春になりました。そろそろ路上に色々な生物が姿を現します。冬眠から目覚めた生物たちが。例えば、蛇。
そういえばこのコラム連載の第1回で、地名と蛇について取り上げました。以下一部抜粋します。
そういえばこのコラム連載の第1回で、地名と蛇について取り上げました。以下一部抜粋します。
「地名」。名の通り、その土地の名前である。地名にはその土地におきた歴史や特徴を子孫に伝えるメッセージが隠されている。
宅地開発などで地名を変えてしまった結果、先人からのメッセージを受け取れずに、災害が起きた後でそのメッセージを改めて知ることもある。
災害と地名の関わりは深い。(中略)「蛇」「龍」「竜」などが使われる地名が全国にある。これは過去に大規模な災害が発生しているケースが多く、「蛇崩」「蛇抜」などは土砂災害の記録を伝える地名だったりする。土砂が流れていく様を蛇がうごめく様に例えているのである。
例えば、かつて、東京都目黒区に「蛇崩ジャクズレ」という地名があった。昭和7年(1932年)の目黒区誕生を機に消えた地名である。地域としては、祐天寺1丁目1~21番、上目黒1~26・28~45番あたりだ。現在は目黒区上目黒4丁目の野沢通りに「蛇崩」なる交差点名を残すのみとなっている。
「地名」から紐解く先人達のメッセージ、その土地におきた歴史や特徴を子孫に伝えるかつての地名の由来。 - Middle Edge(ミドルエッジ)
民俗学、それは日常生活の中の風習や行事などの由来を民間伝承の中から紐解いてゆく学問。伝承というと堅苦しく感じるかもしれないが、ごく身近な事象・・・例えば「地名」の由来を調べることも民俗学の範疇である。
今回は、目線を変えて・・・同じ理由だけども知名ではなく祭礼で表現された蛇についてご紹介します。
蛇をモチーフに使う祭礼
ワラやカヤなどで蛇の形のモノを作って担いだり、木に乗っけたり・・・日本には蛇をモチーフに使う祭礼がチラホラ存在します。例えば神奈川県横浜市鶴見区生麦に伝わる「蛇も蚊も(じゃもかも)」。6月に行われるこの祭礼は横浜市無形民俗文化財に指定されている疫病退散の祭礼です。15メートルほどの蛇2体がワッショイされる光景もさることながら、祭礼を行う神明社そばの公園に蛇をイメージした遊び場があり、地域で愛される蛇なのだと伝わります。「じゃあ蚊は何のために祭礼と合体しよるんや?」と思ったこともありますが、まあ、それはそれ。今は触れません。
長さ82.8メートル、重さ2トンの蛇祭り
さて。蛇の祭りで個人的にイチオシな祭りがあります。「蛇も蚊も」の蛇が15メートルに対し、こちらは82.8メートル(長さに意味があります)!重さ2トン。・・・重すぎる!そんな蛇がでる祭りが新潟県にあります。場所は新潟県北部・岩船郡関川村。時期は8月28日(日にちに意味があります)。祭りの名前は「大したもん蛇まつり」。「たいしたもんじゃ~」の語呂合わせが想像つくこのお祭は1988年に生まれた、新しい祭りです。
2017 大したもん蛇まつり(新潟県、関川村) Big deal mon snake festival japan
via www.youtube.com
なぜこの祭りが生まれたのか。
祭りの由来はふたつ。ひとつはこの村には水害をもたらそうとした大蛇を村人が退治した伝承があること。ふたつめは、同村で34人の死者・行方不明者をだした1967年(昭和42年)8月28日の集中豪雨「羽越水害」での供養のため。そう、水害に由来した祭礼なのです。水害を「蛇」という地名で伝承する地域もあれば、関川村は祭礼で気持ちを繋ぐことを選んだと言える気がいたします。だから祭りの開催日が8月28日なのです。
では、なぜこの蛇が生まれたのか。
同村のホームページには「関川村には各地区のお祭りはありますが、全村民が参加して楽しむお祭りはありませんでした。それならば新しいお祭りをつくろう」とした、とあります。そして、羽越水害が起きた8月28日を忘れないために、子孫に引き継ぐために蛇の長さを82.8メートルにしたのです。長さにも深い気持ちが込められているのです。
そんな蛇・・・竹とワラで作られているのですが、それを担ぐ人数は450~500人。相当多い。82.8メートルという長さですから当然と言えば当然ですが、この長さでウネウネされると、なんというか・・・空から見たほうが姿が把握できるわけで、ちょっとしたナスカの地上絵状態です。それだけ長いだけあって、ギネス世界記録にも認定されました(2000年8月28日第12回大したもん蛇まつりにおいて)。
蛇のつく地名も、蛇を使う祭礼も、いずれも日本各地にあります。それだけ天災と立ち向かってきた歴史があるのだな、と思っていただけたらありがたいな、と思います。
祭りの由来はふたつ。ひとつはこの村には水害をもたらそうとした大蛇を村人が退治した伝承があること。ふたつめは、同村で34人の死者・行方不明者をだした1967年(昭和42年)8月28日の集中豪雨「羽越水害」での供養のため。そう、水害に由来した祭礼なのです。水害を「蛇」という地名で伝承する地域もあれば、関川村は祭礼で気持ちを繋ぐことを選んだと言える気がいたします。だから祭りの開催日が8月28日なのです。
では、なぜこの蛇が生まれたのか。
同村のホームページには「関川村には各地区のお祭りはありますが、全村民が参加して楽しむお祭りはありませんでした。それならば新しいお祭りをつくろう」とした、とあります。そして、羽越水害が起きた8月28日を忘れないために、子孫に引き継ぐために蛇の長さを82.8メートルにしたのです。長さにも深い気持ちが込められているのです。
そんな蛇・・・竹とワラで作られているのですが、それを担ぐ人数は450~500人。相当多い。82.8メートルという長さですから当然と言えば当然ですが、この長さでウネウネされると、なんというか・・・空から見たほうが姿が把握できるわけで、ちょっとしたナスカの地上絵状態です。それだけ長いだけあって、ギネス世界記録にも認定されました(2000年8月28日第12回大したもん蛇まつりにおいて)。
蛇のつく地名も、蛇を使う祭礼も、いずれも日本各地にあります。それだけ天災と立ち向かってきた歴史があるのだな、と思っていただけたらありがたいな、と思います。
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