2021年6月22日 更新
『ガンプラり歩き旅』その60 ~イデオン編・8 番外編の番外編! 瞳こらせよ、産卵の時! 人よ命よ、生首を見る! スペシャルデラックスイデオン~
ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、今改めて当時のキットから現代キットまで発売年代順に、メカ単位での紹介をしてきた『ガンプラり歩き旅』。
今回は全8回で、ガンプラブームと共にロボットプラモブームを牽引した、『機動戦士ガンダム』(1979年)の日本サンライズ・富野由悠季監督の次作品『伝説巨神イデオン』(1980年)のアオシマ製プラモデル群から、現代に至るまでのイデオンフィギュアを、追いかけてみたいと思います!
さて、ここから驚愕の合体(?)変形が始まるのであるが。
まずは、イデオンの臀部から脚部の後ろに、コロ走行用の補助パーツと車輪を付ける。

補助パーツが両脚を固定する役目も果たす

コロ走行用の車輪を付けた状態
そのままイデオンの、両脚を前方に投げ出すようにして腰で据わらせる。
ここではまるで、イデオンはリラックスしてくつろいでいるように見える。
首がない状態だが……。

ここから悲劇、惨劇がはじまる
一方、今回も外したバックパックに、物騒なミサイル砲2門が接地される。
しかし、そこにはなぜか、イデオンの生首が……?

もう、ナチュラルに「猟奇」ってニュアンスしか伝わってこないセンス
しかも、その生首付きバックパックを、くつろいでいたイデオンのお膝に装着する!

もう、なんだよこれ……。解説も書けねぇよもう
なぜ生首がお膝に? 首なんだから、首がある位置にあればいいだろう! もう許してやってくれないか! 誰もが、誰に誰の許しを請うのか自我崩壊したところで、先ほど完成させておいたソロ・シップがおごそかに飛んできて、イデオンの、本来首が乗るはずの、頭部部分に合体した!

スケール換算とか、どうしたぁああああッ!?
もうなにもいうまい。語れることは何もない。もちろん、筆者への文句も受け付けないし、現在企業体として頑張っているアオシマも、苦情や質問は一切受け付けないだろう、これが「ソロシップイデオン」の完成形なのだ!
これで完成なのだ!

シュールって言うか、猟奇って言うか。とりあえず、これ喜ぶ子どもがまずおらんわ!
もうね、この「主役ロボットの頭部に、そのロボットが収納されるべき主役戦艦が、まんま乗っかってます」感は、バンダイや他メーカーでは絶対に出てこない着想!
だって仮に「ホワイトベースが頭の代わりに乗っかっているガンダム」のプラモとか出されても、プラモ狂四郎もストリームベースも、なすすべがないはずだ!
オマケに、この脱力戦意喪失感にとどめを刺すかのように!

ソロ・シップの上部ハッチからでも、カプセルが入れられますよー
うん……分かった。分かったから。
どうだったであろうか?
アオシマ究極の、狂気と狂喜とエネルギーが封じ込められたかのような、おそるべしイデプラの、ある意味でのエヴォリューション、ある意味でのインフィニティ。

オプションを抜かすだけで、とても普通のプラモに見える
普段はどこにでもいるサラリーマンが、街の風景の中に溶け込むような地味な青年が、空を闇が覆う夜になった瞬間、隠していた牙をむき出し、己の本性と正体を現し、見る者や社会を恐怖に陥れる、まるで大藪晴彦文学のヒーローのような、アオシマのイデプラの境地!
今回の『ガンプラり歩き旅』でのイデプラの紹介はこのトンデモ弩級キットで終了するが、あの時代、プラモデル屋や文房具屋、駄菓子屋の店先を賑わした「大人にとって謎の箱の中身」は、決してガンプラのような優等生だけではなかったことを、今回の番外編を通じてお伝え出来たのであれば成功である。
最後に、こんな「ガンプラでイデプラの連載」にお付き合いいただいた、ミドルエッジ編集部と読者の皆様に感謝して、イデプラ編を終了したいと思います。
いや、次回からもまだちょっと、番外編が続きますが。
(取材協力 青島文化教材社)
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Taka 2021/12/28 15:28
うっかりこの記事を見てしまったために、「卵を産むイデオン」の奇天烈さが頭から離れなくなってしまい、ついヤフオクで競り落としてしまったじゃないですか、どうしてくれるんですか(笑)しかも意外と高くなかったですよ。こんな素っ晴らしいネタプラモ、絶対に1つはコレクションしたくなるに決まってますよ♪
agat 2019/10/2 17:59
ソロシップイデオン持ってたなー。もともとアオシマの合体シリーズが好きだったし、いつものアオシマじゃんとまったく違和感なし。
いるか本家 2018/7/6 17:11
通りすがりの者です。駿河屋事件当時、ポケットパワーに魅せられましたw
記事中、腰のポケットパワー部分が「押し出し」であるように書かれていましたが、あの箇所には本来スプリングが入っていて、尻のツマミを「引っ張って離す」が正しい遊び方のはずです。
かなりの威力でスッ飛んでいきますよ〜。
2018/4/28 05:20
残りの重機動メカ、戦艦、戦闘機、フィギュアもレビューして欲しかったですね。
ギジェ・猿 2018/4/27 19:59
ミニ合体の1号、カービアンクロッサスに生首が乗った奴もステキでしたね!