毎週登場する様々な怪獣たちをどうやって生み出していったか
三原則を守りながら、独創的で魅力的な怪獣を作るには大変な苦労があったことと思います。
成田さんは、頭の中だけで想像するのではなく、自然界の生物や物質、芸術的な絵画までもヒントにし、意外なもの同士の組み合わせや、抽象化したものを再構築することで、新たな形を作り出していきました。
成田さんは、頭の中だけで想像するのではなく、自然界の生物や物質、芸術的な絵画までもヒントにし、意外なもの同士の組み合わせや、抽象化したものを再構築することで、新たな形を作り出していきました。
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ジャミラ
人間の宇宙飛行士だったが、ロケット事故で乾燥した星へたどり着き、そこで生き抜くうちに怪獣となる。地球に帰りたいと願う一方、自分を見捨てた地球の人たちへの復讐心がかきたてられるジャミラの悲しいお話でした。
「ジャミラのデザインは、そんな人間のかなしさをただよわせる成田さんの名作だった。」と実相寺監督も述べられています。
(「ウルトラマン誕生」実相寺昭雄 著 ちくま文庫)
「ジャミラのデザインは、そんな人間のかなしさをただよわせる成田さんの名作だった。」と実相寺監督も述べられています。
(「ウルトラマン誕生」実相寺昭雄 著 ちくま文庫)
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撮影監督の要求
しかし怪獣作成の過程は、いつもスンナリいく時ばかりではありませんでした。
「ウルトラマン」で言えば7人の監督さんがいて、その人によって、要求される怪獣が変わってきます。
当然応じられる要求もあれば、応じられない要求も多々でてきたことと思います。
ここでは、実相寺監督が自ら本の中で語られている「ガマクジラ」の際のエピソードを紹介します。ガマクジラは真珠を食べる爬虫類型怪獣という設定です。
「ウルトラマン」で言えば7人の監督さんがいて、その人によって、要求される怪獣が変わってきます。
当然応じられる要求もあれば、応じられない要求も多々でてきたことと思います。
ここでは、実相寺監督が自ら本の中で語られている「ガマクジラ」の際のエピソードを紹介します。ガマクジラは真珠を食べる爬虫類型怪獣という設定です。
ぼくは、最初の打ち合わせで、デザイナーの成田亨さんに
「見るだにおぞましいもの。日曜の七時という一家団欒の時間に 茶の間の受像機が怪獣をうつしたとき、思わず箸の手がとまるといった、生理的ないやらしさを表現してほしい」とたのんだのだ。
ガマクジラ
成田さんの『怪獣三原則』を思い出してください。
ウルトラマンやウルトラ警備隊のメカを思い出してください。
どんな思いでこの要求を聞いていたのでしょう。
成田さんは、ガマクジラをこのようにデザインしました。
ウルトラマンやウルトラ警備隊のメカを思い出してください。
どんな思いでこの要求を聞いていたのでしょう。
成田さんは、ガマクジラをこのようにデザインしました。
その思いが裏切られ、特撮の現場でかたちになったガマクジラを見た時にぼくは落胆していた。
(中略)
もっと、生理的に、肌に粟立ちを生じさせる凄みが欲しいという思いを引きずっていた。
しかし、演出者の思い込みと、受け手の感覚はこのふたつについて、かなりのへだたりがあったのだ。ガマクジラもシーボーズも、怪獣としての愛嬌(?)があることで、結果としては市民権を獲得することができたのである。
放送後しばらくたって、ぼくは自分の思い込みがまちがっていたことに気づいたのだ。
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『怪獣というのは不格好で、不器用で、大きな図体をもてあまして、結局最後には人間の社会から葬り去られてしまう。(中略)怪獣には、原始怪獣が絶滅したように、時代についていけないもの、時代からとりのこされたもののやさしさや、見果てぬ夢があるんじゃないでしょうか。
だから、ぼくは生理的におぞましく、いやらしいかたちをつくることはできませんでした。』
この成田さんのことばに、すべてがある、とぼくは思う。