伝説的なバッドエンド。後味が悪い鬱展開。懐かしのトラウマ漫画!
2021年11月17日 更新

伝説的なバッドエンド。後味が悪い鬱展開。懐かしのトラウマ漫画!

スパイダーマン(池上遼一版)、デビルマン(漫画) 、「桜多吾作版マジンガーシリーズ」、手塚治虫の鬱展開漫画など昭和の伝説クラスのトラウマ漫画を振り返ってみましょう。バッドエンドや鬱展開は漫画だけにしたいですよね。

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『奇子』(あやこ) 天外家は滅んだが、奇子だけは生き残る。終始陰惨かつ救われない話が続く。

手塚治虫の漫画作品『奇子(あやこ)』1972年~197...

手塚治虫の漫画作品『奇子(あやこ)』1972年~1973年までビッグコミックに連載されていた。

地方旧家・天外家の人々を核に、戦後史の裏面を描く
終戦直後から高度経済成長期までの日本が主な舞台であり、共産主義やスパイなどの政治的話題、「東京裁判ごっこ」などのブラックネタ、 松本清張も触れたことで有名な下山総裁暗殺事件、村八分、私生児、近親相姦、暴力団、知的障がい(知恵おくれ)などの 色々とアブない要素がてんこ盛りであり、現代では考えられない差別的な単語も多く含まれている。
奇子は一族の体面のために村ぐるみの決断で肺炎で死亡した...

奇子は一族の体面のために村ぐるみの決断で肺炎で死亡したことにされ、 天外家の土蔵の真っ暗な地下室に幽閉されたまま育てられることに…

実はGHQの工作員でもあった仁朗。その事が奇子と天外家の使用人の娘お涼にばれそうになり、事の露見を恐れた仁朗はお涼を殺害。

仁朗は警察の追手から逃亡、証拠を握る奇子は天外家の名を守る為にと死亡届を出され、蔵に幽閉される。
天外奇子(あやこ) 仁郎が証拠隠滅をしていたところを見...

天外奇子(あやこ) 仁郎が証拠隠滅をしていたところを見てしまったため口封じのため地下に幽閉されてしまう。 まともな教育も受けられないまま20年以上も地上に出ることすらなく生活していた。

天外伺朗

天外伺朗

天外家三男。
正義感が強く頭がきれ、奇子の幽閉に唯一強く反対していた。
しかしその正義感は時に暴走し、独善的かつ頑固と言える性分も持ち合わせている。
奇子に迫られて一度きりとして関係を持ったが、その後も関係を続けやがて異母妹である奇子を愛するようになる。

そのこと市郎や下田波奈夫に叱責されても「天外家自体みんなクズだから」「天外の汚物をひっかぶったごみ箱がおれだ」と開き直った。

奇子への愛情と正義感の暴走が重なってとんでもない行動を起こし、天外家は滅亡への一途を辿ることとなった。
伺朗は大きな行李の中に奇子を隠し、他の荷物とともに運び...

伺朗は大きな行李の中に奇子を隠し、他の荷物とともに運び出す事で奇子をこっそり蔵から脱出させる

数年経ち、公共事業のための土地の買収で奇子が幽閉されている蔵も取り壊される事となる。
伺朗「実の兄貴だが、お前(奇子)が愛しかった。闇はお前...

伺朗「実の兄貴だが、お前(奇子)が愛しかった。闇はお前の世界だ生き延びろよ」と言い残し絶命。

伺朗は二十数年前に天外家を守るために一族が奇子を犠牲にした事を話にあげ、
祐天寺(仁朗)がお涼を殺した事、市朗が妻のすえを殺した事も問い質す。

そして自分もその立場であると認めた上で伺朗は一族に、これまで虐げて来た事に対しての謝罪を奇子にしろと要求する。しかし皆、自分本意で(伺朗や波奈夫以外に)奇子の事を省みる者はいなかった。

怒った伺朗は隠し持っていたダイナマイトで洞窟の入り口を爆破。発破で土砂が崩れ、入り口が塞がれてしまう。そして伺朗も土砂の生き埋めとなる。
脱出不可能と言う絶望的状況の中、何故かただひとり奇子だけが声をあげて嬉しそうに笑う。

