宇宙初の奥スクロールアクション『クラッシュ・バンディクー』から約一年『クラッシュ・バンディクー2』は大幅なパワーアップを果たし、一躍時の人…時のバンディクーに!
2018年3月5日 更新

宇宙初の奥スクロールアクション『クラッシュ・バンディクー』から約一年『クラッシュ・バンディクー2』は大幅なパワーアップを果たし、一躍時の人…時のバンディクーに!

1997年12月18日に発売された本作。クリスマス間近ということでお子様に買ってあげ方もいらっしゃるでしょうか。正当進化を果たした続編、さらにパワーアップしたやり応えのあるアクション、個性的なキャラの増加、システム面の大幅な改良により遊びやすくなった本作ですが買ってあげたお父さんのほうがやりこんでいたり…。そんな思い出いっぱいの愛された作品を紹介していきたいと思います。

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クラッシュ・バンディクー2「しろくま だいジャンプ」

こんなステージもありました。
白クマのポーラに乗って一直線に進むステージ、ジェットパックで宇宙空間を進むステージなど、本作には多彩なステージが用意されています。
ポーラのステージは前作のイノシシに乗るステージに近いですが、ダッシュができるなど、前作にあった要素にも細やかな修正が施されているので、前作を遊び尽くしたプレイヤーも新鮮な気持ちで遊ぶことができます。

サーフボードで川を上ったり、天井の金網にぶら下がって進んだり、地面に潜って進むといった通常とは異なる操作を行う場面も多く、楽しみ方の幅が広がりました。
雪山ステージにはつるつる滑る氷が張られていたりと、ステージのギミックも飛躍的に増え、スライディングで氷の上をすべると非常に爽快感があります。

ステージデザインも終盤までは、ジャングル、川、廃墟など、割りと前作の雰囲気に沿っているステージが多いです。
廃墟ステージやひみつのワープルームでは、背景に前作の舞台である島が描かれています。
前作には無かった雪山や山岳、地下道なども、所々に遺跡っぽい描写を加えることで雰囲気を保っていました。

逃げゲーステージが色んな意味でパワーアップ

前作の大岩ステージに続き、本作では雪玉や白熊(パパぐま)から逃げるステージが存在します。
前作では障害物の種類は一つだけでしたが、本作ではビリビリフェンス、地雷、ニトロ箱、木のフェンス、ダッシュ床など障害物や仕掛けがかなり増えています。

雪玉ステージではゴール手前で箱が密集していたり、鉄枠箱が設置されており、パーフェクトを目指す場合はかなりスリリングになります。ちょっとでも遅れると即ミスになるため、難易度が高いステージでした。しかし、ミスし続けると雪玉の速度が手加減してくれるため、詰むような事はまず無いという新設設計でしたね。

パパぐまステージは迫力がとてつもなく、クリスマスに買ってもらった多くの小学生にトラウマを植えつけたことでしょう。
パパぐまステージでは最後にポーラに乗って高速手前スクロールで逃げる場面があり、反射神経が試されます。

クラッシュ・バンディクー2「にげろや パパぐま」

みんなのトラウマ…。

クラッシュのリアクションが豊富

クラッシュと言えばコレ。前作から引き続きクラッシュのやられモーションが無駄に豊富で面白いです。ニトロ箱で爆死などのグロテスクなパターンもありますが、電気に触れてビリビリと感電したり、壁に激突して倒れたり、地面に潜っている最中に死ぬとその場に墓ができたりとユニークなのも多いです。
また、操作せずにいるとクラッシュがおまけ動画で踊っていた「クラッシュ万事休す」を踊ったり、追いかけられステージでは後ろを見て驚いたり、雨や雪などの寒いステージでは身震いして息を手に吹きかけるなど、とても芸が細かいです。

BGMの豊富さ

プレステ発のクラッシュでは群を抜くBGMのバリエーション。前作よりも明るくキャッチーな曲が多かったです。大部分のステージでは通常のBGMに加え、ボーナスステージや隠しコースのBGMも通常のBGMを踏まえた別の曲になっています。
ただ、各ステージに3曲作るのはやはり至難の業だったようで、次回作ではボーナスステージと隠しコースのメロディーはそれぞれで統一されています。

