アマチュア時代からプロデビューまでの戦績
そして、スポーツでは強豪校と言われている享栄高校に入学して、在学中にインターハイのフライ級に出場し、ベスト16入りを果たしました。
1987年の高校卒業後、愛知県名古屋市の松田ボクシングジムに入門し、同年7月にプロデビュを果たしました。
プロデビュー戦から日本バンタム級王座獲得までの戦績
それでも中日本フライ級新人王を獲得したものの、ボクシング関係者から「日本タイトルどころか世界タイトルも獲得するのは難しいだろう」と言われていました。
成人の日を迎えた1989年1月15日、所属していた暴走族の仲間らと車で並走していたところを愛知県警の警察官に発見され、道路交通法違反の容疑で通常逮捕となりました。
16日間に渡って勾留されたため、JBCからはボクシング協会の規定により、6ヶ月間の対外試合禁止処分を受けました。
日本では試合ができないため、東南アジアへ渡り、遠征試合を続けていたんです。
ここまでの8回戦の成績は5勝2敗1分3KO。
東南アジアでの遠征による戦績は3戦3勝の戦績で、自己戦績を8勝2敗1分TKO1KO5に伸ばしました。
日本に戻り、1990年6月に北海道で米坂淳と対戦。
試合には勝ったものの、米坂淳は意識不明のまま、帰らぬ人となってしまった。
薬師寺保栄は、この件でボクシングを続けるか引退するか相当悩んだ挙げ句、米坂淳の分まで生きてボクシングを続けることを決意されました。
決意を新たに続けて2試合に挑み、戦績を11勝2敗1分TKO1KO5に伸ばしました。
そしてついに日本バンタム級王座を獲得するための試合に挑みます。
日本バンタム級王座獲得からWBC世界バンタム級王座獲得までの戦績
JBC(日本ボクシングコミッション)ルールでは王座獲得後、6ヶ月に1回以上階級ランキング12位以内のボクサーと防衛戦を実施しなければならないという規定があります。
その規定に従って1991年12月、日本バンタム級王座防衛戦にて中谷幸男を1RKO勝ちし、初防衛に成功したけど、王座を返上したんです。
薬師寺保栄は日本バンタム級王座を返上して世界戦に挑戦する準備を始めたんですね。
返上することで日本バンタム級王座は空位となるので次の王座を決定するための試合が組まれる仕組みにもなっています。
そして世界戦に挑戦する機会が到来します。
1993年11月に予定していた辰吉丈一郎 VS WBC世界バンタム級王者 辺丁一との対戦試合は、辰吉丈一郎が左目網膜剥離のため、キャンセルとなったため、その代役として薬師寺保栄の名が上がり、同年12月にWBC世界バンタム級王者 辺丁一と対戦しました。
結果は12回フルラウンドで戦い、2対1の判定勝ちを収め、WBC世界バンタム級王座を獲得しました。
薬師寺保栄がWBC世界バンタム級王座戦について新聞等の報道では、判定について批判的な記事を書かれてしまい、元WBC世界バンタム級王座の辺丁一が猛抗議して2度めの防衛戦で再戦することが決まりました。
WBC世界バンタム級王座防衛戦から引退までの戦績
1994年4月にWBC世界バンタム級タイトルマッチが開催され、対戦相手のホセフィノ・スアレスを10RKOで下し、初防衛に成功しました。
1994年7月、猛抗議の末、再戦となった元王座 辺丁一との対戦は、5度のタウンを奪い、11RTKO勝ちを収め、2度目の防衛に成功しました。
1994年12月、WBC世界バンタム級暫定王者に復帰した辰吉丈一郎と王座統一戦が開催されました。
日本人同士のWBC世界バンタム級王座統一戦は史上初となり、日本中をはじめ、世界においても注目された試合となりました。
結果は、激闘の末、最終ラウンドまで戦い、有効打の多かった薬師寺保栄が2対0で判定勝ちを収め、WBC世界バンタム級王座3度目の防衛に成功しました。
WBC世界バンタム級正式王者となった薬師寺保栄は、1995年4月、対戦相手のクワテモク・ゴメスと最終ラウンドまで戦い、2対0の判定勝ちを収め、4度目の防衛に成功しました。
1995年7月、成功すれば5度目の防衛とWBC世界バンタム級タイトルマッチで対戦相手のウェイン・マッカラーと最終ラウンドまで戦い、1対2の判定でWBC世界バンタム級王座陥落となりました。
その結果を受け、薬師寺保栄は引退されました。
プロデビューからWBC世界バンタム級王座陥落となるまでの戦績は
28戦24勝3敗1分16KO(TKO含む) WBC世界バンタム級王座防衛4
といった輝かしい成績を残しました。
薬師寺保栄の「いま」
・薬師寺ボクシングジムを開設
・タレント業でTV出演
・極道の女をはじめとする映画やVシネマに出演
・フィットネスクラブの経営
などなどタレントとして活動しながら、実業家としても成功を収めています。
また、家族構成については18年連れ添った妻と離婚後、18歳年下の一般女性と再婚し、ボクシングジムやフィットネスクラブのスタッフとして、薬師寺保栄のパートナーとなっています。
薬師寺ボクシングジム所属のボクサーが、国内戦や世界戦に挑戦することになれば、一躍注目を浴びるのかもしれませんね。