日産「パイクカー」シリーズの流れを汲んだラシーン
◆「パイクカー」って?
“パイク”(pike)とは直訳すると“槍”という意味。いわゆる“とんがった”挑戦的なデザインのクルマのことです。遊び心あるクルマづくりをした「パイクカー」は、生産台数や期間が限定されて販売されることが多く、大量生産を前提としていませんでした。
パイクカー(pike car)とはレトロ調であったり先鋭的であったりと、スタイリングが特徴的な自動車の一つ。またスタイリングが評価された過去の車を彷彿とさせるスタイリングの車両などもパイクカーと呼ばれる。
ラシーンのデザインコンセプトには、日産のパイクカー「Be-1」「パオ」を手がけたコンセプター・坂井直樹氏が関わっているとされており、ラシーンは限定生産ではありませんでしたが、“パイクカーシリーズ”の流れを汲んだ商品企画でした。
◆日産・Be-1 <初代マーチをベースに開発されたパイクカー>
Be-1(ビー・ワン)は、1985年の第26回東京モーターショーに参考出品されたコンセプトカーがでした。実際に販売が開始されたのは1987年1月のことで、発売時は黄、青、白、赤のラインナップで限定10,000台という設定でしたが、2ヶ月で予約完了という人気ぶりでした。
◆日産・パオ <パイクカーシリーズ第2弾>
パオは、1987年の第27回東京モーターショーで発表され、1989年に発売されました。パオの販売方法は1万台限定で予約が殺到したBe-1の反省を生かし、3か月の受注期間を設け、注文を受けた全台数を生産するという手法が取られました。その結果、Be-1を上回る51,657台もの申し込みがあり、納期は最長で1年半にもなる好評ぶりでした。
ノスタルジックな見た目に反し、ボディーには新素材や新工法がふんだんに投入されていたパオ
ボディパネルには軽くて錆びない成形自由度の高い樹脂パネルが多用され、塗料も劣化しにくいフッ素樹脂塗装が施されていました。
【画像提供:カーセンサーnet 】
【画像提供:カーセンサーnet 】
1998年4月「ラシーンフォルザ」追加
丸目4灯ヘッドライト、オーバーフェンダー、専用ラジエーターグリル、専用前後バンパー等を装備したスポーティモデルの「ラシーンフォルザ」が1998年に発売されました。
「ラシーンフォルザ」は、2.0リッターエンジン(SR20DE)を搭載し、1.8リッターエンジン搭載車で好評のアテーサ4WDと組み合わせることにより、動力性能・走行性能を大幅に向上。内外装にわたって力強いイメージにデザインしたライトクロカンテイストの4WD車でした。車名「フォルザ」はイタリア語で「力強いもの」を意味します。