物語に引き込む「ナレーション」
アニメ「家なき子」の魅力の一つにナレーションがあります。今は亡き名優「宇野重吉」のナレーションは、淡々と進められるその語り口が、このアニメをより一層ドラマチックにしています。
第二次世界大戦前から戦後にかけて長く演劇界をリードしてきた名優の1人であり、滝沢修らと劇団民藝を創設した。飄々とした風貌と軽妙な演技を持ち味とし、『ゴドーを待ちながら』『夕鶴』などの舞台に出演。演出家としても多くの作品を残しており、リアリズムを基調とした近代的な芸を追求した。映画・テレビでも活躍し、主な映画出演作に『愛妻物語』『第五福竜丸』『金環蝕』など。映画監督として4本の作品も発表している。芸名は、中野重治と鈴木三重吉に由来している。俳優の寺尾聰は長男。
最近は、NHKドラマなどの関連で、ナレーションについての話題を何度か目にしていました。ドラマの邪魔にならない、アナウンサーのナレーションが好評という内容でしたが、アニメ「家なき子」に関しては、宇野重吉の独特の語り口がアニメを引き立てているように感じます。
アニメ「家なき子」の主題歌とエンディングについて
アニメ「家なき子」の主題歌とエンディングは、どちらも沢田亜矢子が歌っています。役柄のせいか、個人的には押しの強い女優さんのイメージがあったのですが、この「家なき子」の主題歌を聞いて、「この人は歌も歌うんだ」と意外に思ったものです。そして、気に入ってしまった私は、サウンドトラックのLPレコードを買ってしまったのでした。
家なき子主題歌「さあ歩きはじめよう」
Remi El Niño De Nadie (家なき子)(OP)(Español)(LatinoAmerica)(1977)
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ゆったりとして、昭和の童謡のような曲が耳になじんで、一緒に歌いたくなるような曲です。
エンディング「はらぺこマーチ」
エンディングはとても明るくて、その週の内容がつらいものでも、その気分を切り替えるにはうってつけです。時には休みたくなるようなこともあるけれど、また前に進んでいこうと思える曲です。
音楽担当の渡辺岳夫について
アニメ作品の主題歌・BGMの分野では、『巨人の星』、『アタックNo.1』、『天才バカボン』、『キューティーハニー』、『アルプスの少女ハイジ』、『魔女っ子メグちゃん』、『フランダースの犬』、『キャンディ・キャンディ』、『あらいぐまラスカル』、『機動戦士ガンダム』等の日本アニメ史上に残るヒット作品の音楽を手掛け、楽曲もヒットした。
手掛けたドラマやアニメの音楽は印象に残るものが多く、そのタイトルを聞けば、あの曲!と思うような曲ばかりです。
監督について
これらの素晴らしいスタッフを指揮する監督は、出崎統(でざき おさむ)、鉄腕アトム、あしたのジョー、エースをねらえ!など、多くのアニメを手掛けています。監督の名前は知らなくても、見たことのある番組ばかりです。改めて、自分はこの人のアニメで育ったんだと実感します。
テレビアニメの草創期より制作現場に入り、1970年に26歳で『あしたのジョー』(テレビ版)を監督。『エースをねらえ!』『ガンバの冒険』『立体アニメーション 家なき子』『宝島』『ベルサイユのばら』『あしたのジョー2』など1970年代~1980年代のテレビ/劇場版アニメをはじめ、67歳で死去するまでにテレビシリーズ、劇場用映画、OVAアニメを30タイトル以上監督した。全キャリアを通じ、作品発表のインターバルが1年以上空いたことは稀で、ときには2本以上のテレビシリーズ監督(チーフディレクター)を掛け持ちしたこともある。
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