勇者特急マイトガイン
昭和125年……突然の石油枯渇から50年、化石燃料で動く自動車や飛行機は全て使い物にならなくなり、世界は電気で走る鉄道社会となっていた。
鉄道王として世界の経済の中心を担う「旋風寺コンツェルン」の若き総帥「旋風寺舞人」は、父「旭」の遺志を継ぎ、超AIを搭載したロボットたちによる無国籍救助隊「勇者特急隊」を結成。かつて東京湾と呼ばれた場所に築かれたヌーベルトキオシティにうごめく悪に対し、颯爽と戦いを挑んで行く。
主な登場人物
本編の主人公。高校生でありながら旋風寺コンツェルンの総帥にして勇者特急隊の隊長であり、マイトガインのパイロット。勇者特急隊における肩書きは「隊長」であるが、そう呼ぶのはダイバーズのみである。「ダイヤグラマー」で勇者特急隊との通信及びマイトガイン、マイトカイザー、グレートマイトガインへの合体を行う。「嵐を呼ぶ旋風児」「嵐を呼ぶナイスガイ」など数々のキャッチフレーズを持つ。
世界でも有数の大富豪にして人間離れした身体能力を持ち、頭脳明晰、容姿端麗で優しく爽やかな正義漢、キザなセリフを言い放ち、カッコよく決めてるも、本当に好きな子に対してはシャイで、独占欲は強く、サリーに一度デートをした相手がいるだけで相当に落ち込んだ(ドラマCD)。
旋風寺コンツェルンは舞人によって、祖父の「旋風寺鉄道」と父の「旋風寺流通グループ」が合併し発足させた企業グループ。社長に就任してからは前年比200%という凄まじい業績の伸びを誇る。
両親を謎の事故で亡くし、父の遺志を受け継ぎ「勇者特急隊」を作り上げた。執事の青木を初め多くの使用人達と生活している。また、名乗りや叫びを多用する。ただ、屈託無くきつい言葉を吐く事がある。幼い頃から英才教育を受けており、浜田と同等の画力を持つ、宝くじの1等を当てるなど、非の打ち所が全く無い。
戦闘の際に身に着ける衣装は決まっているが、私服は常に異なるものを身に着けている。戦闘服は父のカウボーイ風のコスチュームをベースとしたものだが、独自の装備としてシャップスの特殊ラバーを取り入れている。
戦闘による被害や事後処理には無頓着なのが玉に瑕。また自分の正義を非常に強く信じており、ジョーやガインに「正義が負ける事はあるかも知れないが悪が栄えた例は無い」と言ったり、エグゼブに「お前は正義なのか?」と問われ「当たり前だ!」と即答する(これらのはっきりとした正義と悪の構造は最終話へのある真相への伏線となっている)。
最終決戦後、サリーと結婚。
本作品のヒロイン。キューポラのある街に住み、入院中の父親に代わりアルバイトで家計を支えている女子中学生。しかし、アルバイトのしすぎで扶養家族から外されているとの噂もある。また、言いたい事を素直に言い切る正直な性格。母を亡くしており、現在は父と弟のテツヤの3人家族。
父が退院して家計が落ち着くにようになっても、マイトステーション内でコーヒーを入れて配るシーンでつい値段を言ってしまう。舞人と運命的な出会いをし、惹かれ合って行く。事件が発生する度に、巻き込まれる不幸な一面もある。最終話では彼女の意外な力が明らかになる。
最終決戦後、舞人と結婚する。
舞人の幼馴染で親友。メカに強いことから、高校生でありながら勇者特急隊の開発部門にも協力している(最終エピソードでも勝利の鍵となる発見をし貢献している)。ボンバーズのアニマルモードを考案したのは彼で、各勇者の性格設定やデザインにも関わっている。
趣味は漫画を描く事で、将来は漫画家になりたいと考えている。その反面腕っ節は弱く喧嘩は苦手。代表作は『銀河の用心棒ナイスガイン』で、CDジャケットでもその姿が確認できる。5体連結を可能にし、緊急事態にはマイトカイザーやグレートマイトガインへ乗って舞人と共闘と活躍は多く、相棒として頼りにしている。
ショーグン・ミフネの部下である胡蝶(内藤ルンナ)に惹かれて恋仲になる。
旋風寺家の執事で、舞人の右腕であると同時に父親代わり。見た目は温厚かつ穏やかな老紳士だが、結構な切れ者でとても気が利く。
旭に恩があり、舞人を幼い頃から知っている人物で、旭亡き後、その遺志と「勇者特急計画」を舞人に伝え、勇者特急隊を設立させた張本人。ダジャレ好きで、毎回しょうもないダジャレを披露しては周囲を苦笑いさせ、時に和ませたりしているが、笑うのは毎日顔を合わせているいずみぐらいである。
