ニューソウル・ムーヴメントの幕開けを飾った男、ダニー・ハサウェイの魂の歌声を聴いてほしい!
2017年2月14日 更新

ニューソウル・ムーヴメントの幕開けを飾った男、ダニー・ハサウェイの魂の歌声を聴いてほしい!

70年代に「私たち黒人が差別から解放され、自由になる日がいつか必ずやってくる」と歌ったダニー・ハサウェイ。力強く、それでいて繊細な歌声はファンのみならず、今なお同業のミュージシャンをも魅了し続けています。また、クラシックやジャズに対する造詣が深いダニー・ハサウェイのアレンジはソウルに新しい可能性を見出しました。

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Donny Hathaway

ダニー・ハサウェイ

ダニー・ハサウェイ

出生名:ダニー・エドワード・ハサウェイ
生年月日:1945年10月1日
出身地:アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ
ジャンル:シカゴ・ソウル, R&B
職業:歌手, ソングライター, アレンジャー
担当楽器:ヴォーカル, ピアノ/キーボード
活動期間:1969~1979
ダニー・ハサウェイが亡くなったのは1979年1月13日のことで、ニューヨークのセントラル・パーク・サウスにあるエセックス・ハウス・ホテルからの転落死とされていますが、死因には謎が多く、自殺とも他殺とも言われています。
音楽活動期間は、70年のソロ・デビューから、わずか9年しかありませんが、その短い期間に偉大な功績を残しているダニー・ハサウェイのキャリアを振り返ってみます。

1945年10月1日、アメリカはイリノイ州シカゴにダニー・ハサウェイは生まれます。ゴスペル・シンガーでありギタリストでもあった祖母のマーサ・クロムウェルに育てられ、3歳に時には祖母と共に中南部をツアーを行っていたのだそうです。
その一方で、幼少のころからピアノのプライベート・レッスンを受け、クラシック理論を学び、名門ハワード大学に進学して更にクラシックを学んでいます。
因みに同級生には「やさしく歌って」などで知られるロバータ・フラックがいました。
しかし、カーティス・メイフィールドの元で働くために3年で大学を辞めシカゴへと向かいます。

カーティス・メイフィールドとは、「ピープル・ゲット・レディ」などのヒットを放ったインプレッションズのメンバーで、インプレッションズ脱退後はソロとしてこれまた多くのヒット曲を放った偉大な人物です。

そのカーティス・メイフィールドの勧めで、メイフィールド・シンガーズの一員として録音に参加するようになります。また、アレンジャーとしても頭角を現してきます。

Everything Is Everything

カーティス・メイフィールドらの下でしっかりとキャリアを積んだダニー・ハサウェイは、1970年に旧友リック・パウエルとの共同プロデュースによるファースト・アルバム「新しきソウルの光と道」をリリースします。
本作からは、「ゲットー」がシングルとなり全米87位、ソウル・チャート23位というまずまずのヒットを記録しました。

しかし、このアルバムは商業的なことよりも、レイ・チャールズやアレサ・フランクリンなどといった他のミュージシャン達へ大きな衝撃を与えました。
黒人だけではなく、キャロル・キングは、友人、知人たちにこのアルバムを配って回ったという逸話が残っているほどです。
日本でも山下達郎が「無駄のない、曇りのないアルバム」と本作を評していたようですが、まさに言いえて妙です。
新しきソウルの光と道

新しきソウルの光と道

1970年リリース

1.エヴリシング・イズ・エヴリシング
2.ジュ・ヴゼム
3.ただ我を信じて
4.ミスティ
5.シュガー・リー
6.トライン・タイムズ
7.サンキュー・マスター
8.ゲットー
9.トゥ・ビー・ヤング、ギフテッド・アンド・ブラック
出典 wmg.jp
ジャジーなベースのフレーズからアルバムはスタートし、大きく打ち鳴らされる鐘の音、ファンキーなホーンセクション、Jazzの知識を最大限に生かしたDonnyのピアノ。Jazz、Gospel、Classic、Blues、Funk・・・あらゆる音楽をソウル・ミュージックの中に凝縮し、高いクオリティのサウンド・オーケストレーションを生み出している。

そして何よりも明確にアルバムの中に打ち出されているコンセプト。黒人街スラムの生活"The Ghetto"をテーマに、アフロアメリカンとして生きるアイデンティティを世界に打ち出した。

