オルカ』ストーリー
カナダ・ニューファンドランドの漁師ノーランは、水族館へ売るためにメスのオルカ(シャチ)を生け捕りにしようとするが、妊娠している子供もろとも死なせてしまう。
妻子を失ったオスのオルカは、ノーランの仲間や港の設備を襲う。交通事故で妻子を亡くした経験を持ち、オルカへの同情を禁じ得ないノーランだが、オルカの復讐による被害は漁村全体に及び、苦悩しながらも避けることの出来ない対決のため氷海へ船を走らせるのだが・・・。
Wikipediaより
『オルカ』コミカライズ版概略
掲載誌表紙
このコミカライズ版が掲載されたのは、『月刊少年チャンピオン』1978年1月号。『月刊少年チャンピオン』での映画コミカライズ版の連載は、1977年8月号掲載の『ザ・ディープ』で一旦終了。
その後は増刊号などに不定期に掲載されたのだが、連載終了から数ヶ月を経て本誌に掲載されたこの『オルカ』が、『月刊少年チャンピオン』連載の劇画ロードーショー最終作品とされている。本作の作者は、動物漫画の第一人者である石川球太先生。過去に黒沢明監督の『デルスウザーラ』のコミカライズ版を描かれて以来の登場となっている。
『オルカ』コミカライズ版内容紹介
人間の勝手なオルカ狩りのせいで、妊娠中の妻を殺された雄のオルカ。こうして自身の目の前で妻子を惨殺された雄のオルカは、敵の人間たちを追跡し、次々に殺害し復讐を果たしていくのだった。
まずは子供にヒドい扱いをした男を噛み殺す!
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