平井和正
「幻魔大戦」は雑誌「野性時代」に1979年から1983年にかけて連載されていたのですが、なんと毎月、文庫1冊分の原稿が執筆され、雑誌掲載の翌月には早くも文庫本が発売されていたというから驚きです。文庫にして全20巻が発行されていますが、それで終わることなく他にも関連シリーズとして「新幻魔大戦」、「真幻魔大戦」、「ハルマゲドン」、「ハルマゲドンの少女」などを生み出し統計2千万部を超える大ベストセラーシリーズになっています。
ということで、平井和正が原作の漫画を集めてみました。
8マン
平井和正が注目されたのは翌年の原作を担当した漫画「8マン」です。
警視庁捜査一課の田中課長を秘かに助けるスーパー・ロボット8マンは普段は東八郎として探偵事務所を開いている。実はかつて凶悪犯に射殺された刑事東八郎が、谷博士によって、東八郎の頭脳や性格を人間そっくりのスーパーロボットの電子頭脳に移し替えられ8マンとして蘇ったのである。難事件が発生すると東八郎は8マンに変身し、敵からのミサイル攻撃を防ぎ、敵のロボットと闘い、平和を守り続ける。
この漫画は「エイトマン」としてテレビアニメ化され大ヒットしましたが、日本で最初のティーン向けアニメ作品といわれています。
エイトマン 第01話
平井和正が続いて桑田次郎と組んで作り上げた作品「エリート」。これがまたイイ。
作画は更にスタイリッシュになっています。しかし、何よりもストーリーが最高ですよ。
主人公こそ中学3年の少年ですが、これはもっと大人になってから読みたい作品ですね。
物語は「人類は宇宙に進出する資格があるか?」を問うために宇宙生命体最古の種族であるアルゴールというのが、3人の地球人を選んでテストするのです。この3人の潜在能力を引き出し「エリート」に覚醒させるのですが、面白いのは一人は主人公の少年、もう一人は赤ちゃん、そして最後に犯罪者がエリートに選ばれるという。
エリートに選ばれた犯罪者は世界征服を企むようになるという展開なのですが、この犯罪者はまずエリートの赤ちゃんを狙うんですよ。何故か?それは他の2人のエリートにはない超能力が備わっていたからなんですねぇ。
それにしても平井和正と桑田次郎の相性は良かったのでしょうね。立て続けに名作を生み出したというわけです。
幻魔大戦
「幻魔大戦」といえば先にもふれたように平井和正の代表作ですが、実は小説を漫画化したのではなく、漫画版が先に作られているんですよ。
個人的には小説よりも漫画版の「幻魔大戦」方が面白いと思ったりします。で、その漫画版をベースに1983年にアニメ化されました。