『ガンプラり歩き旅』その70 ~悪鬼のサイコガンダムMK-Ⅱ、旧キットのスケールはなんと1/300!~
2021年6月22日 更新

『ガンプラり歩き旅』その70 ~悪鬼のサイコガンダムMK-Ⅱ、旧キットのスケールはなんと1/300!~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、メカ単位での紹介をする大好評連載。 新展開では『機動戦士Zガンダム』(1985年)『機動戦士ガンダムZZ』(1986年)『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988年)まで、旧キットから最新のHGUCまで、商品の発売順に、再現画像と共に網羅紹介していこうという趣向になっております!

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それだけではない。今も書いたようにこのキットの肩アーマーは、大小2つに分割されてモビル・フォートレス形態に差し替えられるのだが、元々の設計ミスか、30年経過しての金型の劣化か、肩アーマーの小サイズのパーツが殆ど肩フレームの差し込みピンに固定できず、何度差し込んでもポロポロ落ちてしまうこと、RGガンダムの指のごとしなので、今回は思い切って、モビル・スーツ形態固定で制作。
腕の可動範囲を広げるカスタムも出来なかったが、代わりにキット入手前から考案していた「手首」をカスタムすることにした。
そしてカミーユの苦渋のビームが、ロザミアを狂気のガンダ...

そしてカミーユの苦渋のビームが、ロザミアを狂気のガンダムごと焼き尽くした

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『Zガンダム』放映時から、サイコガンダム2種の1/300ガンプラには、食わず嫌い的な酷評が多かった。
サイコガンダム2種は、ここまで書いてきた通り、演出上の都合から、ライフルやサーベルを握りしめてスパルタンにスピーディに戦うのではなく、巨大な魔神のような姿から、やはり巨大な指が広げられて掴みかかってくるイメージが強い。
にも拘わらず、1/300キットの手首は、どちらも凡庸な握り拳が1種類付いているだけで、これだけで劇中の印象と違って見えてしまうという逆マジックで、手を出さなかったモデラーもいた(というか、大河さんがその一人)。
キット付属の手首。なんの芸もない握り拳というあたりが少し残念

キット付属の手首。なんの芸もない握り拳というあたりが少し残念

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しかし時代が変わり。
今のご時世であれば、ガンプラの手首であればいくらでも、個別で商品化されていたり、アフターパーツとして自由な選択肢の中から選べる時代。
なので今回は、バンダイがイマドキのガンプラのオプション用にと発売している「ガンプラビルドファイターズ ビルドナックルズ(丸)」を購入して、そのLサイズをまず用意した。
これが、バンダイがアフターパーツとして発売している「ガ...

これが、バンダイがアフターパーツとして発売している「ガンプラビルドファイターズ ビルドナックルズ(丸)」

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その上で、キットの拳を一度作り、そこから握られた指の部分をモーターツールでカットしていく。
今回選択したのはそのLサイズ。

今回選択したのはそのLサイズ。

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そして(つまり、袖口のポリキャップに接続する手首のピンと、手甲は残した状態で)ビルドナックルズの丸指Lサイズの平手を接着した。
サイコガンダム系は、指先がビーム砲で平らになっているので、一応指先も平面になるように削ってある。
キットの拳と比較すると、ちょうど差し替えにピッタリなサ...

キットの拳と比較すると、ちょうど差し替えにピッタリなサイズと判明

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組み合わせて塗装して完成した「開き手首」

組み合わせて塗装して完成した「開き手首」

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組み合わせてみると、細部まで一致というわけにはいかないが、それなりに表情豊かな開き手が完成した。肩アーマーが動かない分、これでポージングに表情がつく。
襲い来る魔神のように、幽鬼的なポーズが可能に!

襲い来る魔神のように、幽鬼的なポーズが可能に!

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続けて塗装。
惜しいかな、キットの2色のランナー色は、どちらもアニメ本編の色設定とはかけ離れているので、今回はメインの2色を調合で作成した。
メインの紫は、Mrカラーのパープルとインディブルーとホワイトと、ガンダムカラーのMSパープルで調色。
フレームのブルーグレーは、ミディアムブルーをベースに、そこにインディブルーとモンザレッドを足して再現してみた。
肩が可動しないが、肘が90度以上曲がるので、前方へ腕を...

肩が可動しないが、肘が90度以上曲がるので、前方へ腕を差し出す感は再現できる

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他の部分は、イエロー、モンザレッド、ニュートラルグレーで、それはそれで構わないのだが。
問題だったのが「目の色」。

サイコガンダムMK-Ⅱは、もともと釣り目が細すぎて、劇中でもバストショット以上のアングルだと描かれないことが多いばかりか、逆にアップになったり、当時や後の関連イラストを見ると、目の色がイエローだったり赤だったり、イラストやカット単位で変わっている。
脚部の前後開脚可動範囲。変形システムと並行しながら、そ...

脚部の前後開脚可動範囲。変形システムと並行しながら、そこそこ可動範囲は広い

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迷っても仕方ないので、今回は小スケールのキットから、最大限の禍々しさを引き出すべく「赤」を選択してみた。

それほど色分けは多くはないが、小サイズゆえ塗り分けはかなり面倒だった。
しかし、細かい色の模様は、付属した水転写デカールでほとんどがカバーできるので、今の目で見ても優秀なキットであると言えるのではないだろうか。
カスタムした手首も含めて、少しでもサイコガンダムMK-Ⅱの悪魔的な印象が伝われば幸いである。
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