2020年東京五輪を目の前に、日本の文化そのものへの注目がジワジワ高まるこの頃。
地域の祭礼行事を見て歩くと、意外と祭礼と武道が身近なことに気が付きますので、祭礼と武道のコネタをば。
まず、国技・相撲。
地域の祭礼行事を見て歩くと、意外と祭礼と武道が身近なことに気が付きますので、祭礼と武道のコネタをば。
まず、国技・相撲。
相撲
相撲のルーツと言われる話は日本書記に登場します。第11代垂仁天皇の垂仁7年7月7日(紀元前23年)、野見宿禰(のみのすくね)と當麻蹶速(当麻蹴速・たいまのけはや)が「捔力」(すまい・スマヰ」)での戦いをしたとあり、これをルーツとする説が有力です。
とはいえ、互いに蹴りまくって野見宿禰が當麻蹶速を死に至らしめて決着する話なので、今の相撲とは相当違う気がしないでもないですが、勝者の野見宿禰が相撲の祖として有名で、現在でも大相撲に際しては相撲関係者が野見宿禰神社(墨田区)に参拝されています。
とはいえ、互いに蹴りまくって野見宿禰が當麻蹶速を死に至らしめて決着する話なので、今の相撲とは相当違う気がしないでもないですが、勝者の野見宿禰が相撲の祖として有名で、現在でも大相撲に際しては相撲関係者が野見宿禰神社(墨田区)に参拝されています。
この相撲はその後、宮廷での大会に変化します。
『続日本紀』の神亀5年(728年)4月25日 に、諸国の国司や郡司が相撲人を王族や貴族に献上してしまい朝廷に貢進しないことを諫める詔があるので、この頃の各貴族が相撲人を保持して力自慢をしていたようです。さらに『続日本紀』にはこの逸話にちなんで天平6年(734年)7月7日に聖武天皇が「相撲戯」を観覧したとあります。
これが、7月7日の節日に相撲が行われた明確な最初の記録です。
『続日本紀』の神亀5年(728年)4月25日 に、諸国の国司や郡司が相撲人を王族や貴族に献上してしまい朝廷に貢進しないことを諫める詔があるので、この頃の各貴族が相撲人を保持して力自慢をしていたようです。さらに『続日本紀』にはこの逸話にちなんで天平6年(734年)7月7日に聖武天皇が「相撲戯」を観覧したとあります。
これが、7月7日の節日に相撲が行われた明確な最初の記録です。
そして、平安時代には宮廷では各地から相撲人を選出して大会が開かれるように。天皇御覧の元に相撲を行ったことから「相撲節会(すまひのせちえ)」と呼ばれます。
当初はルーツとなった逸話にちなみ7月7日に催していたのですが、弘仁15年(824)7月7日に平城天皇が崩御したため、命日と重なることから7月16日に変更。その後、開催日は7月下旬が慣例となったのですが承安4年(1174)以降は行われなくなり、宮廷行事としての相撲は姿を消します。
当初はルーツとなった逸話にちなみ7月7日に催していたのですが、弘仁15年(824)7月7日に平城天皇が崩御したため、命日と重なることから7月16日に変更。その後、開催日は7月下旬が慣例となったのですが承安4年(1174)以降は行われなくなり、宮廷行事としての相撲は姿を消します。
平安時代の相撲節会には、五穀豊穣の祈願と出来具合を占う神事の意味も込められていました。
兵庫県養父市・水谷神社で10月に行われる「ネッテイ相撲」が、当時の相撲に近い。力士ではなく「頭人(とうにん)」が登場します。マワシ姿ではなく、上半身裸・下半身は袴をたくし上げたスタイルで悪霊鎮めの祈願と作物の実りを感謝して行われる相撲神事です。
ひとり相撲や泣き相撲も祭礼の中で伝承されて今に残っています。神事的な相撲が民間に伝わるように、古武道も祭礼と関わりがあったりします。実は、地域で伝承される武道が案外多く、「無形文化財」に指定されることもしばしば。
例えば
兵庫県養父市・水谷神社で10月に行われる「ネッテイ相撲」が、当時の相撲に近い。力士ではなく「頭人(とうにん)」が登場します。マワシ姿ではなく、上半身裸・下半身は袴をたくし上げたスタイルで悪霊鎮めの祈願と作物の実りを感謝して行われる相撲神事です。
ひとり相撲や泣き相撲も祭礼の中で伝承されて今に残っています。神事的な相撲が民間に伝わるように、古武道も祭礼と関わりがあったりします。実は、地域で伝承される武道が案外多く、「無形文化財」に指定されることもしばしば。
例えば
小笠原流 弓馬術 | 「糺の森流流鏑馬神事」として京都府無形文化財 |
関口新心流 柔術 | 和歌山県無形文化財 |
心形刃流 剣術 | 亀山市無形文化財ならびに、三重県無形文化財 |
天真正伝香取神道流剣術 | 千葉県無形文化財 |
竹内流 柔術 腰廻小具足 | 道場一帯が「竹内流発祥の地」として岡山県指定史跡 |
無比無敵流 杖術 | 茨城県。那珂湊市無形文化財ならびに、ひたちなか市無形文化財 |
諸賞流 和(やわら) | 岩手県。盛岡市指定無形文化財 |
田宮流 居合術 | 愛媛県。西条市無形文化財 |
柳生心眼流 甲冑兵法 | 宮城県無形文化財ならびに南方町(現登米市)無形文化財 |
陽流砲術 | 福岡県無形文化財 |
このほか棒術や剣舞、船漕ぎ競争なども各地にあります。武道案件は日本には結構多い。
日本文化というと、どちらかというと芸能・芸術がメディアに登場しがちですが、個人的には武道もオススメです。東京五輪をきっかけに祭礼や武道も楽しんでいただけたら嬉しいです。
日本文化というと、どちらかというと芸能・芸術がメディアに登場しがちですが、個人的には武道もオススメです。東京五輪をきっかけに祭礼や武道も楽しんでいただけたら嬉しいです。
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