タイトル画面には日本版クラッシュ・バンディクーのテーマ曲である『クラッシュ万事休す』が使われています。SCEI(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)時代の同シリーズのCMでは常に使われていたので、クラッシュ・バンディクーというとこの曲を思い浮かべる人も多いのでは?
この曲は本作が初出だと思われていることが多いですが、実は初代のCMの時点で使われていました。
因みに作曲者は、プレステのCMのサウンドロゴを作った岡田徹氏。2010年には彼の参加しているガジェット音楽楽器ユニット「CTO LAB.」が現代的なテクノアレンジで(セルフ)カバーしています。クラッシュファンの方は是非お聞き頂きたいですね。

残念ながら(?)この曲が使われているのは日本版のみとなっています。
次回作『3』以降も日本版限定のタイトル曲に使用されています。

CTO LAB. / クラッシュ万事休す(short edit.) Official Video

CTO LAB.によるテクノアレンジver。クラッシュファンの方は是非!

問題点

一部ステージの箱の配置が悪い

ノーミスで辿り着くことで行くことができる高難度のドクロコースにも箱があるステージがあり、ノーミスで攻略しつつ通常の道と合わせて進まなければなりません。縦スクロールで分岐した道の両方に箱があるステージもあり、画面下に向かって進む形で逆走しなければならないことも。しかもそのステージには無限沸きする敵が襲ってくるので、敵が襲ってくる「音」を頼りにタイミングよく攻撃をする必要があり、かなり難易度が高いです。
比較的逆走がしやすい横スクロール中心のステージでも、箱が配置されているドクロコースでひみつダイヤとパーフェクトダイヤを同時に取るには自害が必須のステージや、ただでさえ難度の高いコースなのに、パーフェクトダイヤ取得のためにコースのかなり後半から中盤にあるドクロコースまで戻らないといけないという、極度な緊張感のあるプレイが強いられるコースがあるなど、意地悪なデザインのステージがいくつかあります。いずれも後半なのが救いでしょうか…。
横スクロールで画面外に配置されている箱があるステージがあり、攻略無しでは非常に気づきにくいです。
一度クリアしたらステージを出るまで挑めないボーナスチャレンジにもこのような配置があります。

△ボタンの機能

△ボタンを押すとそのステージの箱の数が表示されるのですが、そのステージにいくつ箱があるのかという肝心な部分は表示されません。
ステージの箱の総数はゴール前で確認可能なのがせめてもの救いですね。よくメモしていました。

一部ひみつダイヤの配置がイマイチ

パーフェクトダイヤに関係無い特殊コースで手に入るひみつダイヤが、なぜかその終点ではなく序盤~中盤に配置されているステージがあり、ダイヤを入手してミスしてしまうと、コースを完走できずじまいのままダイヤを入手して通常コースに戻されてしまいます。箱が無いので再挑戦する意味もありません。

総評とまとめ

クラッシュシリーズ最高傑作!多分!!

クラッシュシリーズ最高傑作!多分!!

世界観とシンプルなゲーム性が評価された前作から更に遊びやすくなり、クラッシュシリーズの精度を高めた一作です。
発売時期が12月だったこともあり、クリスマスプレゼントとして定着したこともあって累計販売本数89万本とシリーズ2位の売り上げを記録しました。

良くも悪くもアクションがスピンアタックのみに限定されていた『1』と、ダブルジャンプ、竜巻スピンアタック、リンゴバズーカなど強力なアクションを取得できる『3』の中間にあたるゲームバランスの作品です。
スライディングによるシンプルなアクション性は、純粋にプレイヤーの腕が試される事から本作をクラッシュシリーズで最も高評価とする意見も少なくありません。
私も初代からプレイしてきましたが、本作『クラッシュ2』が一番好きです。

大人でも(寧ろ大人の方が?)楽しめる設計になっているので、アクションに自信のある方には是非遊んでいただきたいですね。
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