「探偵物語」は同じ松田優作主演でも薬師丸ひろ子が共演した映画版と、ドラマ版がありますが今回はドラマ版の方を取り上げたいと思います。
なお、松田が探偵役を演じた(旧)角川春樹事務所製作の1983年の映画『探偵物語』とはストーリー・設定上の関連は一切なく、全くの別作品である。
黒の中折れハットにサングラス、スーツにサスペンダー、ライターの火力を全開にしてタバコに火をつけるなどその個性的なスタイルは話題を呼んだ。
松田優作はまた自分の前に課題をだした。軽い調子で、口数が多く、「あたしゃね、午前中と休日は仕事しないの」なんて横柄な態度をとったり、喧嘩に強そうで弱かったり、そうかと思えば仲間には信頼され情が暑く、きちんとしたポリシーをもって仕事をする。正義感をもつ実直なジーパンとも、あくまでいい加減で黒岩のために働くトクでもない、もっと言えば「遊戯」シリーズでもない、あらたな優作ワールドが創造されたのだ。
工藤俊作、もちろん松田優作なのでそれだけでカッコいいのもカッコいいのですが、弱い者(というのかマイノリティ?)に対してとっても懐が深く暖かい。
「聖女が街にやって来た」私立探偵・工藤俊作の元に、教会のシスターが仕事の依頼をしてきた。それは、彼女の教え子である夏子が盗んだハンドバッグを、穏便に持ち主に返して欲しいというものだった。依頼を引き受け、持ち主の住むマンションへ赴く工藤。ところが、その女性は何者かによって殺害され、彼は容疑者にされてしまう。しかも、彼女を殺害したギャングが、バッグに隠しておいたブツを返せと脅迫してきた。
殺人の濡れ衣を着せて無実の男を自殺に追いやった悪徳刑事の様な救いのないエピソード、
スペクトルマン好きの男の子が犯罪組織に狙われるエピソードの様に変化球を絡めたエピソード、強盗団の片割れと入れ墨者が仲間に命を狙われるハードなエピソード等、
バラエティに富んでいました。
まず、最終回についてですが、当時リアルタイムで見たとき
中学生だった自分には衝撃的な終わり方でした。
マジになる優作はやはり迫力と狂気の魅力です。