両作には「漫画作品のアニメ化」もしくは「アニメ作品のコミカライズ」といった関係はなく、永井自身が指摘しているような「同一の基本設定を使用して描かれた2つの作品」という関係に近い。
漫画版のテーマは「ホラー」であり、購読者層をやや高めに設定したこともあって連載を経るごとに黙示録的な世界観へと変遷していったのに対し、アニメ版は、低年齢層の視聴者を取り込みやすい勧善懲悪のヒーローものの体裁を取っている。
テレビアニメ版『デビルマン』
デビルマン / 不動明
声 - 田中亮一
ヒマラヤ山中に父・不動教授と共に旅行に来ていた際、転落したクレバスの底でデーモン族に襲われ、ゼノン親衛隊の副官であるデーモン族一の勇者デビルマンに憑依されてしまう。
以後、自我はデビルマンのものとなり、不動明の意識や記憶はデビルマンに吸収されてしまっている。しかし、美樹に対する恋愛感情などは明の意思がデビルマンに影響している。本来は気弱な性格だったが、デビルマンになってからはかなり好戦的になっている。
喧嘩や授業妨害などで教職員からは不良扱いされているが、陽気で人の善さも見せることがあり、さほど孤立していない。
美樹への愛情に目覚めてからは、人間・不動明として生きていく事を決心し、美樹を守るためにデーモン族を裏切る事になった。
やがて、自分が生きる人間界を守ることも意識するようになり、最終登場となった『マジンガーZ対デビルマン』においては「俺には味方もへったくれもねえ、ただ戦うことしか知らないデーモン族よりは人間界の方がまだマシってことだ」と語っている。
原作と異なり学生服は着用せず、明のイニシャル“A”を胸につけた黄色いTシャツと、ジーンズを着用している。冬服としてライトブルーの長袖を着用した時期もある。
移動には赤いオートバイを使用。『マジンガーZ対デビルマン』においては、兜甲児を相手に人間離れしたバイクテクニックを披露した。
(出典:Wikipedia「デビルマン」)
牧村美樹「明君は明君だもん」
声 - 坂井すみ江
本作のヒロイン。デビルマンが人間界に留まる事を決定付けさせた人物。彼女の優しさ、美しさを護ることがデビルマンの真の目的であると主題歌2番で歌われている。漫画版と比べても変更が少ない。明とは別のクラスである。
テレビアニメ版『デビルマン』オープニング・エンディングテーマ- YouTube
作詞 - 阿久悠 / 作曲・編曲 - 三沢郷 / 歌 - 十田敬三、ボーカル・ショップ
エンディングテーマ「今日もどこかでデビルマン」
作詞 - 阿久悠 / 作曲 - 都倉俊一 / 編曲 - 青木望 / 歌 - 十田敬三
魔王ゼノン
声 - 柴田秀勝
デーモン族の長。本作に関してはサタンは未登場で彼が最高実権者となっている。普段は蝙蝠のようなシルエットで登場するが、第10話では頭部に3面、胸部と腹部に2面、頭部に2本の角を持ち、全身を毛に覆われた正体を現した。
魔将軍ザンニン
声 - 増岡弘 / 中曽根雅夫(第12話 - 第14話)
第4話〜14話に登場。人間界征服とデビルマン討伐で後れをとっている魔王ゼノンが業を煮やして呼び寄せた初代幹部。性格は直情型。しかし胸の目は光線反射板でありデビルビームをも跳ね返す。尻尾は鞭として使用。魔将軍と呼ばれているだけあって他の妖獣からも恐れられている反面、傲慢な性格ゆえにロクフェル、ファイアム、マーメイムと造反者も多かった。デーモン族の拠点であったヒマラヤの地下でデビルマンと決戦に及び、戦死する。後に『マジンガーZ対デビルマン』で復活し、妖獣軍団の指揮を執った。
妖将軍ムザン
声 - 矢田耕司
第15話〜25話に登場。ザンニン亡き後、後任として登場した二代目幹部。ザンニンよりは部下を思いやる面もあるが自分に従順でない妖獣には容赦がない。特にデビルマンの親友であったドランゴには「デビルマン打倒か死」という非情な選択を迫った。エバイン、サイコジェニー、メグ、ベラと女性部下が多いのも特徴。多数の尻尾がある。肩書きは、当初はザンニンと同じ「魔将軍」だったが、第23話から「妖将軍」になっている。異次元空間をコントロールする能力を持ち、名門学園全体を異次元空間に封じてデビルマンと対決するが敗北した。