Donny Hathaway - the Ghetto

Second album

デビュー・アルバムから1年と空けずにリリースされたセカンド・アルバム「ダニー・ハサウェイ」はボーカリストに徹したアルバムと言ってよいかと思います。オリジナル曲は「テイク・ア・ラヴ・ソング」の1曲だけで、その他の収録曲は全てカヴァー曲です。
しかも、「マグニフィセント・サンクチュアリー・バンド」以外の曲はスローナンバーばかりですから、前作に比べグルーヴ感は後退しています。その意味では残念ではありますが、その分ボーカリストの魅力が全開となっています。

ダニー・ハサウェイが半数近く手掛けている管楽器、弦楽器のアレンジはこれ以降の布石になっていて興味深いです。
ダニー・ハサウェイ

ダニー・ハサウェイ

1970年リリース

1. ギヴィン・アップ
2. ソング・フォー・ユー
3. リトル・ガール
4. 兄弟の誓い
5. マグニフィセント・サンクチュアリー・バンド
6. シー・イズ・マイ・レディ
7. アイ・ビリーヴ・イン・ミュージック
8. テイク・ア・ラヴ・ソング
9. サインはピース
柔らかなピアノの音と、心地良いストリングス。そして、全ての人の心を暖かく包み込んでくれるような、彼の深い呼吸から生み出される伸びやかな歌声。全てが上手く重なり合って、懐の深い包容力のあるサウンドを作り出している。

Donny Hathaway - Magnificent Sanctuary Band

セカンド・アルバム「ダニー・ハサウェイ」が全米チャートに顔を出した1971年6月には、キャロル・キングの「きみの友だち」をロバータ・フラックとデュエットし大ヒットしています。
そして、永遠の名盤としてロック史に刻まれる「ライブ」もハリウッドのトルバドールとニューヨークのビターエンドで、まさにこの時に録音されていたのです。

Live

レコードでいうとA面が、1971年8月28日と29日にハリウッドのトルバドールで行われたライブから選曲され、B面は10月27日から29日にニューヨークのビター・エンドで行われたライブからの選曲となっているロック史に残る大傑作ライブアルバム、タイトルはそのままズバリの「ライブ」は1972年にリリースされ、ゴールドディスクを獲得したダニー・ハサウェイにとって最大のヒット作です。

名盤とはまさにこのアルバムのためにあるような素晴らしい作品ですが、発売当時、ダニー・ハサウェイはこの出来に大満足しているわけではなかったといます。
ひとつには2枚組としてリリースしたかったということが挙げられますが、同年にはまたロバータ・フラックとのデュエット・ナンバー「ホエア・イズ・ザ・ラブ」が大ヒットしたのですが、ロバータ・フラック抜きでも成功出来るということを示したかったのかもしれません。
その為には、妥協は出来なかったのでしょう。

本作からは「リトル・ゲットー・ボーイ」がシングル・カットされています。この曲はダニー・ハサウェイが音楽を担当した1972年公開の映画「ハーレム愚連隊」のサウンドトラック・アルバムにスタジオ録音のヴァージョンが収録されています。
ライブ先行披露となったこの名曲の作者はバンド・メンバーのアール・デルーエンがエドワード・ハワードの共作です。
ライヴ

ライヴ

1971年リリース

1. 愛のゆくえ
2. ゲットー
3. ヘイ・ガール
4. きみの友だち
5. リトル・ゲットー・ボーイ
6. ウィ・アー・スティル・フレンズ
7. ジェラス・ガイ
8. エヴリシング・イズ・エヴリシング
この"Live"の特徴として、録音された会場が小さなライヴハウスという事がある。バンドと客の距離が近く、アクションに対するリアクションが手に取るようにはっきりと聴こえてくる。そして呼吸の止まるようなファンキーで熱を持った演奏が否が応にもオーディエンス達の心を高揚させる。ライヴの持つ熱気、オーディエンスの歓声、会場内に高まる期待や感情の渦が一つ一つ詳細にゾクゾクするほど伝わってくる。

Donny Hathaway - Little ghetto boy (VIDEO)

【参加ミュージシャン】
・ダニー・ハサウェイ (ボーカル、エレクトリックピアノ、ピアノ、オルガン)
・フィル・アップチャーチ (リードギター)
・コーネル・デュプリー(リードギター)
・マイク・ハワード (ギター)
・ウィリー・ウィークス (ベース)
・フレッド・ホワイト(ドラムス)
・アール・デルーエン(コンガ)
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