「奇子……こわくない。ここ好きよ。奇子の部屋とおんなじだもの」

「あの土蔵の下か」
「奇子の笑ってるわけがわかりますよ。奇子は復讐してるんだ。ニ十何年もの閉ざされた恐怖を……いまのみんなが味わっているんで奇子には満足なんだ、それで笑うんですよ。」

警察や村民達による奇子達の捜索は夜に日を次いで行われたが、数週間経っても見つからない。

ある日ついに偶然の発掘でみんなは発見されたが、殆どが虫の息か死亡したいた。が、しかし奇子だけは幽かに微笑みさえ浮かべながら、死体の群れのそばで生き残っていた…。

『ザ・ムーン』(1972年)少年漫画とは思えない無残な結末へと向かってゆく。

ジョージ秋山による漫画作品『ザ・ムーン』 『週刊少年サ...

ジョージ秋山による漫画作品『ザ・ムーン』 『週刊少年サンデー』(小学館)において、1972年14号から1973年18号まで掲載された。

ザ・ムーンとは、大富豪の魔魔男爵が二兆五千億円(当時)を費やして作り上げた巨大ロボットである。「神は死んだ」と語る男爵は、悪がはびこる世界への怒りから力こそ正義であると考え、新たな神としてムーンを作った。そして本当の正義を見つけ出せる純粋な心を持った少年たちにその操作を預ける。
9人の少年少女たちが心を合わせた時に、ムーンは動く。(...

9人の少年少女たちが心を合わせた時に、ムーンは動く。(般若心経を唱えて精神統一を行ない、念力で 空中浮遊~飛行も可能となる)

あくまでも全員の精神を集中させる為の手段として、般若心経を利用しただけであり(作中にも説明がある)、宗教的意味は皆無である事を留意すべきである。物語初期は普通に精神を集中するだけで操作しており、信仰心に依存する仕様ではない。
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『ムーン ムーン ムーン』との駆動音を発して動き、強い脳波をキャッチするなどしてメカが加熱すると、両目から涙の如くオイルがあふれだす。

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動けなくなったザ・ムーンが涙を流す中で絶望的な最期を暗示させつつ、明確な結末を掲示しないまま幕を閉じる。

ベルサイユのばら  悲劇的な最後を遂げる革命の嵐の中で一瞬の生を悔いなく生きた恋人たちの物語。

池田理代子による漫画作品「ベルサイユのばら」 1972...

池田理代子による漫画作品「ベルサイユのばら」 1972年21号から1973年まで『週刊マーガレット』(集英社)にて連載。

フランス・ブルボン朝後期、ルイ15世末期からフランス革命でのアントワネット処刑までを描いている。

前半はオスカルとアントワネットの2人を中心に描き、中盤以降はオスカルを主人公として、フランス革命に至る悲劇を描いた。
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  • ななし 2022/10/16 00:09

    原作仮面ライダーブラックもラストはバッドエンド。

    ライモン 2022/2/28 20:34

    藤子F不二雄の短編「ある日…」はある意味今の状況読むべきでしょう…。日常なんてある日突然の天災であたかもなく崩れてしまいます。また、同時に世界の終末を描く「箱舟はいっぱい」や「流血鬼」もゾッとする展開です…。ドラえもんのほのぼのしたイメージを持つ方々にこそ読んで欲しいです。

    2020/11/19 17:03

    ↓ブーメラン

    2020/7/9 21:12

    パヨクは絶対正義という狂った思想から出てこれないから、議論ができない。妥協を許した時点で負けなのがパヨク。だから、仲間内で綺麗事だけ言い合って出来もしない理想論を言い合って悦にいる。でも現実には全く通用せず反論もできないから、悔し紛れに暴言と暴力を繰り返す。

    2020/3/8 23:55

    左巻きが多いのかな
    差別用語を吐きちらしてる人間が多いのも無理ないが、kの法則を考えるとそこは触れちゃいけないのかな
    ヤレヤレ

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