1989年の日本シリーズ
第3戦:加藤の「ロッテより弱い」発言!?
1989年、平成になって初の日本シリーズは、セ・リーグの覇者・読売ジャイアンツ(巨人)と、パ・リーグの覇者・近鉄バファローズ(近鉄)の初シリーズでした。戦前の予想では、巨人有利の声が多かったものの、第1戦 4対3、第2戦 6対3と近鉄がホームの藤井寺球場で連勝。敵地東京ドームで迎えた第3戦は、近鉄が早々に先制し、投げては加藤→村田→吉井の完封リレーで、3対0と巨人を圧倒。近鉄がまさかの3勝0敗で、初の日本一に王手をかけました。そして、物議を醸したのが、第3戦の主役・加藤哲郎投手のヒーローインタビューです。次のように話しています。
加藤「別に、とりあえずフォアボールだけ出さなかったらね。まあ打たれそうな気しなかったんで。ええ、まあ、大したことなかったですね。」
(中略)
加藤「もちろんシーズンの方がよっぽどしんどかったですからね。相手も強いし。」
1989年日本シリーズ第3戦「加藤のヒーローインタビュー」
日本シリーズ 駒田徳広×加藤哲郎 因縁の対決
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同じお立ち台に立っている、光山英和捕手の少し心配そうな表情が印象的です。このヒーローインタビューの発言や囲み取材での発言が「巨人はロッテより弱い」と曲解して報道され、巨人の選手の闘志に火をつけたと言われています。
加藤は、"ロッテより弱い"発言を否定していますが、当時、チームメイトだった金村義明選手は後年、加藤がヒーローインタビューで "イキってしもた" と述べています。
加藤は、"ロッテより弱い"発言を否定していますが、当時、チームメイトだった金村義明選手は後年、加藤がヒーローインタビューで "イキってしもた" と述べています。
金村義明 「巨人はロッテより弱い」発言の真相
金村義明 『巨人はロッテより弱い』発言の真相
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第7戦:駒田の「バカ、バーカ」発言!?
加藤の発言に、発奮した巨人の選手たち。第4戦で巨人が5対0と近鉄に一矢を報いると、第5戦は6対1、藤井寺球場での第6戦は3対1と巨人が連勝。3連敗したことが嘘のようで、ついに逆王手をかけます。
第7戦は、因縁の加藤が先発でしたが、完全に流れは巨人。そして、その時はすぐにやってきました。2回表、駒田が先制のソロホームラン。二塁ベースを過ぎたところで、駒田が加藤に向かって「バカ、バーカ!」と叫びます。この時、加藤には駒田の声は一切聞こえておらず、大事件にならずに済んだようです。結局、試合は8対5で巨人が勝利。3連敗の後の4連勝で、巨人が奇跡の日本一を果たしました。MVPはもちろん、駒田徳広選手です。
第7戦は、因縁の加藤が先発でしたが、完全に流れは巨人。そして、その時はすぐにやってきました。2回表、駒田が先制のソロホームラン。二塁ベースを過ぎたところで、駒田が加藤に向かって「バカ、バーカ!」と叫びます。この時、加藤には駒田の声は一切聞こえておらず、大事件にならずに済んだようです。結局、試合は8対5で巨人が勝利。3連敗の後の4連勝で、巨人が奇跡の日本一を果たしました。MVPはもちろん、駒田徳広選手です。
1989年日本シリーズ第7戦「駒田の先制ホームラン」
1989年日本シリーズ 近鉄 巨人 第7戦 VOL1
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25年後の和解
伝説となった1989年の日本シリーズですが、その後は思い出のシリーズとして振り返られることはあるものの、当時のインパクトは徐々に薄れつつありました。ところが、シリーズから25年経った2014年、テレビ朝日がバラエティ番組『お願い!ランキングGOLD 特別編 大きなお世話TV』で、駒田と加藤の対談を企画。文字通り "大きなお世話" ながら、二人は思わぬ形で再会を果たすことになります。
