『リボンの騎士』(1967年) サファイア姫がリボンの騎士として戦う。「扮装・変装して戦う女の子」のキャラクターの元祖。
当時はまだ若い女の子が悪者と戦うこと自体が過激な表現として捉えられていた時代である。 だから彼女たちは、少女性を隠すことで戦士になるのである。
この点で、キュートな衣装に身にまとう現在の美少女戦士モノとは方向性が大きく異なる。
黒髪の美少女「サファイア」
以降、母国・シルバーランドを乗っ取ろうとするジュラルミン一派や「女としての心」を奪おうと狙う魔女(アニメ版の悪魔は男の心を狙う)を向こうにして戦うことになる。 しかし戦いの中で結局はシルバーランドを追われ、時に隣国にして敵対国でもあるゴールドランドに囚われることにもなった。
【参考】特撮ドラマ『好き! すき!! 魔女先生』(1971年)において、アニメに20年先駆けて美少女戦士(アンドロ仮面)が登場している。
特撮ドラマ『好き! すき!! 魔女先生』(1971年)において、アニメに20年先駆けて美少女戦士(アンドロ仮面)が登場している。
当時は変身ブームの真っただ中でもあり、このアンドロ仮面は特撮変身ヒロイン物のさきがけにして草分けとも云うべき存在である。
月ひかる/アンドロ仮面
アンドロメダ星雲アルファ星の姫君。平和監視員として地球人が宇宙平和に害を及ぼさない生命体か調査しにやってきた。対象とされたのが東西学園の人間である。受け持ちの学級は5年D組。地球人の希望は子どもたちだと信じ、常に児童に寄り添った教育と生活指導を行う心優しき“お姉さん先生”。その教育方針は児童に好まれるが、行き過ぎて、子供のいたずらに一時加担したり学校の方針と対立したり、うっかり宇宙の常識を教えてしまうトラブルメーカーの一面もある。同時に籏野先生を典型的な地球人として観察対象にし、行動を共にするうちに自分でも気づかない淡い恋心を抱く。
大きな宝石の付いた指輪「ムーンライトリング」を左手の中指にはめており、「ムーンライトパワー」の掛け声でこれを活用する事により、様々な超能力が使える。しかし、エネルギーに限界があり、満月の夜に月に向かって指輪をかざし衛星軌道上にある母船からエネルギーを供給しなければならない。
『キューティーハニー』(1973年) 「変身して戦う女の子」のキャラクターの元祖。
『キューティーハニー』(1973年) 「変身して戦う女の子」のキャラクターの元祖。
主人公の如月ハニーは体内に「空中元素固定装置」を内蔵している少女の姿をしたアンドロイド。人間を大きく超える運動能力を持ち、装置によって自在に衣装、所持アイテムを変えられ、その衣装に応じた能力を発揮できる。
宝石や美術品を狙う犯罪組織パンサークローの刺客対キューティーハニーの戦いを、ハニーにメロメロである早見一家とハニーとの愉快なやりとりを交えて描く。
『キューティーハニー』(1973年)オープニングテーマ - 「キューティーハニー」
作詞 - クロード・Q / 作曲 - 渡辺岳夫 / 編曲 - 小谷充 / 歌 - 前川陽子
『ラ・セーヌの星』(1975年) 主人公が男性の衣装を着ることで戦場に立つ。男装するヒロイン。男装の騎士。
『ラ・セーヌの星』(ラ・セーヌのほし)は、1975年4月4日から同年12月26日までフジテレビ系列で放送されたテレビアニメ。制作はフジテレビ/ユニマックス/創映社(現・サンライズ)。全39話。
シモーヌはオーストリア女帝マリア・テレジアの夫フランツ1世とオペラ座の歌姫を両親に持ち、ルイ16世の王妃マリー・アントワネットの異母妹であるという設定である。
シモーヌ・ロラン
声 - 二木てるみ
本作の主人公。物語開始当時は15歳。仮面の剣士「ラ・セーヌの星」。
オーストリア女帝マリア・テレジアの夫ロートリンゲン公フランツ1世とオペラ座の歌姫との間に生を受けた。そのため、母親は違えどマリー・アントワネットの妹なのだが、それを知らされずにド・フォルジュ公爵に託された花屋のロラン夫妻の娘としてシテ島で育った。
変装して「ラ・セーヌの星」と名乗って剣をふるい、横暴な貴族と戦う。次第にロベールを愛するようになり、彼が「黒いチューリップ」」だと知った時、その胸に飛び込み2人は相思相愛の恋人になる。
他の民衆と同様にマリー王妃や貴族を憎んでいたため、出生の秘密を明かされてマリー王妃に姉と呼んで欲しいと懇願されても拒絶してロベールの説得も困難を極めたが、ルイ16世からフランス国王としてではなくマリーの夫として彼女を姉と呼んでやって欲しいと頼まれたこともあり姉と和解する。
王侯貴族と平民の力関係が逆転して国王と姉が処刑され、積み重なる恨みをなおも晴らそうとするケダモノに成り果てた民衆の手からマリー王妃の遺児マリー・テレーズとルイ・シャルルを救出し、ロベールと共に親代わりとなってフランスを去る。
少女漫画で一番ウケるの主人公の少女性を強調したものであることは今も昔も変わらない。
少女性を隠す必要があった「男装の騎士」ジャンルのこれらの作品は刺激的なものとして人気は出たが、メインストリームになることはできなかった。
仮面の剣士「ラ・セーヌの星」
『ベルサイユのばら』(1979年・日本テレビ系列) 主人公が男性の衣装を着ることで戦場に立つ。男装するヒロイン。男装の騎士。
『ベルサイユのばら』(1979年・日本テレビ系列) 主人公が男性の衣装を着ることで戦場に立つ。男装するヒロイン。男装の騎士。
原作に散見されたギャグタッチを排し、全編にわたり重厚なシリアスドラマとして構成されている。
フランス・イタリアでは『Lady Oscar』のタイトルで放映された。
2014年5月からは、アニメ専門チャンネルのアニマックスでデジタルリマスター版の放送を開始。同年9月にはBlu-rayボックスが発売されている。
2015年5月から、NHK BSプレミアムでデジタルリマスター版の放送を開始。
『ベルサイユのばら』(1979年・日本テレビ系列)オープニングテーマ - 『薔薇は美しく散る』 LADY OSCAR INTRO HD
作詞 - 山上路夫 / 作曲・編曲 - 馬飼野康二 / 歌 - 鈴木宏子
TVアニメ化にあたってストーリーが大幅に変更されており、続きものの原作とは異なり一話完結か前後編仕立てとなっている。
天使・チンクの悪戯で誕生した、男の心と女の心を持つサファイア王女(王子)をヒロイン(ヒーロー)にした作品。お姫様が「男装の麗人」となって悪人と戦うという、当時の少女漫画としては斬新な内容であった。
『リボンの騎士』の主人公・サファイア王女は生まれながらにして男と女の両方の心を持っているというキャラクターだ。
お姫様の衣装を着ている時は女の心で恋もするが、騎士の衣装へ着替えることで男の心に入れ替わり国を乱す悪党と戦うのである。
まさにこれは後のバトルヒロインたちの「変身」要素の原点と言えるだろう。