誰をも虜にした、60年代、70年代に見るシルヴィ・ヴァルタン
2016年8月10日 更新

誰をも虜にした、60年代、70年代に見るシルヴィ・ヴァルタン

あまりにも可愛らしい60年代のシルヴィ・ヴァルタン。少女から大人の女性のセクシーさを身に付けた70年代のシルヴィ・ヴァルタン。いつの時代も見るものを虜にしてしまう魅力がいっぱいです。

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60年代のシルヴィ・ヴァルタン

Sylvie Vartan

Sylvie Vartan

あまりにも可愛らしく小粋なシルヴィ・ヴァルタン。彼女を見ているとフランスのエスプリという言葉が思わずでてきますが、シルヴィ・ヴァルタンは、ブルガリア人の父親と、ハンガリー人の母親の間に1944年8月15日 ブルガリアのイスクレツというところで生まれ、8歳の時に家族でパリに亡命しています。
1961年17才でパリ・オランピア劇場に初出演しその輝かしいキャリアをスタートさせます。
このパリ・オランピア劇場での公演はそもそも代役としての出演だったのですが、劇場支配人の目に留まり次の公演の出演依頼を受けています。
やはり輝くものがあったのでしょうね、偶然が必然となるわけです。

最初のヒット曲は、それから2年後の1963年「Tous mes copains(邦題:おセンチな17才)」です。
おセンチな17才

おセンチな17才

1964年3月日本発売

Sylvie Vartan - Tous mes Copains

翌1964年には、「La plus belle pour aller danser(踊りに行く一番の美人)」(邦題:アイドルを探せ)が世界的に大ヒットします。
それにしても素晴らしい邦題ですね。原題からは大きく逸脱していますが、当時のシルヴィ・ヴァルタンにまさにぴったりです。
アイドルを探せ

アイドルを探せ

1964年11月日本発売

シルヴィ・バルタン(SYLVIE VARTAN) - アイドルを探せ(LA PLUS BELLE POUR ALLER DANSER)

同じく1964年には3枚目のアルバム「夢のアイドル」が発売されています。
夢のアイドル

夢のアイドル

【収録曲】恋のショック/しあわせな私/モンキー・タイム/わたしを愛して(英語)/祭りの気分/ミーン・ウーマン・ブルース /アイドルを探せ/アイ・ウィッシュ・ユー・ウェル/ドゥム・ディ・ラ/もう泣かない/わたしを愛して(フランス語)/ラ,ラ,ラ (米・ナッシュビル録音)
1964年「アイドルを探せ」というどちらかといえばドタバタコメディーの映画がが封切られて、この映画の中でほんの少しだけ出てきて歌を歌うシルヴィ・ヴァルタンがブレイクしてしまう。ミレーヌ・ドモンジョも好きだったんですが・・・、やはり妖精にはかなわなかった。あれよあれよという間にヒットチャートを登りつめてしまう。この時に見たのがこのLPジャケット。可愛いを通り越しております。この顔とあの声のアンバランスがまたまたなんとも言えず、悩ませてくれました。
日本でも大人気となったシルヴィ・ヴァルタンですが、どのくらい人気だったかというと、1965年5月の初来日時に婦人服・レナウンの「ワンサカ娘」のTVCMに出演しています。
シルヴィ・ヴァルタン20歳、作曲は小林亜星が担当しています。

レナウン CM 1965年 シルヴィ・バルタン Sylvie Vartan 「ワンサカ娘」篇

シルヴィ・ヴァルタン、なかなか日本語が上手ですね。

1965年「パリからの贈り物」、1966年「恋を歌う」、1967年「パリより愛をこめて 」と毎年アルバムを発売し、快進撃を続けるシルヴィ・ヴァルタン。
1968年発売の「シャンソン・イエイエの女王」も良い出来栄えです。
因みに「イエイエ」とは、アメリカン・ポップスのフランス語カバーが多かったようですが、フランス版ロックン・ロールのことです。
シャンソン・イエイエの女王

シャンソン・イエイエの女王

【収録曲】男の子のように/夢ははかなく/雪の降る夜/何が私を/蝶々を追って/やがて、来る日が /私の遺言/夢の小鳥/愛のきずな/ある夜二人は/太陽のパラダイス/私はキッド/男の子のように(英語)/ベイビー・カポネ
フランスの大ヒット「男の子のように」と「ベイビー・カポネ」収録。
翌1968年に新展開を図るアルバム「La Maritza」(日本盤:パリの妖精)の前作。
シュールな感じのジャケット、髪形もドレスも何か
TVのミュージカル・ショウ番組用だったのか、一寸不思議な風。

シルヴィ・ヴァルタンは男の子のようなとてもフェミニンな女の子だ。
60年代終わりから70年代半ばまでマネジャーだったジャン・リュック・アズレ
も「シルヴィはまるで男の子のようなんだ、でも、やっぱり彼女は女の子なんだよな」。

ヒットメーカー、ジャン・ルナール「L'enfant aux papillons」や
実兄エディ・ヴァルタンの「Sur un fil」など好きだ。
「Sul un fil」は時代を感じさせない、一寸歌いたくなるような歌。

Sylvie Vartan Comme Un Garcon (31 12 1968)

男の子のように
続く1968年に発売されたアルバム「パリの妖精」には、日本でも大人気の「あなたのとりこ」を含む素晴らしいアルバムです。
「あなたのとりこ」は、日本では映画「ウォーターボーイズ」の挿入歌をはじめいくつものCMソングとしても使われています。
パリの妖精

パリの妖精

【収録曲】想い出のマリッツァ/もうちょっとだけ/太陽をかくした/きれいな人形/あなたのとりこ/男は必要なもの/太陽に向かって/二隻の船/彼は帰ってくる/沈黙/金の葉
1968年アルバム、キャリアの新展開を狙って制作され大ヒットした「あなたのとりこ」も収録の名盤。
音がいい! 第1曲目「La Maritza 想い出のマリッヅア」が新鮮で感動する。本当に心に響く良い歌だと改めて思う。「マリッヅアは私の河、セーヌがあなたの河であるように・・・・」で始まる、シルヴィがコンサートで必ず歌うナンバー。本作のボーナスは11曲もあり、2曲がこの「想い出のマリッヅア」のイタリア語・ドイツ語ヴァージョン。イタリア語もオリジナルに優とも劣らず深い感動がある、きっとシルヴィはイタリア語が堪能なせいもあるかもしれない。ドイツ語は馴染がないからか一寸何か不思議、でもその言語感に合わせてかシルヴィはラーラーラのリフレインを他の2カ国とは少し違った風に歌っている、ハッキリ発音しているというのか何かカッコいいなー。この歌、日本語ヴァージョンもあり1971年来日の折に録音したものが本作と同時発売の「SYLVIE A TOKYO 1971年東京公演ライヴ」にボーナスで収録されている。日本語は日本人が歌ったら演歌風になりそうな歌詞で可笑しいが、シルヴィは丁寧にうたっていて、端々に品位を感じる。
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