元巨人・駒田と元近鉄・加藤が因縁の真相語る 25年ぶりに正式対面 | ORICON NEWS
ニュース| 今もプロ野球ファンの間で語り継がれている“舌禍事件”の張本人・元巨人の駒田徳広氏と元近鉄の加藤哲郎氏が、テレビ朝日系『お願い!ランキングGOLD 特別編 大きなお世話TV』(11日 後6:56〜8:54)で対面し、25年ぶりにあの騒動の真相について語り合うことが8日、わかった。 同事件は、1989年の日本シリーズで、巨人に3連勝していた近鉄の投手・加藤氏が「(巨人は)大したことなかったですね」と発言。これに発奮した巨人がその後3連勝し、大阪・藤井寺球場で迎えた最終第7戦で駒田氏が先制ホームランを放ち、ダイヤモンドを一周する際に、マウンド上の加藤氏に「バ〜カ!」と叫んだのだ。勝負は4連勝で巨人が日本一に輝いたが、それ以上に同シーンがファンの記憶に強く刻まれることになった。
何が起こるか予断を許さない対談企画でしたが、いざ始まってみると、なんと二人は意気投合。加藤の「巨人は弱い」と暗示する発言に対し、駒田も「弱いと思われて当然」と共感していたことを吐露します。グラウンド上での暴言ややり返しについても二人は肯定的で「そういう時代だった」と懐かしむ様子も見えました。二人は最後にがっちり握手。この対談のおかげで、二人の間に接点が生まれます。
「20数年前の話、まだやりますかね」という加藤氏は「この番組がどっちかが謝るとかいう話だったら出ないよっていう気持ちだったですね。なんで俺が謝るんだっていう」と続けると、駒田氏も「勢い余って何が悪いんだって思ってるしね」と同調した。
(中略)
加藤氏は自身を発言を「当時、近鉄って巨人相手に3連勝したわけじゃないですか?“どうですか?”って訊かれて、どうですかもなにも弱いに決まってるだろっていう感覚があった」と説明。駒田氏も「実は、言われた時に僕自身はそらそうだろって。3回やって3回負けるんだから弱いって言われてもしょうがないなって気持ちはあった」
加藤に頭が上がらない駒田!?
二人の対談後、麻雀講師として活躍していた加藤。テレビにも出演し、元プロ野球選手としてよりは雀士としての知名度を上げていました。そしてある日、声をかけられたのがまさかの人。。。
元プロ野球選手だと認識して訪れる人は20人に1人程度。むしろ、麻雀番組に出演している姿で知った人のほうが多いという。
「数年前、東京での麻雀大会で優勝した時、コスプレのお嬢ちゃんが『加藤さん、一緒に写真撮ってもいいですか?』と来て。『おお、ええよ』と言いながら、『どうせ俺のこと知らんやろ』と思ってました。撮り終わると、『ありがとうございました。実は私、駒田真子といいます』って。『駒田真子……駒田真子……駒田?』『駒田徳広の娘です』『えーっ』みたいな(笑)」
実は、駒田の娘・真子は、プロ雀士を目指すようになるも父親から理解されず、父親と疎遠になっていたというのです。その間を取り持つ形になったのが、加藤の存在。駒田は、槙原のYouTubeチャンネルで「(加藤に)娘がいつもお世話になっています」と恐縮した様子を見せていました。
実は、似た者同士だった駒田と加藤。「バカ、バーカ!」の暴言からこんなに意気投合するとは、当時誰が予想できたでしょうか。最近は、駒田の娘の存在でより仲が深まり、イベントまで企画しているようです。二人だけでなく、プロ雀士・駒田真子の今後の活躍にも注目です。
実は、似た者同士だった駒田と加藤。「バカ、バーカ!」の暴言からこんなに意気投合するとは、当時誰が予想できたでしょうか。最近は、駒田の娘の存在でより仲が深まり、イベントまで企画しているようです。二人だけでなく、プロ雀士・駒田真子の今後の活躍にも注目です。
「駒田さんと会った時、『あまり心配しなくてもいいと思いますよ。どんなことがあったかわからないけど、ホントに素直ないい子ですよ』と伝えました。程なくして、駒田さんのお嬢ちゃんから『今からお父さんに数年ぶりに会ってきます』と連絡がありました。今は仲良いみたいですし、プロ雀士になりましたね」