『アンデルセン童話』みんな子供の頃読みましたよね。たくさんのアニメなどにも出ています。
2017年2月8日 更新

『アンデルセン童話』みんな子供の頃読みましたよね。たくさんのアニメなどにも出ています。

代表作の中で、「マッチ売りの少女」「裸の王様」「人魚姫」決してハッピーエンドではない終わり方だったこの3作について考えてみました。

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アンデルセン童話

アンデルセン童話

ハンス・クリスチャン アンデルセン (著),
西本 鶏介 (著), shino (イラスト)

死後140年経っても色あせることのない、童話の王様アンデルセンの珠玉の童話集。「人魚ひめ」「はだかの王さま」など7話収録。

はじめに

ハンス・クリスチャン・アンデルセン

ハンス・クリスチャン・アンデルセン

誕生 1805年4月2日
デンマークの旗 デンマーク=ノルウェー オーデンセ
死没 1875年8月2日(70歳)
デンマークの旗 デンマーク コペンハーゲン
職業 童話作家
詩人
国籍 デンマークの旗 デンマーク
ジャンル 児童文学
紀行文学
代表作 マッチ売りの少女
みにくいアヒルの子
裸の王様
人魚姫
親指姫
即興詩人
出典Wikipedia

グリム童話との違い

童話作家の中で双璧をなすグリム兄弟とアンデルセン、両者ともに
たくさんの童話を残していますが、両者の決定的な違いはアンデルセンの童話作品は
グリム兄弟のような民俗説話からの影響は少なく、創作童話が多いということでしょう。

グリム兄弟は分担して口述伝承の収集と文献の収集から宗教的に子供に対して
読み聞かせて構わない程度まで何度も加筆、修正を重ね現在に知られている童話集に
仕上げていますが、アンデルセンはそういったものからの影響を受けることなく自身で創作しています。

マッチ売りの少女

A. J. Bayes (1889) による挿絵

A. J. Bayes (1889) による挿絵

いかにもノスタルジックな絵ですね。
19世紀末の童話の本というのを
一回見てみたくなるような挿絵です。
年の瀬も押し迫った大晦日の夜、小さな少女が一人、寒空の下でマッチを売っていた。

マッチが売れなければ父親に叱られるので、すべてを売り切るまでは家には帰れない。

しかし、街ゆく人々は、年の瀬の慌ただしさから少女には目もくれず、目の前を通り過ぎていくばかりだった。

夜も更け、少女は少しでも暖まろうとマッチに火を付けた。マッチの炎と共に、
暖かいストーブや七面鳥などのごちそう、飾られたクリスマスツリーなどの幻影が一つ一つと現れ、
炎が消えると同時に幻影も消えるという不思議な体験をした。

天を向くと流れ星が流れ、少女は可愛がってくれた祖母が「流れ星は誰かの命が消えようとしている象徴なのだ」
と言ったことを思いだした。次のマッチをすると、その祖母の幻影が現れた。

マッチの炎が消えると祖母も消えてしまうことを恐れた少女は、慌てて持っていたマッチ全てに火を付けた。
祖母の姿は明るい光に包まれ、少女を優しく抱きしめながら天国へと昇っていった

新しい年の朝、少女はマッチの燃えかすを抱えて幸せそうに微笑みながら死んでいた。

しかし、この少女がマッチの火で祖母に会い、
天国へのぼったことは誰一人知る由はなかった。

マッチうりの少女(日本語版)/ THE LITTLE MATCH SELLER (JAPANESE) アニメ世界の名作童話/日本語学習

欧米では、クリスマスが日本で言う元旦であり、この物語はきっとクリスマスイブの夜のお話だったと
僕は思っています。
想像してみてください。クリスマスイブの夜にひたすらマッチを売らなくてはいけない少女に姿を・・・

僕が知っている、海外のあるダウンタウンの1月1日の朝はゴミだらけで、
まさに「祭りの後」の風景でした。
そう。日本で言う元旦はクリスチャンにとってただのお祭りなんでしょう。
本当の「新年を迎える日」はクリスチャンにとってはクリスマスなんです。

まさにこの物語はクリスマスイブの夜の出来事だったはずです。(僕の勝手な解釈です)

このお話はとても悲しいように感じるかもしれません。事実、僕も子供の頃そう感じていました。

しかし今、この年齢になって改めてこの話を読み返してみると貧困の辛さ、苦しさは感じますが
ラストシーンで幸福感に包まれながら天国に召されていくハッピーエンドなのではないだろうか?
そんな感じ方の変化を感じています。

