【10/3大阪環状線から引退】関西の人に愛された電車【オレンジ色の103系】
2017年10月3日 更新

【10/3大阪環状線から引退】関西の人に愛された電車【オレンジ色の103系】

1963年から製造が開始され、3500両を超える車両が製造された国鉄103系。JR発足から30年がたち新型車両に主役の座を譲ってきましたが、2006年に首都圏から引退したあと、「大阪環状線に行けば遭える」と、鉄道ファンの心の拠り所だった大阪環状線の103系が2017年10月3日で引退することが発表されました。

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首都圏では見られなくなった201系電車も健在。

オレンジの201系電車もいまだ大阪環状線では健在。

オレンジの201系電車もいまだ大阪環状線では健在。

103系の後継車両、201系も大阪環状線では健在。
103系は最後の1本になり今回2017年10月3日に引退となりますが、201系は15本が在籍しているとのことです。
しかし、この201系も、来年度には引退が決まっているとのことです。
201系はJR東日本では1981年に登場しました。(既にJR東日本では引退)
昭和がまた一つ、消えていきます。

103系、そして201系が引退する理由。

大阪環状線の新型車両323系(裏辺研究所さまより借用)

大阪環状線の新型車両323系(裏辺研究所さまより借用)

103系と201系の跡を継ぐJR西日本の新型車両「323系」。
103系と201系は、1両につき片側「4つ」ドアがあるのですが、この323系は何と「3つ」しかありません。

山手線とは似ているようで全然違う大阪環状線。

4扉と6扉の違いを説明してくれる動画。

4扉と6扉の違いを説明してくれる動画。

山手線ではなく総武線の動画ですが、6扉の威力が写真でわかります。
ドアを巨大にした東京メトロ東西線15000系電車。

ドアを巨大にした東京メトロ東西線15000系電車。

あまりの混雑の激しさに、一度は取りやめた巨大ドアを復活させた東京メトロ東西線15000系電車。
山手線は、出入庫以外はひたすら山手線内だけを走り、他の路線には一切行きません。
(埼京線や湘南新宿ラインの走る線路は、複々線である「山手貨物線」と言います。)
それに対し、大阪環状線は、京橋を起点として、関空に行ったり奈良に行ったり和歌山に行ったりする、複数の路線へと向かう列車が1つの路線を共有しています。

そして、東京の東海道線などJR東日本は、混雑緩和が第一義であるので、3ドアだった113系や211系を追い出して、4ドアのE231系やE233系に車両を置き換えました。
それに対し、東京ほど過酷な混雑のない、また、私鉄と競合している区間の多いJR西日本は、混雑緩和よりも、快適性を提供することが第一義となってきます。
JR西日本の誇る、新快速、関空・紀州路快速、大和路快速などで利用されるJR西日本独自の車両である221系、223系、225系をはじめとする車両は基本的に3ドアです。
103系や201系は、あくまで「東京の常識」をベースにした車両なので、大阪の実情にはそぐわなかった点もあったのです。

「ホームドア設置のため」が一番の理由だった。

列車の遅延を防ぐ強力な手段が、「ホームドアの設置」です。
これがあれば、列車への接触事故が激減します。
前述したように、多数の路線に向かう大阪環状線は、遅延があると多くの路線へと影響が広がります。
しかし、ホームドアを設置するためには、ドアの位置を揃える必要があります。
このため、JR西日本は、大阪環状線を走る車両は、「3ドアにしよう」ということになったわけです。
(特急はるかなどへの対応はわかりませんが、おそらく特急停車駅は限定されるので、その駅だけ対応を変えるのだと推測されます。)
そのため、「4ドアで、しかも老朽化も進んできた103系や201系を、大阪環状線から引退させる」方策を取ったのです。

山手線の関西版が大阪環状線だと思っていましたが、実は全然違う意味合いを持つ路線だったのですね。

大阪環状線以外ではもう少し遭える103系。

大和路線へ向かうと思われる103系電車。

大和路線へ向かうと思われる103系電車。

via 個人撮影(撮影場所は不明)。2002年。
緑の103系。

緑の103系。

via 個人撮影(撮影場所は不明)。2002年。
103系のドア。

103系のドア。

via 個人撮影(撮影場所は不明)。2002年。
快速列車ではないローカル列車も走る、大和路線、奈良線を中心に阪和線、あるいは和田岬線などで、もうしばらく103系は見られると思われます。
しかし、大和路線と奈良線は「緑の103系」で、阪和線、和田岬線は、「ブルーの103系」です。
つまり、「オレンジの103系」は見られなくなります。

かつては東京でも中央線などで普通に見られた、「オレンジの103系」。
「オレンジの201系」ともども、あと遭える日は限られています。

快適さと引き換えに、昭和はまた一つ去っていきます。
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