舞人の秘書。勇者特急隊のオペレーターも兼任。舞人にとっては姉のような存在。意外におきゃんな性格をしている。
元々は旋風寺コンツェルン秘書課に属していたが、現在は舞人の専属秘書として出向。良き理解者であるが、彼が偶に放つセクハラ紛いの発言や、仕事熱心ではない彼の山積みになるスケジュールの調整には悩やまされている。「トシキ」というイグアナのペットを飼っている。
舞人のライバルで別名エースのジョー。射撃とロボット操縦の達人。専用メカである飛龍、轟龍を駆る。孤高の一匹狼ハンター。頬に傷があるがどういうわけか初期EDの画像には見られない。
元は軍人でエースパイロットだったが、父親の宍戸博士の仇を取るために脱走した過去がある。非常にプライドが高く、舞人との戦いは常に正々堂々正面からの一騎打ちを信条とし、味方であろうと勝負の邪魔をするものには容赦せず水入りになる事がしばしばあった。一方で野良猫にミルクを与える等、優しい一面もある。
舞人の事を、フルネームで呼ぶことが多い。27話ではエグゼブの命令を無視し、巨大隕石ドガンテスの破壊に向かう舞人を助けている。この事でエグゼブに「いつになったらマイトガインを倒せるんだ!」と怒鳴られるも、「誰の指図も受けない」と平然とその場を去る。これに憤ったエグゼブは轟龍に爆弾を内蔵させ、グレートマイトガインと共倒れを図る。抗議も受け入れないと見るや、観念してGマイトガインを引き離し、単身自爆しようとするも、ウォルフガングによって爆弾を取り外されたため難を逃れた。
ウォルフガングによって、エグゼブがジョーの父を利用した後に殺害したことが明らかとなり、終盤では父の仇討ちのために舞人と共闘。父が散々利用された挙句、理不尽に殺された過去から「信じるのは自分の力のみ」とサリーに対し言い切った事がある。その一方で大破寸前になりながらも飛龍を食い止めるトライボンバーに「マイトガインは良い仲間を持った」と評し、奮闘に免じ撤退した事もある。
最終回では父の敵であるエグゼブと相打ちとなり炎の中に消えるが、無事生還する。ラストシーンでハネムーンに旅立つ舞人とサリーに向けてVサインを送っている。
衣装が変わることがなかったが、「彼は貧乏で、着ている服以外の服を持っていないから」とスタッフからの発言があった。そのためCDドラマでは「川で一張羅の洗濯」「ネズミも喰い飽きた」などと言っている。決まった住家も持っていないと思われ、私生活のシーンは、基地モードの轟龍の側で焚き火をしているシーンが確認できるのみ。
ドイツ人の誇り高き天才科学者で飛龍と轟龍の設計者。「世界一強いロボット」を造る事に情熱を燃やし、マイトガインを超えるロボットを造ろうとするマッドサイエンティスト。
目的のためには手段を選ばないが、サリーの笑顔を見て、悪事を働く自分を恥じ、友人の宍戸博士の安否を心配し続けるなど、根っからの悪人ではない。
中盤、部下達に見放された際に偽名を名乗り青戸工場でアルバイトをし、その時に大阪工場長の知遇を得る。その出会いをきっかけに、部下よりもロボットの方が大事であるという考えを改め、部下達を思いやるようになる。また終盤では不本意ながらエグゼブのバックアップを得てメカを開発するが、轟龍をジョーに奪われた挙句、ドライチェン1313に搭乗させてもらえないのに不満を抱き、アンドロイドの殺し屋ユリウスと結託して舞人を抹殺しようとするも失敗したため、一旦、ロボット犯罪から手を退くが、密かにエグゼブの尻尾を掴もうと画策、ジョーの父を殺害したのがエグゼブであることを暴くと共にその本性を見抜き、自ら科学者としての誇りを知らしめるために静かな戦いを展開。陰ながらジョーをバックアップした。
技術者としての腕も確かで1度はマイトガインを敗北に追い込んだ飛龍とその後継機である轟龍、最終決戦の勝利の鍵となったイノセントウェーブ放出装置の大元も彼が考案して勇者特急隊に伝えたものであり、ある意味マイトガインの勝利に大きく貢献した人物。
最終決戦ではイノセントウェーブ放出装置を自ら使用し、ブラック・ノワールに挑むも敗れ行方不明となるが、決戦後負傷しつつもイッヒ達三人組の前に姿を見せている。