人魚ひめ

人魚姫 ハードカバー

人魚姫 ハードカバー

アンデルセン (著)1836年発表, 清川 あさみ (イラスト),
金原 瑞人 (翻訳), 鈴木 理策 (写真)
人魚の王の6人の娘たちの内、末の姫は15歳の誕生日に昇っていった海の上で、船の上にいる美しい人間の王子を目にする。嵐に遭い難破した船から溺死寸前の王子を救い出した人魚姫は、王子に恋心を抱く。その後偶然浜を通りがかった娘が王子を見つけて介抱した為、人魚姫は出る幕が無くなってしまう。人魚は人間の前に姿を現してはいけない決まりなのだ。だが彼女はどうしても自分が王子を救ったと伝えたかった。
人魚姫は海の魔女の家を訪れ、声と引き換えに尻尾を人間の足に変える飲み薬を貰う。その時に、「もし王子に愛を貰うことが出来なければ、姫は海の泡となって消えてしまう」と警告を受ける。更に人間の足だと歩く度にナイフで抉られるような痛みを感じるとも。薬を飲み、人間の姿で倒れている人魚姫を見つけた王子が声をかけるが、人魚姫は声が出ない。その後、王子と一緒に御殿で暮らせるようになった人魚姫であったが、声を失った人魚姫は王子を救った出来事を話せず、王子は人魚姫が命の恩人だと気付かない。
そのうちに事実は捻じ曲がり、王子は偶然浜を通りかかった娘を命の恩人と勘違いしてしまう。
やがてその娘との結婚が決まり、王子は人魚姫に相手が命の恩人であることがとても嬉しいと伝える。悲嘆に暮れる人魚姫の前に現れた姫の姉たちが、髪と引き換えに海の魔女に貰った短剣を差し出し、王子の流した血で人魚の姿に戻れるという魔女の伝言を伝える。眠っている王子に短剣を構えるが、人魚姫は愛する王子を殺せずに死を選び、海に身を投げて泡に姿を変えた。そして、人魚姫は空気の精となり天国へ昇っていったが、最後まで王子や他の人々がその事に気付く事はなかった。 

人魚姫【世界の人魚姫】

ほぼ原作通りですが、浜辺で王子を介抱していた時は尼僧姿でした。
声と引き換えに足を得る人魚ひめ。

目的を達することが出来ず却って恋を失うことに。

人魚に戻るために愛する王子を手に掛けることが出来ず
最期は天国へと昇っていく。

でももし声を失うことなく、自分があなたの命の恩人だと伝えられたら
王子はどう感じただろう?
まるで恩義せがましい心の醜い女だとは感じなかっただろうか?
王子の愛を得ることは本当に出来たのだろうか?

彼女の王子に対する愛は本物ではあったろう。
であればこそこの物語の最期のシーンへと続くのは必然だったと
今の僕は考えたいです。

子供の頃は何故事実が伝えられないのかとハラハラドキドキ、イライラしながら
読んだようなおぼえがあります。

しかしやはりこの年齢になって読み返してみると、違う感想を持つものなんですね。
純真さを失ってしまったような寂しさも感じますが、今の自分自身を見つめなおせる
いい機会になったなと思っています。
解釈
どこまでも純粋に王子を愛しながらも、報われなかった人魚姫の悲しい恋の物語は、失恋を繰り返し、
ついには生涯を独身で通したアンデルセンの、苦い思いが投影されていると言われてい。

人魚姫の像
コペンハーゲンには人魚姫の像があり、有名な観光名所となっている。

はだかの王様

はだかの王さまのパレード

はだかの王さまのパレード

はだかの王様
アンデルセンの代表作の1つ。1837年発表。
これは1847年の初版本の挿絵
ある国に、新しい服が大好きな、おしゃれな王様がいた。ある日、お城に二人組の男が、仕立て屋という触れ込みでやってきた。彼らは何と、馬鹿の目には見えない、不思議な布地でできた衣装をつくることができるという。王様は大喜びで、大金を払い、彼らに新しい衣装を注文した。
彼らはお城の一室を借り、さっそく仕事にかかる。王さまが役人を視察にやると、仕立て屋たちが忙しく縫ったり切ったりしている「バカには見えない布地」とやらは役人の目にはまったく見えず、彼らは手になにも持っていないように見える。役人はたいへん困惑するが、王さまには自分には布地が見えなかったと言えず「仕事は順調に進んでおります」と報告することにした。
その後、視察にいった家来はみな「仕事は順調です」と報告する。最後に王さまがじきじき仕事場に行くと「バカには見えない布地」は、王様の目にもさっぱり見えない。王さまはうろたえるが、家来たちには見えた布が自分に見えないとは言えず、布地の出来栄えを大声で賞賛し、周囲の家来も調子を合わせて衣装を褒める。
いよいよ、王さまの新しい衣装は完成した。王様はお披露目のパレードを開催することにし、見えてもいない衣装を身にまとい、大通りを行進する。集まった国民も馬鹿と思われるのをはばかり、歓呼して衣装を誉めそやす。
その中で、沿道にいた一人の小さな子供が、「王様は裸だ! 王様は裸だよ! 」と叫び、群衆はざわめいた。「裸か?」「裸じゃないのか?」
ざわめきは広がり、ついに皆が「裸だ!」「王さまは、はだかだ」と叫びだすなか、王さまのパレードは続くのだった。

裸の王様【世界の名作童話】

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