妖元帥レイコック
声 - 里見京子
第27話〜35話に登場。三代目幹部で、ゼノンの後継者と目される女性デーモン族。下半身は4つ足の獣の姿をしているが、一度裸身を見せた際に下半身の妖獣が肉体の一部ではないことが明らかになり、デビルマンとの最終決戦では2足姿で戦っている。前任の2名よりは頭脳的で人間心理を利用した作戦を展開した。装飾物の宝石類はすべて妖獣(ジュエル、ミニヨン、ケネトス)であり杖はキルスキイ、ドレスは彼女の妹のアルロンであり常に部下と一心同体であったが、すべてデビルマンに倒されてしまった。時間を操る能力を持ち、時間の流れを静止と見まごうほど遅くした町の中で、デビルマンと対戦したが、ベルトのバックルが本体であることを見抜かれ敗北した。
漫画『バイオレンスジャック』(1973年 - 1990年、週刊少年マガジン・週刊漫画ゴラク他)・・実は漫画版デビルマンの続編
バイオレンスジャックの正体は「デビルマン不動明」だった・・・
荒廃した関東に、突如現れた巨人。身長は場面によって異なるが220~250cmと言われる事が多い。ゴリラのような筋肉とオオカミの牙、そして鉈のように巨大なジャックナイフを持つ。
関東を逞しく生き抜こうとする人々に味方する一方、傍若無人な振る舞いをする者には容赦ない。更に「バイオレンスジャック」を自称する女・子供・青年などもいて、その謎は多い。
「現れるところバイオレンスの嵐が吹き荒れる」と噂され、一般的には疫病神的なイメージが浸透している。
その正体は、デビルマン不動明。デビルマンがバイオレンスジャックとなり、関東に生きる人々を、時に守るため戦い、時に導いていた。女・少年(時に青年)の分身を持つ。また光輝く鳥に化身することもある。
(出典:Wikipedia「バイオレンスジャック」)
永井作品のキャラクターが競演することでも知られている。マガジン版では『ガクエン退屈男』のキャラクターが活躍する程度だったが、ゴラク版では各エピソードごとに『マジンガーZ』『ハレンチ学園』『キューティーハニー』『凄ノ王』『ドロロンえん魔くん』など数々の永井作品から、キャラクターが役どころを変えて登場。
特に『デビルマン』との関連は強く、終盤では本作が漫画版デビルマンの続編であることが明らかになった。
OVA『デビルマン』
『デビルマン 誕生編』 1987年11月1日発売。キングレコード
テレビアニメ版とは違い、永井の漫画の展開に比較的忠実なOVAが講談社を中心として製作、発売された。デビルマン誕生までを描いた『誕生編』、妖鳥シレーヌ及び魔獣ジンメンとの戦いを描いた『妖鳥死麗濡編』の2本が発売。
テレビアニメ版も担当した小松原一男がキャラクターデザインを担当し、完結編となる3巻の発売も告知されたが、未完に終わった。
放送回数:全39話(NET(現テレビ朝日)系列、初放送は38話)
放送時間:毎週土曜日20時30分 - 20時56分(1972年10月以降は20時55分まで)
放送局:NET(現テレビ朝日)系列
デビルマンの容姿は生物として描かれた漫画版よりも整ったフォルムでデザインされ、ベルトやショートパンツ状の衣服を配して、変身ヒーローらしさを強調している。 等身大から約30mまでの巨大化が可能で、基本的には相手の妖獣に合わせたサイズで応戦している。
毎回送られてくるデーモン族の刺客=妖獣と戦うため、不動明は「ディヴィール(シナリオ表記より)」の掛け声とともにデビルマンに「変身」して戦う。
当初、妖獣たちは裏切者であるデビルマンの粛清を主な目的とするが、物語中盤以降は、妖獣の行う無差別テロに牧村美樹らが巻き込まれ、明がそれに介入・阻止するのが基本フォーマットとなる。
(出典:Wikipedia「デビルマン」)