テレビドラマ版「悪霊島」
では1991年から見てみましょう。
「横溝正史シリーズ・悪霊島」1991年
舞台を昭和20年代に移しての映像化作品。簡略化されているが原作に比較的忠実な内容。
しかし本作の重要なポイントであるシャム双生児「太郎丸・次郎丸」の骸は倫理上から改変され、単独の死児に変更されている。
そして、「お!」と目を引いたのが、三津木五十子(三津木五郎ではない)役に、 牧瀬里穂。
回想としての巴役に、宮沢りえ。
という、かつてCMの女王、3Mと呼ばれたお二人も出演されています。
「名探偵・金田一耕助シリーズ・悪霊島」1999年版
登場人物は統合省略されており、越智家の若者である「越智拓郎」がオリジナルで登場するということが特徴である。
原作の要素は散見されるも、ストーリー自体は変更されている。
99年版では、少しオリジナル要素も加わっている‥‥ということで、見ていない者にとっては、どんなふうになっているのか一度見てみたい気もします。
「悪霊島」ちょっとしたまとめ
映画にドラマに、漫画に‥‥と再現されるのは、原作のおもしろさがあったからでしょう。
往々にして推理小説では、登場人物が多くて「これは誰だったかな? どんな関係の人だったっけ?」と見直したりすることもありますが、「悪霊島」の場合、更に、双子姉妹(顔はそっくり、性格は似ていない)も登場!
金田一探偵だけでなく、読者、または映画やドラマを見ている方も混乱に陥ることも、一つの事件の謎となって物語を一層おもしろく展開させている要素でした。
禍々しく冷たい狂気に隠された、悲しくあり、炎のような情熱‥‥。
(まだお話を知らない方のためにも、ネタバレはほどほどにしておきます!)
そんな意味でも「二面性」を感じた作品です。
「鵺の鳴く夜は恐ろしい」‥‥
もう一度、再読、また映画も再度、見てみたい作品です。
五郎役の古尾谷雅人の服装などが、ヒッピー風なのもかなりノスタルジックでした。