【カッコーの巣の上で】アカデミー賞主要5部門独占!名演技を見せた俳優たちのその後
2023年7月3日 更新

【カッコーの巣の上で】アカデミー賞主要5部門独占!名演技を見せた俳優たちのその後

映画『カッコーの巣の上で』といえば、アカデミー賞主要5部門を独占した歴史的作品です。作品としての評価もさることながら、出演した俳優陣も名演技で、今振り返ると、その後活躍する有名俳優が多く出演していることがわかります。今回は、本作に出演していた俳優の中から9名を選出し、彼らのその後を見てみます。

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『カッコーの巣の上で』

『カッコーの巣の上で』は、1975年公開(日本では1976年)のアメリカ映画で、原作はケン・キージーの1962年の小説、監督はミロス・フォアマンです。精神病院を舞台に、新入り患者のマクマーフィーが、看護婦長ラチェッドの定める厳格なルールに反抗し、仲間の患者たちを扇動して自由を勝ち取ろうとするストーリーです。

第48回アカデミー賞では、主要5部門(作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、脚色賞)を独占受賞。これは、1934年の映画『或る夜の出来事』以来の快挙で、達成したのは、1991年の映画『羊たちの沈黙』を含めて3作品のみです。

主演は、名優ジャック・ニコルソン。また、患者を演じた俳優たちの多くは、この作品を足がかりに、その後の映画作品でも活躍しています。今回は、本作の出演者の中から、9人の俳優のその後を見てみます。

『カッコーの巣の上で』トレーラー

One Flew Over The Cuckoo's Nest (1975) Official Trailer #1 - Jack Nicholson Movie HD

ジャック・ニコルソン

ジャック・ニコルソンはアメリカの俳優で、1937年4月22日生まれ。『カッコーの巣の上で』では、精神病院に入院してきたばかりの主役・ランドル・パトリック・マクマーフィーを演じました。ラチェッド看護婦長に反抗し、院内の規則をことごとく破っていく暴れん坊ですが、最後には悲しい結末を迎えます。本作の演技で、アカデミー賞主演男優賞を受賞しました。

ハリウッドを代表する俳優で、出演した人気映画は枚挙にいとまがありません。アカデミー賞の常連でもあり、『恋愛小説家』でも主演男優賞、『愛と追憶の日々』でも助演男優賞を受賞しています。代表作は、『イージー・ライダー』、『シャイニング』、『バットマン』、『ア・フュー・グッドメン』、『ディパーテッド』など多数。

『シャイニング』

The Shining (1980) - Here's Johnny! Scene (7/7) | Movieclips

ルイーズ・フレッチャー

ルイーズ・フレッチャーはアメリカの女優で、1934年7月22日生まれ。『カッコーの巣の上で』では、精神病院の看護婦長ミルドレッド・ラチェッドを演じました。患者には院内の規則厳守を徹底させ、破る者には懲罰も辞さない憎まれ役で、最後には事件が起きてしまいます。本作の演技で、アカデミー賞主演女優賞を受賞しました。

授賞式のスピーチでは、聾唖者の両親に向けて、手話で感謝の言葉を送り、アカデミー賞史上最も感動的なスピーチの一つとして語り継がれています。

2022年9月23日、余生を送っていた南フランスで、88歳で亡くなりました。

第48回アカデミー賞授賞式

Louise Fletcher Wins Best Actress: 48th Oscars (1976)

ウィル・サンプソン

ウィル・サンプソンはアメリカの俳優、画家、ロデオ・パフォーマーで、1933年9月27日生まれ。身長201cmと長身で、『カッコーの巣の上で』では、精神病院の患者の一人、聾唖の(振りをしていた)ネイティブ・アメリカン、チーフ・ブロムデンを演じました。

その後は、クリント・イーストウッド監督・主演の映画『アウトロー』、超自然的ホラー映画『ポルターガイスト2』などに出演。強皮症という持病があり、長年、闘病生活を送っていましたが、1987年6月3日、53歳の若さで亡くなっています。

『ポルターガイスト2』

PolterGeist II - Learn by forgetting?

ブラッド・ドゥーリフ

ブラッド・ドゥーリフはアメリカの俳優で、1950年3月18日生まれ。『カッコーの巣の上で』では、精神病院の患者の一人で、不安症で吃音症、最後には自ら命を絶ってしまうビリー・ビビットを演じました。この演技が評価され、アカデミー賞では、助演男優賞にノミネートされています。

その後の代表作は、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの"蛇の舌"グリマ、『チャイルド・プレイ』のチャールズ・リー・レイ、チャッキーの声などが有名です。

『チャイルド・プレイ』

Child's Play (1988) - Dr. Death's Voodoo Scene (7/12) | Movieclips

クリストファー・ロイド

クリストファー・ロイドはアメリカの俳優で、1938年10月22日生まれ。『カッコーの巣の上で』が映画のデビュー作で、精神病院の患者の一人、好戦的で冒涜的なマックス・テイバーを演じました。

その後の代表作は、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』3部作で、マーティ・マクフライ(演:マイケル・J・フォックス)と仲良しのエメット・"ドク"・ブラウン博士、『アダムス・ファミリー2』のフェスターおじさんなどが有名です。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』

1.21 Gigawatts - Back to the Future (6/10) Movie CLIP (1985) HD

ダニー・デヴィート

ダニー・デヴィートはアメリカの俳優で、1944年11月17日生まれ。身長は147cmと小柄で、彼ならではの役を演じるのが特徴です。『カッコーの巣の上で』は、1971年にオフ・ブロードウェイの作品に出演したのが最初で、映画でも同じ役、精神病院の患者の一人、妄想癖のある子供のようなマティーニを演じました。

その後の代表作は、『ツインズ』で、アーノルド・シュワルツェネッガーと共演した双子の弟、『バットマン リターンズ』のペンギンなどが有名です。
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