「イカ天」とバンドブームについて
出演当時の状況や、他の出演アーティストについてお聞かせください。
編集部
「イカ天」に出演したきっかけはなんでしたか?
その頃、人間椅子はライブハウスに出始めたばかり。動員を増やしたくてもどうしていいか分からずにいたところ、「イカ天」の放送がスタートします。練習スタジオで、「これだったら僕らも出れそう」という話になり、応募~採用~出演という流れでした。
編集部
出演時は緊張されました?出演時の想い出を教えてください。
お客さんの前でのライブではありませんでしたから、それほど緊張しなかったように思います。
登場した際、僕がバンドコンセプトを滔々と述べるのを見て、後で鈴木君が「和嶋ってけっこうしたたかだな」と言ったのを覚えています。
編集部
1980年代終盤から1990年代前半にかけてバンドブームで次から次へと色んなバンドが登場しました。
人間椅子は独特なので他のバンドと似ているとは言われなかったと思いますが、同世代のバンドに嫉妬したり影響を受けたりしたことはありましたか?
とにかく「たま」には驚きました。
それまでの、バンドはこうあるべきだ、みたいな概念を軽やかに脱ぎ捨てたかのようなアンサンブル、圧倒的な才能。もうまったくかなわないと思いました。
また、「THE NEWS」には、ひたむきさ、反骨精神といった点で影響を受けました。
編集部
「イカ天」ブームが大きくなり過ぎたために、「イカ天バンドなんて…」と軽く見られる傾向があったと聞きます。
和嶋さんもそういった風当たりを感じたことはありましたか?
イカ天バンドで一括りにされてしまうのが、イロモノ視されているようで、何か歯がゆくはありました。ある雑誌はイカ天バッシングなんかもしていましたね。
編集部
今も活動を続けている「イカ天」バンドはとても少ないですよね。
「続けていて良かったなぁ~」と実感されるのはどんな時ですか?
若い方に、街で励ましの声をかけられた時。
時代の変化について
編集部
近年ではももクロと共演されたり、声優の上坂すみれさんに楽曲提供されたり、若いアーティストとも交流を持たれていますが、意識やテクニック、環境など当時のアーティストたちと最近の若いアーティストたちの違いを感じることはありますか?
若い方々の演奏力には目を見張るものがあります。
楽器を習得する際、その時代々々の情報量に大きな違いがあるからなのですが。
また、音楽に対する変な固定観念がないところも、好ましく思っています。
編集部
和嶋さんが青春時代に聴いていた頃はレコード、デビューした頃はCD。
最近ではネットによる配信と、音楽をファンに届ける手段も変化してきました。
それを意識して楽曲作成や演奏をすることはありますか?
特に意識することはありません。
いまだにアルバムの構成をする際、ここからはB面だな、なんて考えながら選曲したりしますから。
編集部
40歳を過ぎると体力やテンション的なもので若い頃のようにいかなくなったなと落ち込んだり、悩んだりする方が多いです。
人間椅子のライブでは「ホントに50歳なの?」と疑問に思えるほどのパフォーマンスを見せつけていますが、体調管理などで心掛けていることはありますか?
個人的には、ツアー中は一滴もお酒を飲まないようにしています。
飲酒後の数日間はアルコールの離脱症状が出てしまうので…。それから僕は喫煙者なのですが、ツアー期間はアイコスにするようにしています(気休めかもしれませんが)。
編集部
ミドルエッジはインターネットのメディアなのですが、インターネットに対してどのように感じて、どのように使っていこうと考えていますか?